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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:南海トラフに備えるファンドを」から

2025.7.18  日本経済新聞の記事「私見卓見:南海トラフに備えるファンドを」から

リスクは事前に分解できるもので、できるだけ最小単位に分解し対処する

コラムの著者 梅野 健氏(京都大学教授・カオス理論)は防災・減災のリスク管理について南海トラフ巨大地震に対して考察し、その対策としてファンド(基金)の設置、運用を提案している。

◯あまりにも大きな被害想定で何からやれば良いかわからないのが現実

梅野教授によれば、南海トラフ巨大地震の被害総額は最大で292兆円、死者数29万8千人という数字が公表されたが、現実感のない数字で対処法も浮かばないという。

この状況を打開すべく、今から少しずつそのリスクや被害を減らせないかというのが梅野教授の発想である。梅野教授は具体的に南海トラフ地震に特化したファンド(基金)を創設し、運用益を出すことで、地震の事前防災対策、事前防災に関連した情報取得の観測網の整備、AI活用型異常検知システムの開発や運用などに充当することを提案している。

狙いは資金の出し手と運用を担う金融機関、事前防災対策を行う実行部隊のそれぞれの機能と責任を分離することで、大きなこのリスクを役割分担することにあるという。基金の規模は10兆円程度で、南海トラフ地震の発生後、出資者に基金と運用益の一部が返還される仕組みであるという。

出資者は、日本政府、地方自治体、企業、富裕層などで、運用益を1〜2%と見積もると、毎年1000億円規模が観測網の整備、事前防災などの異常情報取得に充てることができる。

梅野教授によればリスクとは事前に分解できるモノであり、可能な限り、分解できない複数のリスクの最小単位へとあらかじめ分解すべきものだという。地震が発生してからでは遅い。今、リスクを分散できる時に取り組むべきだという。🫨💦❤️🧑‍⚕️👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:亡国のロボットとレアアース」から

2025.7.17   日本経済新聞の記事「Deep_Insight:亡国のロボットとレアアース」から

一見無関係なロボットとレアアースだが国家戦略が必要

コラムの著者 桃井 裕理氏(日本経済新聞社 政策報道ユニット長)によれば、世界でAIを持つ人型ロボットの開発競争が加速しているという。先頭を走るのは中国企業で、中国政府が「2025年に量産を始め、27年に世界トップとなる」という野心的な目標を掲げたことから投資に火がついたという。だが、その背景にレアアース覇権を握る中国の強かな国家戦略があるという。

◯人型ロボットの普及でネオジム合金は供給不足に陥る

桃井氏によれば、確かに多くのロボット応用で人型である必要はないと思われるが、中国の場合はまさにマンパワー、つまり臨機応変に対応できるところを狙っているという。2024年夏、北京で開催された世界ロボット大会ではスタートアップでは人型には懐疑的で、例えば介護用ならアームと車輪という実用型を取り入れることが主流であった。それが1年後「人間に用途が限られていない」ように、どこでも何でもできる臨機応変性がロボットにも求めている。つまり、自動車やスマートフォンのような人間を支援する道具にとどまらず、マンパワーを求める。マンパワーは国勢であり国力そのものでもある。中国が量産と低価格化に突き進むことで世界の労働力における人型ロボットの浸透速度を大幅に上げることになるという。

さらに中国のロボット戦略は中国の別の経済覇権ともリンクしている。それは、レアアースである。それは、中国の人型ロボットが突如、世界の先頭に躍り出た理由でもある。ロボットの関節部品の進化が、レアアース磁石が大きく貢献しているからである。ロボットにおいて自動車のエンジンにあたる基幹部品は関節を制御するサーボモーターである。サーボモーターの性能はネオジムなどを使ったレアアース磁石に依存する。レアアース磁石はかつて日本が優勢を誇ったが、今や中国が世界の8割という圧倒的なシェアを握っている。中国は一方でレアアースで覇権を握り、もう一方で中国製人型ロボットの労働力に依存するようになれば、世界の覇権を握ることができる。🧲🤖💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:AIで経済を伸ばす戦略示せ」から

2025.7.16  日本経済新聞の記事「社説:AIで経済を伸ばす戦略示せ」から

持続的な賃上げの前提には経済成長

社説によれば、参議院議員選挙の論戦では現物給付や減税が主だが、賃上げの前提になる経済の成長性を生成AIなどのデジタル技術に求め、AIなどの利用促進策を議論し示すべきだという。AIやロボット技術を活用すれば、業務の効率化や工程の自動化につながり、労働力不足を大幅に抑制できるという。

◯経済成長の牽引役は生成AIなどののデジタル技術

社説によれば、人口減少が進む日本でAIなどの活用は重要であるが、多くの調査では欧米や中国に比べて遅れが目立ち、導入しても十分な効果が出ないと考える企業も多いという。しかし、目先の経済政策ばかりで中長期的な成長を議論することがこの選挙戦では乏しいという。

確かに自由民主党は選挙公約でAIなどで「世界をリードする」と記したが、どのように国際競争に勝ち抜くのか具体策が見えず、論戦も低調である。公明党や立憲民主党はデジタル技術の利用に関して、権利保護や安全重視で慎重である。確かに重要なことであるが、安全を優先してきたEUなどでも利用促進に対して積極的になってきている。こういった動向も意識すべきであろう。🧠📉📈🗳️💡👩👨🚀✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 宇宙探査にベンチャー精神を」から

2025.7.13  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 宇宙探査にベンチャー精神を」から

小規模プロジェクトを頻繁に繰り返し大型プロジェクトに向けた人材育成を促す

コラムの著者 小玉 祥司氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、世界的に宇宙ビジネスが活発化する中で、科学探査や研究開発を取り巻く環境は厳しくなっているという。プロジェクトの大型化で1国の予算では賄いきれず、国際協力が必至になってきている。牽引役であったNASAでさえ、トランプ政権が科学分野の予算を半減する方針を打ち出したために逆風が吹いているという。日本での取り組みはどうなっているのであろうか。

○巨大な研究開発予算を賄うには国際協力が必至

小玉氏によれば、国際的な状況と同様に宇宙関連予算は増加している。ただ、増えているのは産業育成を目指した宇宙戦略基金や安全保障関連の分野では予算が伸びているが、科学関連は伸び悩んでいるという。そこで、JAXAの宇宙科学研究所(ISAS)が新しい取り組みに挑戦しているという。

ISASが進めようとしているのは小型衛星や超小型衛星を利用して3年程度の短期サイクルで回転する科学探査のプロジェクトで、従来より小さい数億円程度の予算規模で、1年に1つ程度のプロジェクトを並行して走らせようという構想である。2026年度からの実施を目指して研究所内で検討を進めているが、若手研究者からの反応が良いとの所長のことばがある。

ISASは小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」で世界初の小惑星からのサンプルリターンを実現し、大きな成果を挙げた。しかし、このプロジェクトでも計画から起算すると10年以上かかっている。これは大規模プロジェクトで、頻繁に実現することは難しい。そこで、小規模なプロジェクトを頻繁に繰り返すことで、多くの所員に経験を積んでもらい、より大型のプロジェクトを実行する人材を育成することを狙っている。海外のVBにならい、試行錯誤の頻度を上げることで改良や改善、技術的な進歩を促すことである。いわば、プロジェクト実行の筋トレを積むことになろう。🚀💡🎓🧠🏢🗻🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL_TIMES:AI導入、2番手にも勝機」から

2025.7.7  日本経済新聞の記事「FINANCIAL_TIMES:AI導入、2番手にも勝機」から

営業テクニックと深遠なものを混同すべきでない

コラムの著者 サラ・オコナー氏(FINANCIAL TIMES エンプロイメント・コラムニスト)は、AI導入に関して通常は楽観的であるが、そこに心理的な脅迫概念が入ると事情が違ってくるという。イギリスの政権で「今動き出せば、将来に向けて成長できる。動かなければ、取り残される」という言葉や、これに入れ込んだソフトウェア会社の宣伝文句はこれに近いという。本当に、選択肢が「今すぐ動く」か「取り残される」かの2つに1つしかないのかをオコナー氏は疑問を持っている。

○2番手が新技術で利用面が見えない時は優位にたてる

オコナー氏によれば、確かに先行者利益はあるし、自律型エージェントなどの新しいAIシステムをいち早く導入する企業に利益がもたらされる理由は明らかであろう。AIへの投資がコスト削減や生産性の向上につながれば、先行者は安価で良いサービスを顧客に提供でき、優位に立てる。

だが、一方で「2番手利益」も存在する。SNSの事例では、マイスペースをFacebookが追い抜き、検索エンジンではGoogleがアスクジーブスを抜いている。2番手が特に優位になるのは、新しい技術が何の役にたつのか不透明でリスクが高い場合である。スピードを犠牲にしたとしても、情報で優位に立てるからである。先行者のつまづきを頭に入れれば、より効果的に道筋が見えるからである。

だが、「今すぐ動かなければ取り残される」というメッセージは企業の事業戦略による強引な営業テクニックといえないことはない。まるでEC(電子商取引)でカウントダウンタイマーなどで「切迫感」をあおることに似ている。テック企業でもない我々は、営業テクニックと深遠なものを混同しないように気をつける必要があると、オコナー氏は示唆している。🧠🎓🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇬🇧