【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アンペアの定義、電荷素量用い大きく変化」から
2016/07/27
2016.7.22 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アンペアの定義、電荷素量用い大きく変化」から
物質を離れ物理定数による標準量を定義
コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続き、計測技術の向上で日常生活には大きな影響はないが、物理の枠組みで大きな変化があることを示している。
◯7つの基本量の1つ、電流の定義
山﨑教授によると、電流は長さ、質量、時間とともに国際単位系(SI)の1つで、以下のように定義されている;
- 真空中に1mの間隔をおいて置かれた無限に長く、無限に細い2本の電線で
- 1mにつき2✖️10^(-7)N(ニュートン)
- の力を及ぼし合う電流を1A(アンペア)
古典的定義で理解はできるが、物理的な制約で正確な実現は困難な状況であると理解できるだろう。そこで、オームの法則との整合性から
- 電圧:ジョセフソン効果によるによる量子標準技術、プランクの定数に由来
- 抵抗:量子ホール効果による量子標準技術、電子の電荷素量の物理定数に由来
で電流の再定義ができるという。さらに、電流は、
- 電子1個の持つ電荷の量(電荷素量)が決まっていることを利用し、
- 導体中を電荷が単位時間で通過する現象とみて、電荷(クーロン)と周波数(1秒を定義するセシウム原子時計の周波数)の積で直接定義できる
このように物質を離れ、物理定数による標準の量を定義する方式が仕上げの段階になってきたという。これにより、これまで測定困難であった微小電流の正確な標準ができる。
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