Previous month:
2016年3 月
Next month:
2016年5 月

2016年4 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:重力波検出の意義、宇宙から情報、新たな手段」から

2016.4.15   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:重力波検出の意義、宇宙から情報、新たな手段」から

可視光、電磁波そして重力波への進化する天文観測

コ ラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究准教授)は、今年2月米国の物理学実験グループから、重力波の検出が発表されたことがこれまでの電磁波による観測からステップアップする意義についてふれている。

◯重力波の測定がそのまま観測につながった

重力波は、アインシュタインがちょうど100年前の1916年に完成したばかりの一般相対性理論に基づいて予言した重力の波動現象である。ただし、あまりにも微小な現象なので、実際に確かめるのは困難だと言われてきた。

この困難を克服するための工夫を今回の米国のチームをおこなったという。もし重力波が宇宙から来たら、一般相対性理論によれば重力には空間の縮尺を変える効果があることから、2個の反射装置を直角に組んでそれぞれの長さの差を検出しようとした。

問題はこの差が原子核の千分の1での差で極めて高い精度の測定が必要となる。

さらに驚いたのは重力波が実際に捕らえられたことで、天体観測に新しい手段ができたことである。実際に、観測された重力波は、およそ13億光年かなたにある太陽の30倍ほどの質量を持つ2個のブラックホールが、互いに周りを回転しながら合体した際に放出されたものだということがわかった。重力波で天体の現象が観測できたことである。

最初は肉眼による観測から、電磁波による観測、そして、重力波による観測も遠い夢ではなくなったことは意義深い。

pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:やるべきこと、邪魔する『サル』」から

2016.4.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:やるべきこと、邪魔する『サル』」から

我々の脳に潜む二面性

コラムの著者は、講演会「TED」で有名ブロガーが披露した「やるべきことを締め切り直前にまで先延ばしてしまう心理」について経営者に好評だったことについてふれている。

○予定をこなす理性的な決定者とそれを邪魔をし常に楽しいことを優先するサルが同居

コラムの著者は、有名ブロッガー、ティム・アーバンの講演から

  • 「さあやるべきことはやるぞ」という意思決定者
  • これを邪魔して脳の舵を奪い、常に楽しいことや本来やらなくてよいことをしようする「欲望のサル」

が脳で同居しているという。彼は、学生時代に1年かけて完成させるべき論文を先延ばしにして、これを感じ、締め切り直前の72時間で仕上げたという。

振り返って企業の話。資源価格の下落で商社大手が最終赤字。大手5社の合計で1兆円の減損となるという。

どうもやるべきことを先延ばしにしたサルが企業内でも大手を振っていたという。企業経営者にこの講演がうけたのは予想通りだったという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:スターフライヤー、快適性重視、大手も追う」から 

2016.4.14   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:スターフライヤー、快適性重視、大手も追う」から

大手2社にはないサービスの進化が鍵

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、2016年就航10周年を迎えた北九州をベースにするスターフライヤーのサービスについて大手の差別化について触れている。

○安全性、快適性を重視したブランドの確立へ

ドリンクやエンターテイメント、シートなどのサービスで黒を基調としたブランドをイメージとした同社。大手よりも割安でしかも、日本版顧客満足度指数調査で1位を7年連続記録している。

ひときわ目立つ黒の機体、全席革張りで足元がゆったりしたシートで、タッチパネルのビデオモニタ、USB電源、ジャズバーをイメージした安全ビデオの全てが黒のイメージで統一しリッチな空間を格安運賃で提供している。座席数もA320最大180席を150席に抑え収益性よりも快適性を重視。

しかし、ドリンクやエンターテイメント、シートなどのサービスも大手の追従がすぐに起こる。同社の松石社長も;

「第一に安全性の徹底を担保した上で、定時性や快適性といった面で”らしさ”を追求する」

という。小野教授は同社の予約サイトでの残席数を競争力のバロメータとして観察しているという。

cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『履歴効果』忘れた円高容認」から

2016.4.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『履歴効果』忘れた円高容認」から

円高容認論は産業基盤の履歴効果を忘れて危険

コラムの著者は、このところの急激な円高進行を傍観する容認論は危険ではないかと示唆している。

○通貨高とデフレで最強の産業基盤をあっと言う間に19世紀後半失ったイギリス

コラムの著者は、

  • 購買力平価からみて円高は強すぎない
  • 円高のメリットを生かせ
  • デフレの日本は円高で当然

といった容認論は、産業基盤の履歴効果を忘れているという。

国際分業が出来上がり、各国経済は相互依存の上に成り立っている。米国製造業製品の輸出入依存度は50年前の10%強から今日90%弱へと上昇。となると各国はより付加価値の高い産業に特化し、不利な産業分野を他国に依存することとなる。

この時国家レベルで産業基盤を整備し、規模への利益の好循環が起これば、この履歴によって市場経済に任せても繁栄が約束される。好事例が日本の1980年代の半導体産業での基盤整備で、1990年では世界シェア50%を達成したものの、その後の超円高と貿易摩擦で頓挫。一気に産業基盤の破壊を招いた。

国際分業の中で優位を保つには円高を回避しなければ、半導体産業のみならず、通貨高とデフレで起こった19世紀のイギリスの産業基盤崩壊を待つまでもない。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:あふれるノイズ、聞き分ける人の聴覚」から

2016.4.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:あふれるノイズ、聞き分ける人の聴覚」から

カクテルパーティー効果

コ ラムの著者 和田 昭允氏(東京名誉教授)は、計測や受信などで厄介なノイズの専門家として人間の聴覚が優れていることについてふれている。

◯耳と脳の連携で選択的聴取

最近、物理学の世界だけでなく一般的になってきたノイズという言葉。欲しい情報伊賀の不要な情報の全部を指すノイズは、映像ノイズ、電波障害、ネットでの悪口雑言、いらぬちょっかい、社会的圧力などいろんな状況で使われている。

物理学などでは、計測の成功/失敗はノイズを減らして欲しいものだけを取り出すことで決まる。ところが厄介なことにノイズは乱雑で大きな周波数帯に存在する。そこに一貫性はない。

このようなノイズの中で人の聴覚は、抜群の性能だという。人がたくさん集まったパーティーでも、自分の名前や興味ある人の会話は選択的に聴き取れる。いわゆる、カクテルパーティー効果である。

両耳から聴き取った音声を信号に変え、音源の位置を脳がその相関から割り出し、音源ごとに異なる声の基本周波数の差、しゃべりの調子や抑揚などを敏感に検知して特定の人の発言を区別して認識できるという。

脳は、聴き取れない音を補完して文脈を補い都合の良い音だけを拾う。録音でパーティーの音をとっても特定できないように音源の位置が特定できないと認知できない。pchappy01