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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第6部震災復興への一歩(下)」から

2011.4.19 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第6部震災復興への一歩(下)」から

岩手大の研究者が自ら震災地のローラ作戦で防災研究を

コラムでは、昨日の東北大学に引き続き、詩人・童話作家であった宮沢賢治の母校の流れをくむ岩手大学に焦点をあて、現場力での研究で地域への貢献を進めている様子を伝えている。

同じリアス式海岸であっても津波に流された集落もあればそうでない集落もあるとの事実が見えてきたのも、3月28日に危険な場所を自衛隊車両の先導で陸前高田市から宮古市までローラ作戦で、現地情報の収集を行ったことにある。標高差だけでなく、地形条件、建物の配置などだ。岩手大では、この情報を科学的に分析し多様な海岸地形を持つ日本の津波防災に役立てようとしている。地図情報と突き合わせれば、津波の「浸水境界マップ」もでき、自治体や企業の防災計画、BCPなどに応用できる。

津波浸水地域で聞き取り調査も、避難に際して何が人の行動に影響を与え、結果として防災やBCPに対する示唆や課題解決を行おうとしている。

岩手大学は東北の農業・畜産の要。さらに、昨日の東北大学等のITや水産の地域に根差した研究が連携できれば、大きな復興の基軸になるだろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第6部震災復興への一歩(上)」から

2011.4.18 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第6部震災復興への一歩(上)」から

東北大学、産業再生の軸に

コラムでは、東北大学井上明久学長が掲げる「災害復興申請研究機関(仮称)」についてその構想を示し、地域と大学、企業で震災後のイニシアティブをどうとるかを語っている。

大きな打撃は施設だけに止まらず、学生、教員、関係者スタッフにわたっている。井上学長は早急に、「災害復興申請研究機関(仮称)」の実現に向けて動き出した。

この機関は、大学内の学部、研究科を横串にして、地域を震災前の水準に戻すだけでなく、新産業の創出も視野に入っている。災害に強い防災都市研究は工学系のみならず、農学、医学、法学といった震災有事に重きを置いたものとなろう。既に医療支援は、石巻市、気仙沼市といった医療スタッフの派遣が始まっているという。

医療過疎を多数抱える日本にとって、復興の中、大学と地域の連携が進めば、他の地域の大学に対するモデルケースにもなろう。

未曽有の災害で大学自身も経営危機だ。しかし、復興支援を文科省にいち早く要求し、同機関の活動を一日でも早く実現するという。

東北の知の基軸には学ぶところが多い。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:3D技術」から

2011.4.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:3D技術」

3D(三次元)技術は画像技術に止まらず多方面に応用

コラムの著者 立教大学経営学部高岡美佳教授は、3D技術を単なる立体視や仮想的な設計技法ではなく、PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)などを取り上げその応用が広いことを示す。

映画やTVの3D化は映像自体をコンテンツとする考えだが、PLMの1つのツールと考えると、仮想的な空間で設計したものを繰り返し改善し、現場でのニーズに合った効率的な製品づくりが可能となる。ここでは自動車部品メーカーの例で、3Dを使ってパッケージの設計を効率的に行い、さらに驚くことに、輸送時に安全に運搬でき受け入れの自動車メーカーも手間が省けパッケージであれば、大きなコスト削減になる。さらに、輸送回数を減らし、運搬車を小型化することで二酸化炭素の排出を抑えることもできたという。

経済成長と持続社会を両立させるには、3D技術のようなITが不可欠というわけだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『がんばろう』だけでは足りない」から

2011.4.14  日経産業新聞の記事「「眼光紙背:『がんばろう』だけでは足りない」より

「がんばろう」発言の後に投資家への復興計画の提示を

コラムでは、製造業の震災後の爪後について紹介。特に、ITに基盤を置いている事業では、ある部品では、供給が早くても10月以降となると述べている。

3月期の業績予想を公表しない企業が出てくるとコラムの著者は予想。生産計画が立てられないのに、収益予測もあるまいという論法だという。ただ、年間が無理なら四半期ででも予想を出し「がんばろう」の具体的な行動計画をだすべきだという。目をそむけたくなる事実を、いかに、いつ、何をきっかけに好転させるかという復興計画が問われる。

投資家は、復興計画をもって支援をするか否を判断するだろう。以前紹介した『ストックデールの逆説』にもある:

ストックデールの逆説

どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。
そして同時にそれがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなげればならない。

厳しい時代だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:国産材の森、再生」から

2011.4.13  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:国産材の森、再生」より

日本の森林再生に若い感受性が変える

コラムの著者ジャーナリスト 川崎由香利氏が、森の荒廃を憂いて、NPO主催の森林保全活動に参加する都市部の若者が増えていることを取り上げている。

発端は、輸入材に圧されて放置されてきた国産材の森を再生する狙いで、木造率の低かった公共建築物の木材利用を促す「公共建築物木材利用促進法が昨年10月施行されたことだ。

全国の自治体で学校や病院などの建て替えに合わせた地産地消の木材利用が広がりつつあるという。この活動を支える若者の活動を取り上げている。その一例が、高校生と森の仕事をつなぐ、森の『聞き書き甲子園』だ。活動は4月で10年。100人の高校生が農林業従事者を訪れ、その技術や生活ぶりを聞き書きする活動で、「森聞き」と題してドキュメンタリー映画にもなった。(▶参考

映画では自然への愛着と仕事の意味(生きるために働く)に気付いていく若者を追う。聞き書き甲子園の参加高校生が農山村とのつながりをNPO活動として「共存の森ネットワーク」として発足。こういった動きは大学生や社会人に広がりを続けている。

生命循環と仕事の意義、更にそれを理解した若い感性。これからがこれからの日本の森林を再生するちからになると期待したい。