Previous month:
2016年5 月
Next month:
2016年7 月

2016年6 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:温度の再定義、物質によらない普遍性獲得」から

2016.6.21  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:温度の再定義、物質によらない普遍性獲得」から

計測技術の向上で標準の変動が顕在化

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、計測技術の向上で不変と思われている量の単位である温度を取り上げ、徐々に物質に依存しない計量数に変化していることについて語っている。

◯温度の標準は水の三重点から

山﨑教授によると、温度の標準は水の三重点の温度とされている;

  • 真空の容器に純水を入れる
  • 気体の水蒸気、液体の水、個体の氷の3相が共存する状態
  • 容器内の温度と圧力が、273.16度(ケルビン)、612パスカル

で一義的に定まる点であるという。この点は千分の1度変わっただけで、水あるいは氷になるシャープな点でもある。三重点の定義を約100年前に提案したケルビン卿の名前をとって温度の単位に定められている。

三重点を実現する装置を三重点セルとよび、各国の温度の標準としてきた。ところが、各国のセルを持ち寄り比較すると、約1PPMのばらつきがあることがわかり、物質による量の定義に限界がき始めているという。

そこで、ボルツマン定数を利用した新しい温度の定義をしようと話題になっているという。ボルツマン定数は、温度との積がエネルギーとなり、物理現象の表現に頻繁に現れる。

温度の再定義は、ボルツマン定数を種々の方法で実測し、値が十分な精度で得られたら、その値を固定して、逆に温度を定義するというものである。つまり、再定義には

  • 2つの異なる手法でボルツマン定数の測定が行われること
  • 得られた定数の値の不確かさが水の三重点の不確かさをしたまわること

が実現条件となる。現状、先端技術でゴールの一歩手前にあると山﨑教授は語る。これが、物質によらないボルツマン定数で行われると、これまで高温度の絶対測定が可能になるなど、使用される温度計の種類に依存しない特徴が得られると期待される。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:システム開発、AIに託したい?」から

2016.6.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:システム開発、AIに託したい?」から

多くの企業か期待するAIの応用分野とは

コラムの著者は、ほぼ世の中のコンセンサスとなった「AIの時代がやってくる」ことで、従来の応用分野だけでなく、それを担うICTに対して多くの企業が期待していることがあるという。

○従来型のICTのシステム開発への不満

コールセンター、医師の診療支援、株式売買のアドバイザー業務などAIの応用が業務の効率化という要請に応えることで広がっていくと予測している。上司がAIというのも当たり前になるという予測もあるという。当然、これを支えるICTの関連企業の期待は大きいという。

ただ、もう1つ多くの企業がAIに期待する分野があるという。それは、AIを使ってICTシステムの開発を自動化してほしいというものである。ビジネスの現場が要求項目をAIに直接あげると必要なシステムが自動的に生成されるというものだ。圧倒的にビジネスのスピードは速くなるという。

背景に現状のシステム開発が、難解な用語を使った打ち合わせが延々と続き、多くのエンジニアが関わって完成するのも数ヶ月から数年かかり、稼働後もちょっとした変更に時間とお金がかかるというやり方への不満があるという。

 ただ、これはICT業界にとってはもろ刃の剣かもしれない。究極はICT業界の手を借りずに開発することで、業務が削減されると訝るところもあろう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランド戦略、パッケージ同時に開発」から

2016.6.23  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランド戦略、パッケージ同時に開発」から

デザイン思考的な創造的思考法

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、ブランドに関するコンサルタントであるブラビス・インターナショナル(東京・渋谷)のブランディング手法(PACKCEPT, パックセプト)に注目し、今後のブランド戦略が変わるのではないかと示唆している。

○コンセプト優位ではデザインに落とすまで時間がかかりすぎる

このパックセプとは、パッケージとコンセプトとからなる造語で、新製品などをつくる際にまずパッケージデザインを開発し、これに対する消費者の反応をみるというブランドコンセプトとパッケージを同時に生むという斬新な方法である。

これまでのブランド論ではコンセプトが圧倒的に優位に検討されてきた。ターゲットなる消費者に最大の価値を与えるコンセプトをまず策定し、これに基づき、成分、ネーミング、内容量、パッケージ、広告すべてを決めてきた。

確かにコンセプトは大事だが、デザインに落とし込むまで時間がかかる。つまり、文字情報としてのコンセプトを実体としてそのパッケージにするアルゴリズムが不明で試行錯誤が続くからである。

そこで、パックセプトの登場。コンセプトを固める前に、パッケージデザインを始める。幾つかの可能性のあるパッケージを実際に消費者に見せ、その反応からコンセプトとパッケージの組み合わせを絞り込む。これで大幅な試行錯誤期間の短縮と、コンセプトをまとった最終成果物のパッケージを最初から消費者が評価できるというメリットがでてきた。

パックセプトは、最近流行のデザイン思考の流れに似ていると三浦教授は語る。コンセプトとパッケージの自由な組み合わせによる創造的思考法であるからである。パックセプトは今や国内大手だけでなく、米国、中国でも注目され、ブランド戦略の流れをかえるかもしれないと、三浦教授は語っている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 『撮られ方』講座、写真家が引き出す内面」から

2016.6.21   日経産業新聞の記事「風向計: 『撮られ方』講座、写真家が引き出す内面」から

『勉強になった』ではなく『楽しかった』の感想が成功の証

コラムの著者 川崎 由香利氏(ジャーナリスト)は、インスタグラムなどSNSの普及で、自分の「見せ方」への関心が高まり、新しい自己イメージをうまく伝える「撮られ方」講座が増えていると語っている。

○いま流行な講座は自分にもこんな表情ができるのかという驚きを与える自己発見型講座

簡単に写真画像やイメージを加工できる時代であるだけに、ごまかしのきかない表現に注目が集まるという。写真家の橘田龍馬氏は美容師時代のカウンセリング能力を強みに講座を定期的に開催して、過去10ヶ月で1250人に写真を教えたが、うち3分の1以上が撮られ方を学んだという。当初は、ポートレート撮影のための写真取りの仕方の受講生が多かったが、回を重ねるうちにコンプレックスの克服など、内面を変えたい女性の受講が増えたという。

橘田氏がいうには、

『撮られることが苦手な人は自己評価を上げる必要がある。心の緊張が解けて、思い込みが外れると表情が変わる』。

笑い方や表情の作り方は指導しない。欠点を補正するよりも、そのままの自分を認める方が、表情に力があり、魅力が伝わるからだ。「勉強になった」ではなく、「楽しかった」という感想が得られたら成功だという。

camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:トヨタを叱るタクシー業界」から

2016.6.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:トヨタを叱るタクシー業界」から

少々、オーバアクションのタクシー業界?

コラムの著者は、一般的に最強企業とおもっていたトヨタ自動車に対して、それを上回る大口顧客のタクシー業界について触れている。

○ライドシェアへの投資に怒り

事の発端は、トヨタの米ウーバーテクノロジーズへの出資である。このニュースを、ウーバー上陸阻止を最大の目標に掲げているタクシー業界の逆鱗に触れたという。タクシー業界はトヨタの大口顧客。さらに、同社の開発中のワンボックス型タクシー専用車を東京のタクシー会社が大量に買おうと計画中のところである。そこでトヨタのトップにタクシーの業界団体から「慎んでほしい」と注文があったという。

ただ、コラムの著者は、この動きは少々やりすぎではないかという。さらに、大口顧客である優越的な地位を生かしてウーバーの事業展開にあれこれ口を出すのは、競争妨害行為にならないのか、気になるという。camerahappy01