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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:官憲の裏いくポケモンGO」から

2016.7.27   日経産業新聞の記事「眼光紙背:官憲の裏いくポケモンGO」から

既存の社会秩序や統治をのノウハウからはみ出した部分

コラムの著者は、屋外でスマートフォンを使い遊ぶゲーム「ポケモンGO」の特徴について触れている。

◯子供も大人も熱中してトラブルも

画面に登場するキャラクターを追ったり、戦わせたりできるゲームで海外に引き続き日本でも先週末から急激に利用者が増えたという。熱中のあまり、交通事故などのトラブルも生んでいるという。

このゲームの特徴は、現実空間を使用料ゼロ、許可なしでゲームフィールドとしてしまった点である。通常、現実な場では、エンターテインメント興行は許可と場所代が壁になる。さらに言えば、現実の場である広場での歌唱や大道芸など官憲の取り締まりの対象も、ネット相手では想定外の事態である。

民泊やライドシェア(マイカー相乗り)同様、既存の社会秩序や統治のノウハウからはみ出した部分での新サービスであり、新技術である。

このようなはみ出した部分を受け入れるか、拒絶するかで日本のこれから先が変わりそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本工学の父・山尾庸三、近代化へ人材育成急ぐ」から

2016.7.26  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本工学の父・山尾庸三、近代化へ人材育成急ぐ」から

長州ファイブ(五傑)

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の木戸孝允に続き、科学技術ニッポンの起点を生んだ、英国で長州ファイブ(五傑)と呼ばれた山尾庸三について語っている。

◯教育の持つヒューマニズムを深く理解した山尾

現在の東京大学工学部の前身である工部省、盲唖学校の建白、上野の現在の東京芸術大学になる美術学校もふくめ、明治の教育に対する起点を築いたたのは山尾庸三である。

1863年、伊藤博文、井上馨ら5人の長州藩士の一人が山尾で、英ロンドンに密航留学した。帰国後は造船学を新政府に指導、国家の基礎は科学技術にあり、その発展には人材の育成が急務だという確信で工部省を設置したという。

さらに、彼は教育には人生をより幸福に生きれるというヒューマニズムの意味を理解していたという。英国では日本の発展に礎を築いた、この5人を長州ファイブとよび功績をたたえているという。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: VR、広告・マーケティングが注目」から

2016.7.26   日経産業新聞の記事「風向計: VR、広告・マーケティングが注目」から

最高賞はVR体験の作品

コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂イノベーションデザインディレクター)は、南仏カンヌで開催された世界的な広告賞のイベント「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に参加し、VR(仮想現実)の広告やマーケティングについてふれている。

○メディア全般に広がるVR

専用のゴーグルやHMDを装着することで、その場に居合わせたような現実感でコンテンツが視聴できるのがVRである。アイデア自身は新しくないが、広告やマーケティングに利用するのは今年から本格化した感がある。

二部門の最高賞を獲得したのは、VR体験の作品であったという。頭の向きを変えるとそれに応じてアングルを変化させる視聴体験は新鮮だという。

メディア側だけでなく端末も普及が進むであろうし、SNSでもVRの再生をスムーズに行うシステム更新が進んでいるという。さらにこれはコンテンツを制作する環境も整いつつあることから、VR動画が実用化されるのは近い将来になりそうである。また、普及が作り手の創造性を刺激し、これまでにないコンテンツが世の中にでてくる。そこに臨場感と没入感、感動を2次元以上に広げるVRは広告やマーケティングの手法を変えることもありそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:サービスロボ、広がる可能性」から

2016.7.25   日経産業新聞の記事「眼光紙背:サービスロボ、広がる可能性」から

産業ロボと言っても効率一辺倒では済まされない

コラムの著者は、7月にロボットの王国をオープンしたハウステンボス(長崎県佐世保市)でのロボットの位置付けについて語っている。

◯エンタメロボは一般の産業用ロボとは違う特徴がある

コラムの著者は、ハウステンボスのお好み焼きロボについてまず注目。この料理長ロボは東洋理機工業(大阪市)が安川電機の双腕ロボを使って2000年代後半に開発したという。展示会出展にむけて改良し、今回の長期稼働に備え、部品の耐久性などを高めたという。それでも具や鉄板の温度条件などが微妙に変わるとうまくひっくり返らない。オープン直前まで調整が続いたという。

ただ、産業用ロボとの違いは、失敗も愛嬌のうちで生産性を求められているのではない。

カクテルを作るバーテンロボもオレンジモーニを作るのに約100秒かかる。ロボットがカクテルを作るプロセスも見せ場の1つで、開発した安川電機は目標時間をあえて設定しなかったという。

また、一般の不特定多数の顧客と対応するために工夫も必要だという。パーク内の飲食店では日本IBMのAI技術をつかうワトソンを搭載した案内ロボを設置したが、顧客との会話の自動学習機能はあえて搭載しなかった。理由は、いたずらに間違った答えを顧客にされるとAIが混乱するからだという。

ハウステンボスとしてはロボで効率もはかりたいところだが、効率一辺倒ではないサービスロボへの挑戦はまだまだこれからだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アンペアの定義、電荷素量用い大きく変化」から

2016.7.22  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アンペアの定義、電荷素量用い大きく変化」から

物質を離れ物理定数による標準量を定義

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続き、計測技術の向上で日常生活には大きな影響はないが、物理の枠組みで大きな変化があることを示している。

◯7つの基本量の1つ、電流の定義

山﨑教授によると、電流は長さ、質量、時間とともに国際単位系(SI)の1つで、以下のように定義されている;

  • 真空中に1mの間隔をおいて置かれた無限に長く、無限に細い2本の電線で
  • 1mにつき2✖️10^(-7)N(ニュートン)
  • の力を及ぼし合う電流を1A(アンペア)

古典的定義で理解はできるが、物理的な制約で正確な実現は困難な状況であると理解できるだろう。そこで、オームの法則との整合性から

  • 電圧:ジョセフソン効果によるによる量子標準技術、プランクの定数に由来
  • 抵抗:量子ホール効果による量子標準技術、電子の電荷素量の物理定数に由来

で電流の再定義ができるという。さらに、電流は、

  • 電子1個の持つ電荷の量(電荷素量)が決まっていることを利用し、
  • 導体中を電荷が単位時間で通過する現象とみて、電荷(クーロン)と周波数(1秒を定義するセシウム原子時計の周波数)の積で直接定義できる

このように物質を離れ、物理定数による標準の量を定義する方式が仕上げの段階になってきたという。これにより、これまで測定困難であった微小電流の正確な標準ができる。pchappy01