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【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:たけのこの清らかさ」から

2024.4.20  日本経済新聞の記事「あすへの話題:たけのこの清らかさ」から

和食とはマイナス的調理で成立

コラムの著者 土井 善晴氏(料理研究家)は、日本を象徴する食材で、春の一番のご馳走であるたけのこ(孟宗)の調理を紹介しながら、和食について考察している。

○自然本位に理屈なく行動する生活スピリットを忘れずに

この時期、春の盛りの竹の芽や茎の成長は著しい。たけのこは、土井氏によれば、日本を象徴する食材であり、日本らしい料理をするという。たけのこのうまみを十分に楽しむには、土井氏の友人がやるように採れたてのたけのこを「すぐに」湯がくのが良いという。朝とっても昼に湯がくのではないという。この「すぐに」ということばを理解するのは難解だという。今は「すぐに」を自分本位に使っているが、本来は自分ではなく自然本位で理屈なく行動することで、昭和までの一般的な生活にはこの「すぐに」の自然本位のスピリットがあった。

湯がいたたけのこは穂先を縦に割って、あとは輪切りにする。広口の雪平鍋に入れ、酒と漬け置いた昆布出汁をひたひたよりも多い目に入れる。そして昆布で落とし蓋をして強火にかける。煮立てば、アクを取り、塩と味醂を加える。きれいに、出汁が循環するように火力を調整しながら煮ていくと、煮汁は澄んでいく。この間にたけのこに合う大鉢を選んで、湯通しして温めておく。たけのこの煮汁が1/3ほど残して煮あげ、鍋をひっくり返すようにして大鉢に盛り、木の芽をどさりと入れる。

「すぐに」湯がいた自然本位のたけのこは、何よりも柔らかく、穂先にさえあくがないという。和食の真味は清らかさにあるという。和食は、一から仏を彫り出す円空仏のようにマイナス的調理から生まれてくる。🎋🔪🥢🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:凄まじい悪評を浴びた織田作之助」から

2024.4.20  日本経済新聞の記事「春秋:凄まじい悪評を浴びた織田作之助」から

織田作之助は健全な批判精神が新しい文学を生むと確信

コラムの著者によれば、前回に引き続き小説家の逸話とIT社会お課題について今回は織田作之助氏の事例で、全国の医師らが米Googleの提供する地図アプリに悪意ある投稿なされ営業権を侵害されたとして提訴したことを関連づけて語っている。

○良い批判と叱咤激励の難しさは今も同じ

コラムの著者の紹介している織田作之助氏のエッセー「可能性の文学」にこれまで浴びた罵詈雑言の一部は以下のようだという:

  • げす
  • 悪達者
  • 下品
  • 職人根性
  • 町人魂
  • 俗悪
  • エロ
  • 発疹チフス
  • 害毒
  • 人間冒涜
  • 軽佻浮薄

などだという。これを新聞や雑誌で批判を読んだ親戚が、織田氏を気の毒がって300円の為替を送ってきたこともあったという。親戚は織田氏が生活に困窮しているだろうと思っての支援であった。別の親戚の娘は世間体の悪い織田氏のせいで自分が女学校の試験に落ちたと詰め寄ったという。

「悪評はかくの如く人の心を傷つける」と、言葉の攻撃がもたらす苦痛は、織田氏の時代から今も変わらない。全国の医師らが米Googleを提訴した。提訴の内容は、同社の地図アプリの口コミ欄に悪意ある投稿(侮辱や「閉業」などと勝手な書き込み)がなされ、この事態を同社は放置していたと営業権を侵害されたものに対してである。

確かに多くの人が飲食展などを選ぶのに、投稿記事を参考にすることがあるだろう。誹謗中傷は許されないが、一方で情報が不可欠である。このバランスが難しい。

織田作之助氏は悪評に悪評で対抗しないとしたが、あえて「大家」の志賀直哉氏をこけおろした。そこには、健全な批判精神が文学の進歩に役立つという確信を持って行っていた。良い批判と叱咤激励の難しさは今も昔も変わらない。🗺️✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:ニーチェの『運命愛』」から

2024.4.18  日本経済新聞の記事「あすへの話題:ニーチェの『運命愛』」から

人生丸ごとを肯定する「運命愛」

前回に引き続き、コラムの著者 森岡 正博氏(哲学者)によれば、自分が生まれてきたことを良かったと心から思えることを「誕生肯定」について、さらにニーチェが哲学の基盤にしようとしたことを「運命愛」を含めて解説している。

○ニーチェは誕生については宇宙の永遠の回帰の一部とだけ示唆

森岡氏によれば、誕生肯定を、これからの哲学の基盤にしようと考えている。このような考え方に最も近いのは19世紀の哲学者ニーチェであるという。

ニーチェは「永遠回帰」の思想が有名であるが、森岡氏が注目しているのは、ニーチェがその後に構想していた「運命愛」の思想だという。自分の人生に対して「イエス」と言えるという事は、自分の人生を愛することができるということだという。

ニーチェによれば「運命愛」とは次のような思想だという:

  • 自分の人生はああであった方が良かったとか、こうであった方が良かったと決して思わぬこと
  • 「過去に自分がしたことや災害に遭遇したことを否定して自分の人生が良いものになっていただろうに」ということに引き込まれないこと
  • 今こそ力強く生きること
  • これこそが自分の人生を愛するということ

森岡氏は人生を肯定する1つの理想的な思想と読み取れるという。

運命愛は先の誕生肯定とは類似しているようだが、森岡氏は決定的な違いがあるという。運命愛は人生を丸ごと肯定することであるのに対して、誕生肯定は人生ではなく、生まれてくることを肯定する。つまり、運命愛の原点である誕生については触れていない。ニーチェは、永遠回帰の思想である宇宙も永遠回帰することから、自分が生まれてくるのは何度も繰り返されていると考える。それは一度限りしか起きない無から誕生する私とは全く異なっている思想である。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🪐


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:遠藤周作の『いたずら電話』」から

2024.4.17  日本経済新聞の記事「春秋:遠藤周作の『いたずら電話』」から

AIを駆使する悪党に遊び心も情緒もない

コラムの著者によれば、吉行淳之介氏のエッセイ「悪友記」にも登場する遠藤周作氏の作家仲間へのいたずら電話を枕に、最近頻発している著名人を装ってSNSで架空の投資話を持ちかける詐欺事件を取り上げている。当時のいたずら電話との違いは?

○著名人を装ったSNS投資詐欺

コラムの著者によれば、遠藤周作氏の作家仲間に「日曜日の朝」いたずら電話をすることは有名だったそうである。電話を受けた吉行淳之介氏に「こちらは区役所ですが、都民税を払ってください」と語った。役所は日曜で休みのはずだがと反論すると、「日曜も祭日もありません」と畳み込んできたそうだ。押し付けるような声高に危うく信じかっかったと吉行氏は「悪友記」に書いている。遠藤氏はもちろん相手が迷惑であることを心得ていたし、ある程度のところで「種明かし」をした。吉行氏も分かって付き合う呼吸があり、遊び心と情緒があったという。

おおらかだった昭和の笑い話であるが、オレオレ詐欺の先駆けにようで、いつの時代も「なりすまし」は面倒な話である。誰もが知っているあの人ならという心の隙間につけ込む卑劣な投資詐欺である。勝手に名前を使われた著名人側からも対策を求める声があがっているという。最後は、そんな甘い話はないのでる。☎️🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「令和なコトバ:傾聴地蔵、頷くあなたが動いてよ」から

2024.4.15  日本経済新聞の記事「令和なコトバ:傾聴地蔵、頷くあなたが動いてよ」から

リーダーシップを取るには決断と傾聴の両輪が必要

コラムの著者 福光 恵氏(ライター)は春のマネジメント研修など人事研修で新入社員との付き合い方を指導することが多いという。最近のブームに「傾聴」という言葉がある。文字通り、耳を傾けて部下らの話を聴くことだが、同時に、相手に共鳴したり、理解するコミュニケーションの方法だという。では「傾聴地蔵」という新語の意味するところは?

○傾聴は謙虚なリーダーシップの行動

福光氏によれば、「傾聴地蔵」とは、部下の提案など耳を傾ける「傾聴」は得意だが、聴いているのかいないのか、聴いている風でも地蔵さまのように動かない、頷くだけで何も変えてくれない上司を指すのだという。福光氏が調査すると、「傾聴地蔵」の生みの親が見つかった。組織コンサルティング事業などを手掛けるMomentorの代表、坂井風太氏だという。そこで坂井氏に福光氏はインタビューして、この新語が生まれた経緯を聴いた。

  • 近年、「マネージャーの傾聴力」を高める研修がブームで多く実施されている
  • 一方で「聴いてくれるが、変えてくれないリーダー」が量産されている

という実態をよく耳にしたからだという。傾聴はもともと「自分が間違っているかもしれない」「相手の方が詳しいかもしれない」という、謙虚な態度から生まれている。この謙虚さがなければ、ただの「聴いたふり」の道具に成り下がってしまうという。リーダーシップはこの傾聴と同時に決断力が伴い両輪となっている。ところが、傾聴だけが力説され、何も決めないで、かえって組織の硬直化を招くという。この本末転倒を気付かせるために、あえて「傾聴地蔵」という言葉を使ったと坂井氏は語ったという。👂🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵