【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『履歴効果』忘れた円高容認」から
2016/04/16
2016.4.13 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『履歴効果』忘れた円高容認」から
円高容認論は産業基盤の履歴効果を忘れて危険
コラムの著者は、このところの急激な円高進行を傍観する容認論は危険ではないかと示唆している。
○通貨高とデフレで最強の産業基盤をあっと言う間に19世紀後半失ったイギリス
コラムの著者は、
- 購買力平価からみて円高は強すぎない
- 円高のメリットを生かせ
- デフレの日本は円高で当然
といった容認論は、産業基盤の履歴効果を忘れているという。
国際分業が出来上がり、各国経済は相互依存の上に成り立っている。米国製造業製品の輸出入依存度は50年前の10%強から今日90%弱へと上昇。となると各国はより付加価値の高い産業に特化し、不利な産業分野を他国に依存することとなる。
この時国家レベルで産業基盤を整備し、規模への利益の好循環が起これば、この履歴によって市場経済に任せても繁栄が約束される。好事例が日本の1980年代の半導体産業での基盤整備で、1990年では世界シェア50%を達成したものの、その後の超円高と貿易摩擦で頓挫。一気に産業基盤の破壊を招いた。
国際分業の中で優位を保つには円高を回避しなければ、半導体産業のみならず、通貨高とデフレで起こった19世紀のイギリスの産業基盤崩壊を待つまでもない。
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