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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「変革期の経営戦略論:変化の時代(中)」から

2011.5.25  日経産業新聞の記事「変革期の経営戦略論:変化の時代(中)」から

変化適応力を高めるにはダイナミックな経営が前提

 コラムの著者 ボストンコンサルティンググループ パートナー森健太郎氏は、企業の「変化適応力」を高める方策を開示している。

○既存事業の収益力を高め、損益分岐を下げること

聖域を設けず、コスト削減を行い、ビジネスモデル(儲け方)のイノベーションで付加価値の高い事業に進化させること。

○新たな収益源の開拓を行う

10年後の収益源を考え、新規事業の立ち上げ、新興国などへのエリアの展開が必要。震災後の消費者行動の変化をいち早く捉え、イノベーションにつなげること

○変化を前提にした経営力を上げること

  • スピード:意思決定の速さ、事業活動のサイクルの短縮、修正期間の周期や、売れ筋商財の追加投入、新商品開発のスピードアップがある
  • シナリオ・プランニング:敢えて極端に振った複数の事業展開のシナリオを日常から討議し、不測の事態の予兆などを捉えられるようにする
  • チームワーク:相互信頼を第一に。能力主義や職務規定の遵守だけでなく、日頃から労使一体で信頼の絆をもつ

変化に対する我慢の経営ではなく、ダイナミックな経営でうち勝つことが重要と説いている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「変革期の経営戦略論:変化の時代(上)」から

2011.5.24  日経産業新聞の記事「変革期の経営戦略論:変化の時代(上)」から

変化適応力が求められる企業経営

 コラムの著者 ボストンコンサルティンググループ パートナー森健太郎氏は、東日本大震災では、サプライチェーンの混乱から消費者行動の変化まで多岐にわたって経営上の課題がでているが、最大の影響は「不透明感」だという。

先の読みにくい「変化の時代」に震災の影響と不透明感が相まって複雑さを増している。コラムでは次の4つを背景にある潮流と考えている。

①マクロ経済における、金融危機後の反動と修正

②メガトレンド:新興国の台頭、資源不足、高齢化といった長期にわたる潮流

③技術革新

④国際情勢や災害などの不測の事態

これら①~④が複雑に相互作用を起こして将来のすべてを見通すことを困難にしているという。つまり、企業経営として不確実性を前提にすることを意味している。ボストンコンサルティンググループの調査でも、米国企業の分析で、各業界の上位企業に入れ替わりが過去10年で増加傾向にあるという。シェア重視で高収益が狙えたが、その傾向も薄まり、業界の境界線も曖昧となってきている。

コラムでは、今後「変化の時代」の経営戦略論を展開するようだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「Google覇者のジレンマ、ネット企業の興亡(上)」から

2011.5.26  日経産業新聞の特集記事「Google覇者のジレンマ、ネット企業の興亡(上)」から

大企業病かGoogle?

 コラムでは、広告事業が好調な中で、大企業病の芽も顕在化してきているという。何よりも社内調整に時間がかかり、意思決定が遅いために機会損失しているという。例えば、グル―ポンで代表される共同購入クーポン事業も実は社内で事業化の検討段階であったという。ところが意思決定の遅れが他社を飲み込む検討に入った要因と言われている。

創業者の一人ラリー・ペイジ氏がCEOに返り咲き、従来の機能別ではなく、商品別組織に変更する。しかし、2万6千人を越える社員数で、ベンチャー並みのスピードを共有するのは、カリスマ創業者でも困難かもしれない。米アップルのジョブスCEOでも、大きな発想と意思決定の転換を同時に行うことは極めて厳しい状況だ。

Ex-googlerがFacebookの主力という厳しいIT業界で、第二のマイクロソフトになるかどうかは、新CEOのビジョンと実行力に掛っている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑦:アイデア、質より量」より

2011.5.26  日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑦:アイデア、質より量」から

アイデア会議は質より量から

  コラムの著者 博報堂ブランドデザイン 竹内慶氏によると、アイデアを出す会議では、質より量が先行することを示唆している。同氏のアイデア出し手法を紹介。

【ぺら一(いち)ルール】

  • 会議をする前までに、紙1枚で自分の考えたことや調べたことを持ち寄る
  • 手ぶら厳禁
  • ネット検索をしてもその人の考えでの「人力フィルター」が重要

【ストリーテリング】

  • 事前に関連商品等のユーザインタビューや利用現場を取材。
  • 見聞きしたことや気付いたことを自分の言葉で語る
  • 聞き手は、話し手の語りの内容を付箋で書きだす
  • 付箋1枚に1事項に
    • 事実:黄色の付箋
    • 気付き:青色の付箋
    • 新規アイデア:ピンク色の付箋
  • 書き出した付箋を張り出し、同じものを整理してグループでまとめなおす
  • 事実、気付き、アイデアの一覧をつくる

  情報が出た後でのブレストへのヒント:

【ブライン・ライティング(BW)】別名、「沈黙のブレスト」

  • 一応6人用。
  • 横に3個、縦に6個、合計18個のマスを並べたシートを人数分準備。
  • シートを受け取った人は、最初の最上段の3つのマスにアイデアを3つ。
  • 制限時間は5分。
  • 書き終えたら一斉に、隣の人にシートを渡す
  • シートを受け取った人は、前の人のアイデアに目を通して、それをヒントにしたり、まったく新しい切り口で、すぐ下の3つのマスにアイデアを3つ。相乗りや他人のアイデアの拝借はOK!
  • これを6人では6回。つまり最下段まで埋める
  • 5分×6回で30分。18個×6人=108個のアイデアが出る仕掛け
  • 制限時間は人数で柔軟に。

何れにしても、アイデア会議は質より量で! (ネタ出し会でもいくつかの方法を紹介してます。▶ 参考)happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像②アンリ・ファヨール」から

2011.5.25  日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像②アンリ・ファヨール」から

経営学の基本原則を示したファヨール

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー岸本義之ディレクターが示す今回の人物は、アンリ・ファヨール (▶ 参考)だ。前回のテイラーとは、対照的に機械的な作業効率ではなく、「管理経営」と呼ばれたファヨールの枠組み(フレームワーク)は、幅広いテーマをカバーし作業員の側面にも光を当てた。 Fonds_henri_fayol

ファヨール自身、鉱業学校を出て鉱業会社に就職し、同社の倒産の危機を救い、社長にまでのぼりつめる。明確な経営哲学を形成し、

  • マネジメントは一般性がある:鉱業会社に限らない
  • マネジメントは独立した原理の上に成り立つ:他分野からの枠組みではない
  • 定義可能なもので教育可能である

と説いた。ファヨールのマネジメントの基本原則として

  • 分業
  • 権威と責任
命令する権限と、それに伴う責任
  • 規律
  • 命令の統一(一元化)
特定の業務の担当者は、必ず単一の管理者の指揮命令を受けるべき、とする原則。
  • 指揮の統一
目的をもった組織は、1人の管理者の下、1つの計画の下に業務遂行すべき、とする原則。
  • 個人利益の全体利益への従属
  • 公正な従業員報酬
  • 集権
環境に応じ、許される限り(程度)において管理者に権限を集中すべき、とする原則。
  • 階層組織
  • 秩序
適材適所の確保。
  • 公正
  • 従業員の安定
技能の習得には時間がかかるので、長い目で見守り、頻繁な人事異動は控えるべき、とする原則。
  • 創意(イニシアティブ)
計画を立案し、実行すること。組織のすべての階層にその自由を与えることで、士気を高める。
  • 従業員の団結

を示した。さらに職能として、

  • 技術活動(生産、製造、加工)
  • 商業活動(購買、販売、交換)
  • 財務活動(資本の調達・運用)
  • 保全活動(設備および従業員の保護)
  • 会計活動(財産目録、貸借対照表、原価、統計など)
  • 管理活動(計画、組織、指揮、調整および統制)

を示し、経営者による計画、組織化、命令などのあり方も示唆する。テイラーの理論よりも米国では長く用いられ、彼はまさに近代マネジメントを最初に定義した人物であった。