【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東芝、CFOを防波堤に」から
2016/03/31
2016.3.28 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東芝、CFOを防波堤に」から
財務部門の発言力の強化
コラムの著者が語るには、会社会計の不祥事に揺れた東芝で、有望な事業のM&Aよりも重要な企業統治(コーポレート・ガバナンス)についての改善があるという。
○CEOや会長の一存で変えられないCFOの仕組み
同社は、医療機器子会社の売却やフラッシュメモリーへ大型投資など関心が集まっているが、コーポレート・ガバナンスの点で、興味深い試みがあるという。
今回不祥事に、CFOが会計操作のカラクリを知りながら、社長(CEO)の強い圧力で利益優先を迫り、結果的に数字の水増しを続けてしまうという場面が、第三者委員会の報告にも登場したという。
そこで同社は取締役会の指名委員会にCFOの選任解任同意権を与えることにした。現行の会長や社長の一存で財務のトップのすげ替えることを防ぎ、今後CFOの交代に社外取締役で構成する指名委員会の同意が条件になる仕組みである。CFOの権威と独立性を高めて、トップの暴走への防波堤にする狙いである。
ただ、企業統治については完全な施策といったものはない。いち早く委員会制度を導入した同社だけに制度だけでは不十分とみる向きもある。その改善を継続することで企業文化の変革につながると信じたいところだ。