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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:キャッシュレス社会、『支払いの痛み』軽減」から 

2019.4.26  日経産業新聞の記事「小野譲司の目:キャッシュレス社会、『支払いの痛み』軽減」から

支払いの煩雑さや痛みが軽くなると商品やサービスの価値を見極めることになる

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、キャッシュレスへの得失についてマーケティングの視点から述べている。

○キャッシュレスでの得失

 小野教授によると、キャッシュレスの導入には、日本政府の主導と民間の新しいサービスによって興味を持つ人が増えているという。キャッシュレスの導入には、

  • 訪日外国人の増加
  • 日本の現金決済比率が約8割でキャッシュレス決済が中国や韓国、米国に比べてもこの水準が低い
  • ビジネスでは、売買の際のお釣りの準備や現金流通でリスクやコストが高い
  • 消費者には会計時の利便性が上がるが、お金の使いすぎやデータの漏洩のリスクがある

といったように一長一短である。さらに行動心理的にクレジットカードによる決済は現金よりも多くのお金を使う傾向にあるという。さらに、自分お手元にお金を数えて渡すことがないため、「支払いの痛み」が少ない。

決済手段によって、商品やサービスに対する評価があり、支払いの痛みを伴う現金決済ではコスト・パフォーマンスを重視する傾向が強いという。クレジットカード決済では、消費と支払いのタイミングが離れるため、コスト感覚が低下するという。また、今後キャッシュレス決済ではキャッシュバックや割引、クーポンといった推進サービスがなされ、コストパフォーマンスの良さを訴求するとみられる。その際に、消費者は、商品やサービスの価値を見極める傾向が強まると小野教授は示唆している。🎓📖🏢🏨⚡️🌍happy01💡💳💰💴


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:幕末の大砲鋳造の意味するもの」から

2019.4.25   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:幕末の大砲鋳造の意味するもの」から

藩や身分を超えて情報交換

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、西伊豆の温泉近くである韮山にある史跡を訪ねたところ、幕末時代の反射炉があり、そこで働いたであろう技術者について述べている。

◯技術者たちの熱意と彼らへの敬意はその後殖産興業の原動力に

 韮山の反射炉は、鍋島藩や島津藩など開明的な藩主がつくった反射炉ではあるが、唯一、元の建物が現存しているものだという。幕末、当地の代官の江川坦庵が海防のために大砲鋳造を目的としたものであるという。

西欧の科学技術を導入するにあたり、明治政府は本場の外国人教師を招聘したが、旧幕府の攘夷思想の時代に長崎のみが海外の情報源であった。韮山の反射炉も当時、オランダ語を翻訳した図面を元に建造されている。大型の鉄製大砲を量産するには、原料である良質の銑鉄と高温燃焼ができるコークス(石炭)が必要で、さらに実用的な鋳造技術の蓄積がなければならない。当時の日本はこれらを全て持っておらず、鋳造に失敗してきた。それでも明治維新までの10年間という短期で一定量の実戦的な大砲の製造に成功したことは驚きである。

さらに注目すべきは、この間に技術者たちは幕府や藩の垣根を越えて互いに情報を交換し、また、藩側も職人の彼らを士分格に引き上げるなどの優遇策を取るなど、この事業を通じて、強固な幕藩体制や身分制度が見直されたことである。 

当時西欧では熱学の原理について論争が繰り広げられたが、それとは独立に当時の日本の技術者は、反射炉とよばれるように天井の形状や材質を工夫することで、赤外線反射を利用し熱効率を上げた。このような反射炉は維新後は放棄されたが、技術者たちのモノづくりへの熱意と、彼らに払われた経緯は、やがて、列強に肩を並べる殖産興業へとつながったという。🏭🔧🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『五公五民』のアップルニュース+(プラス)」から

2019.4.24   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『五公五民』のアップルニュース+(プラス)」から

高い年貢を払う意味は

 コラムの著者は、3月下旬に米国で定額制のニュース配信サービス「アップルニュースプラス」の各メディアの戦略について語っている。

◯サブスクリプション(定額制)モデルが成功してるウォール・ストリート・ジャーナルも参加で驚きが

 アップルニュースプラスの月額は米国で9.99ドル(約1,100円)で300以上の新聞、雑誌の記事が読み放題。国内のサービスは未定であるが、他国にくらべ、iPhoneファンが多い日本でもサービスが開始されると既存のメディアに影響をあたえると思われる。

米国でも同サービスに関して賛否があるという。まず、否定論はニュース提供者が支払う手数料の高さ。アップル自身は公式表明してはいないものの、参加するメディアは販売量の50%をアップルに手数料として徴収されるという。アプリのApp Storeでは手数料30%なのにそれ以上の手数料で、江戸時代の農民が苦しんだ年貢率「五公五民」を思い出させるという。

それでも300以上のコンテンツが参加しているのは、何か得られるものがあるのかもしれない。サブスクリプション(定額制)モデルが成功してるウォール・ストリート・ジャーナルの参加もメディア関係者には驚きであったという。どうやら、これまでの新聞メディアではリーチできない読者層を獲得できる点を評価したとのうわさである。さらにアップルニュースプラスをマーケティング的にコンテンツの選択手段として利用するなどの戦略かもしれない。しかし、いずれにしても高い年貢である。💰📊🏢💡🔎⚡️happy01🌏🔧🇺🇸📱🍎


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ルール変更のルール」から

2019.4.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ルール変更のルール」から

改変のルールが不明確では混乱が生じる

 コラムの著者が取り上げているのは、地方税法とふるさと納税の関係で新制度に関して納得できない部分があるというものである。

◯一部の自治体が後出しじゃんけん的だと非難

 一般的に改正法が効力を発するのは施行後であって、施行前の内容は無効である。これと今回の地方税法改正でふるさと納税の扱いについて、寄付金に応じて所得税や住民税が控除されることに一部の混乱があるという。新制度では、指定制が導入され、指定を受けない地方自治体に寄付しても控除が受けられないというものである。

そこで問題になったのが、大阪府泉佐野市で、2018年度ふるさと納税で約500億円の寄付を集めた同市が、指定を受けられないという見方である。総務省から昨年11月以降の募金状況も判断した上でのことだという。これまで同市は総務省の指導に従わなかったところにもいわくがあるようだ。しかし、昨年11月以降は新制度の発効前でルール変更の透明性を欠くのではないかとの指摘である。しかも、この時期は同市には通達がなかったという。どうもこの後出しじゃんけん的なやり方に疑義があるようだ。¥📊🏢💡🔎⚡️happy01🌏🔧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:『時間』に対する2つの見方」から

2019.4.23  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:『時間』に対する2つの見方」から

直線的時間と円環的時間

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の空間が続いて我々が認知する時間について解説している。

◯時間については古代から様々な形で語られてきた

 様々な出来事が起こり、さらに進むプロセスの中で、一方的な方向を持って前後に永遠無限に続き、一切がそのうちにあると考えられてきたのが、「時間」であると、和田教授は説いてる。

過去と未来の境である、現在という一線が未来を消し、過去を作る動きである。一方向性で、その反転に対して多くの物理学上のプロセスが非対称である。時間は空間とは異なり、エントロピー増大の法則と可逆的な力学の法則の関係、あるいは素粒子相互作用での時間反転性の破れなど、多くの話題がある。

古代から時間に対する2つの見方がある。「直線的」と「円環的」、あるいは「不可逆的時間」と「振動する時間」である。前者は、終末論やユダヤ・キリスト教的な世界観の特徴で、後者は、インドやギリシャの世界観の特徴をもつ。📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡⏰⌚️