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【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:『考えるとまた眠れなくなっちゃう』」から

2024.4.22  日本経済新聞の記事「春秋:『考えるとまた眠れなくなっちゃう』」から

現代のICTは一般人の肌感覚で理解できるレベルを超えている

「考えるとまた眠れなくなっちゃう」というギャグで一世を風靡したのは昭和の漫才コンビ「春日三球・照代」であった。有名なネタが長い知多鉄の車両は一体どこからどうやって地面の中に入れたのかという疑問に対するギャグである。コラムの著者はこのギャグではないが、原稿を書いた時のデータは、一体どこにあるのかという疑問である。

○結局アナログ的な写真や紙印刷に回帰

コラムの著者は、コラムの内容を「どこか」に保存しているという。一昔前なら、端末本体のメモリーかハードディスク、外部記憶であるUSBメモリーのような媒体にデータが保存されていた。そこには、いつでもデータが「モノ」として取り出している感覚があったという。だが現代はクラウドサービスで、どこか遠いところにあるような感覚である。実際は、実体としてデーターセンターという最近話題の建物内のサーバーに保管さえている、あるいはそのサーバーの記憶領域に保管されている。コラムの著者は実体感覚がないのでとても不安になる。まさに「考えるとまた眠れなくなっちゃう」状態になる。

専門家に問い合わせると、地震や災害、テロでデーターセンターが破壊されたら大丈夫だという。つまり同時多発的にクラウドサービスを提供している世界のサーバを破壊しない限り、お互いにバックアップをとっているのでデータを紛失することはないという。だが、この考えにも、コラムの著者は、理解のレベルを超えて全く肌感覚がないという。だから、自衛のために、原稿の写った画面を撮影したり、大事な原稿はつねに紙印刷することにした。周囲には笑われるが、こうすることで安心する。この肌感覚は高度で最先端のICTには無くなっている。だから、「考えるとまた眠れなくなっちゃう」のである。✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:たけのこの清らかさ」から

2024.4.20  日本経済新聞の記事「あすへの話題:たけのこの清らかさ」から

和食とはマイナス的調理で成立

コラムの著者 土井 善晴氏(料理研究家)は、日本を象徴する食材で、春の一番のご馳走であるたけのこ(孟宗)の調理を紹介しながら、和食について考察している。

○自然本位に理屈なく行動する生活スピリットを忘れずに

この時期、春の盛りの竹の芽や茎の成長は著しい。たけのこは、土井氏によれば、日本を象徴する食材であり、日本らしい料理をするという。たけのこのうまみを十分に楽しむには、土井氏の友人がやるように採れたてのたけのこを「すぐに」湯がくのが良いという。朝とっても昼に湯がくのではないという。この「すぐに」ということばを理解するのは難解だという。今は「すぐに」を自分本位に使っているが、本来は自分ではなく自然本位で理屈なく行動することで、昭和までの一般的な生活にはこの「すぐに」の自然本位のスピリットがあった。

湯がいたたけのこは穂先を縦に割って、あとは輪切りにする。広口の雪平鍋に入れ、酒と漬け置いた昆布出汁をひたひたよりも多い目に入れる。そして昆布で落とし蓋をして強火にかける。煮立てば、アクを取り、塩と味醂を加える。きれいに、出汁が循環するように火力を調整しながら煮ていくと、煮汁は澄んでいく。この間にたけのこに合う大鉢を選んで、湯通しして温めておく。たけのこの煮汁が1/3ほど残して煮あげ、鍋をひっくり返すようにして大鉢に盛り、木の芽をどさりと入れる。

「すぐに」湯がいた自然本位のたけのこは、何よりも柔らかく、穂先にさえあくがないという。和食の真味は清らかさにあるという。和食は、一から仏を彫り出す円空仏のようにマイナス的調理から生まれてくる。🎋🔪🥢🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:凄まじい悪評を浴びた織田作之助」から

2024.4.20  日本経済新聞の記事「春秋:凄まじい悪評を浴びた織田作之助」から

織田作之助は健全な批判精神が新しい文学を生むと確信

コラムの著者によれば、前回に引き続き小説家の逸話とIT社会お課題について今回は織田作之助氏の事例で、全国の医師らが米Googleの提供する地図アプリに悪意ある投稿なされ営業権を侵害されたとして提訴したことを関連づけて語っている。

○良い批判と叱咤激励の難しさは今も同じ

コラムの著者の紹介している織田作之助氏のエッセー「可能性の文学」にこれまで浴びた罵詈雑言の一部は以下のようだという:

  • げす
  • 悪達者
  • 下品
  • 職人根性
  • 町人魂
  • 俗悪
  • エロ
  • 発疹チフス
  • 害毒
  • 人間冒涜
  • 軽佻浮薄

などだという。これを新聞や雑誌で批判を読んだ親戚が、織田氏を気の毒がって300円の為替を送ってきたこともあったという。親戚は織田氏が生活に困窮しているだろうと思っての支援であった。別の親戚の娘は世間体の悪い織田氏のせいで自分が女学校の試験に落ちたと詰め寄ったという。

「悪評はかくの如く人の心を傷つける」と、言葉の攻撃がもたらす苦痛は、織田氏の時代から今も変わらない。全国の医師らが米Googleを提訴した。提訴の内容は、同社の地図アプリの口コミ欄に悪意ある投稿(侮辱や「閉業」などと勝手な書き込み)がなされ、この事態を同社は放置していたと営業権を侵害されたものに対してである。

確かに多くの人が飲食展などを選ぶのに、投稿記事を参考にすることがあるだろう。誹謗中傷は許されないが、一方で情報が不可欠である。このバランスが難しい。

織田作之助氏は悪評に悪評で対抗しないとしたが、あえて「大家」の志賀直哉氏をこけおろした。そこには、健全な批判精神が文学の進歩に役立つという確信を持って行っていた。良い批判と叱咤激励の難しさは今も昔も変わらない。🗺️✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:遠藤周作の『いたずら電話』」から

2024.4.17  日本経済新聞の記事「春秋:遠藤周作の『いたずら電話』」から

AIを駆使する悪党に遊び心も情緒もない

コラムの著者によれば、吉行淳之介氏のエッセイ「悪友記」にも登場する遠藤周作氏の作家仲間へのいたずら電話を枕に、最近頻発している著名人を装ってSNSで架空の投資話を持ちかける詐欺事件を取り上げている。当時のいたずら電話との違いは?

○著名人を装ったSNS投資詐欺

コラムの著者によれば、遠藤周作氏の作家仲間に「日曜日の朝」いたずら電話をすることは有名だったそうである。電話を受けた吉行淳之介氏に「こちらは区役所ですが、都民税を払ってください」と語った。役所は日曜で休みのはずだがと反論すると、「日曜も祭日もありません」と畳み込んできたそうだ。押し付けるような声高に危うく信じかっかったと吉行氏は「悪友記」に書いている。遠藤氏はもちろん相手が迷惑であることを心得ていたし、ある程度のところで「種明かし」をした。吉行氏も分かって付き合う呼吸があり、遊び心と情緒があったという。

おおらかだった昭和の笑い話であるが、オレオレ詐欺の先駆けにようで、いつの時代も「なりすまし」は面倒な話である。誰もが知っているあの人ならという心の隙間につけ込む卑劣な投資詐欺である。勝手に名前を使われた著名人側からも対策を求める声があがっているという。最後は、そんな甘い話はないのでる。☎️🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「Deep Insight:職場に迫る介護クライシス」から

2024.4.13 日本経済新聞の記事「Deep Insight:職場に迫る介護クライシス」から

ビジネスケアラーの増加が介護離職に加え生産性低下を生む

コラムの著者 柳瀬 和央氏(日本経済新聞社編集委員)は、ビジネスケアラーのモデルケースを示しながら企業のリスク管理と行政としての支援の示唆をしている。

○企業が介護支援を福利厚生と捉えることは生産性低下の危機管理として不十分

柳瀬氏のコラムで紹介されている、あるビジネスケアラーのケースを示す:

  • 東京都内に住む「団塊ジュニア」の男性A(51)さんは、車で2時間の故郷に80歳代の両親が暮らしている。
  • 父は内臓疾患の手術ですっかり足腰が弱り最近は物忘れもひどくなっている。
  • 母は父を介護する「老老介護」で何とか自立生活をしている。母が高齢だけにいつ何かアクシデントがあってもおかしくない
  • 「何れ老老介護のバランスが崩れてしまう日がくる」と頭ではわかっていても、仕事に追われ、準備は何もできていない。そもそも、何をどう準備すれば良いかわからない。
  • 不安を抱えて働く日々が続いている。

柳瀬氏のコラムでは、Aさんのようなビジネスケアラー予備軍が着実に増えているという。1947年〜49年の第1次ベビーブーム時代に生まれた「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者に到達するからだという。つまり親の介護というリスクを抱える社員が増えることになる。

さらに、柳瀬氏は、親の介護で仕事が続けられなくなる従業員が増え、最悪、職場が機能不全に落ち込む「介護クライシス」が目の前に迫ってきていると指摘している。経済産業省の推計では、仕事をしながらも介護もするビジネスケアラーは2020年時点で262万人だったが、2030年には318万人で、これには女性管理職の増加や高齢者の雇用促進は含んでいない。さらに実際は増加する可能性も含んでいる。

問題点は、大きく2つあるとコラムでは指摘している:

  • ビジネスケアラーの発生による企業の経済損失は介護離職で生じ、介護クライシスの前兆となる
  • 離職よりも両立している社員の生産性低下の影響が大きい。業務遅延や目標未達のリスクである

そこで、コラムではハウス食品グループでのビジネスケアラー対策の事例をあげている。まず社員がビジネスケアラーとしてのリスクの自認である。その支援として同社は、親の年齢や一定のデータを入力すると介護リスクの切迫度や想定される負担の大きさを判定できるセルフチェックシステムを導入している。実証実験の結果、あらかじめ介護に対するセルフチェックによる情報や知識で仕事と介護の両立体制に移行する時間が平均4分の1に低下したという。ここに社員のビジネスケアラーとしての自認が重要であることがわかる。さらに、企業としては福利厚生という視点だけでなく、経営上の生産性維持あるいは向上のためにビジネスケアラーをどう支援して仕事を継続させ、能力を発揮させるのかが経営戦略に必要となると、柳瀬氏は指摘している。😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵