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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑪:発想法、内と外から」から

2013.3.27   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑪:発想法、内と外から」から

現実からの思考と常識外の思考で2倍のアイデアに

コラムの著者 細谷功氏(クニエ・コンサルティングフェロー)は、新発想をするためには、細谷氏がいう「内向き」と「外向き」の思考を同時に考えることがアイデアを豊富に出す秘訣だという。

○「内向き」と「外向き」思考

細谷氏のいう「内向き」思考とは、

  • 常識に基づいて発想する
  • 現実的ではあるが、斬新的ではない
  • 改善型の発想
  • 常識に反する言動を禁止や規制強化といった発想になりがち
  • 相手の方を自分の価値観に合わせようとする
  • 短期的な施策になりがち

といった特徴があるという。一方、「外向き」思考とは、

  • 今ないモノから発想する
  • 常識に反する言動を膨らませて発想する
  • アイデアが斬新的で「あるべき姿」の発想ができる
  • アイデアをどんどん膨らませることができる
  • これまでの自分の価値観を相手に合わせて考えてみる
  • 難易度も高く、日常意識的していないと発想できない
  • 長期的な施策ができる

といった特徴がある。細谷氏は、「内向き」と「外向き」を同時に意識することが重要だと指摘する。例えば、「普通の人はこう考えそう(「内向き」思考)、でもあえて自分はこっちも考える(「外向き」思考)」といった発想の着眼である。

前回のクレームや困ったこと、怒りや不満はアイデアの宝庫であることを思い出し、それぞれを今回の「内向き」と「外向き」思考で考えると多くの発想が生まれる。普段から、「2つの思考回路」を持つことが、発想を豊かにする鍵だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:4LDK、関西経済のけん引役」から

2013.3.26    日経産業新聞の記事「眼光紙背:4LDK、関西経済のけん引役」から

4DKから4LDKが切り札

コラムの著者は、関西地盤の大手企業の頭文字をもじって、景気浮上に役立つ企業連合の動きについて語っている

○関西企業の4DK

共通項をエネルギーとして、①ダイキン工業(D)、②大和ハウス工業(D)、③ダイハツ工業(D)、④大阪ガス(大ガス、D)、⑤クボタ(K)が省エネで環境負担の少ない、①空調機、②住宅、③軽自動車、④発電事業、⑤産業用ディーゼルエンジンを手掛けているという。つまり、次世代エネルギーに対するイノベーション 4DKである。

○イノベーションの必要条件

コラムの著者はシュンペーターのイノベーションに必要な条件を引き合いに出している:

A:新製品・新技術:4DKのすべての企業

B:新製法:ダイキンの新冷媒やダイハツの省燃費車開発

C:新原材料:ダイキンの新冷媒、大阪ガスの米国からのシェールガス輸入の先鞭

D:新市場:クボタのタイでの農機生産、ダイキンのインドでの販売、ダイハツのインドネシアに特化した省燃費車の開発

E:新組織:大和ハウスの活発な企業買収と出資での事業拡大

であるが、4DKの企業はAに取り組むのはもちろん、それぞれの企業がこれらに先鞭をつけている。

さらに、コラムの著者は、L、すなわちリチウムイオン電池の関西地場の、ジーエス・ユアサコーポレーション、パナソニック、日立マクセルが参画すると、4DKから4LDKへと関西経済をけん引するだろうと期待している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:クアルコムの秘密、躍進支えた女優の発明」から

2013.3.26   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:クアルコムの秘密、躍進支えた女優の発明」から

ハリウッド映画女優が生んだ特許が世界最大手の半導体メーカーを支える

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は語る逸話は、今年1月WCES(米家電見本市)でクアルコムのCEOが紹介したエピソードによる。クアルコムは、最大手のインテルを株価で抜いた次世代半導体の最有望企業で、スマホ等に使われている無線通信の基幹となる特許を数多く持っており、これらの知財が躍進をささえている。そのハイテクメーカーとハリウッド映画女優が取得した特許が関係しているという。

○ハリウッド女優ヘディ・ラマーの発明

オーストリア生まれの米ハリウッド女優のヘディ・ラマーが考案し特許化した「周波数ホッピング技術」が米クアルコムとの接点である。筆者も通信メーカーに勤務していたころ、この逸話を聞いたことがある。

周波数ホッピング技術は、送信信号を一定の周波数帯域の中に分割し、高速で切り換える(ホッピング)しながら通信する。ホッピングする周波数の数が多いほど、受信妨害や干渉に耐性ができることで、混信を抑え、セキュリティも高いことから軍需産業用として開発された。クアルコムは、これをデジタル携帯電話の基本技術として採用し、その主流となるCDMA(符号分割多元接続)方式向け半導体の関連特許をほぼ独占している。

この独創的な技術がどのようにして発明されたのか。志村氏によると、ラマーはユダヤ系の両親のもとで生まれ、銀行家の父とピアニストの母の影響をうけて学業に励んだそうである。一方で17歳でハリウッド映画の女優に憧れ、チェコ映画「春の調べ」にヒロイン役で出演しているという。

ラマー自身の結婚生活はうまくいかなかったようだが、発明の端緒は結婚生活にあった。相手が兵器製造業者であってその時に無線通信技術に興味をもった。結婚は嫉妬深い夫により破綻。しかし、この無線通信技術の興味によって、周波数を切り替えて魚雷を誘導する方式を考案し、1942年特許化したという。

発想やアイデアはどこから生まれてくるかわからない。ましてやそれを実用化することも極めて困難な仕事だが、今の米国のベンチャーはそれを実現している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:製品の取説、企業リスクを軽減」から

2013.3.19   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:製品の取説、企業リスクを軽減」から

事故防止やPLの観点から取扱説明書の見直しを

コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、国内では少子高齢化で大きな成長が見込めず、海外進出が多くなってきた製造業での製品に関わるリスク対策として取説を有力なツールと見ることについて触れている。

○取扱説明書(取説)の重要性

製品による事故や製造物責任(PL)の対応から製品の取説を見直し、リスクを減らすことが企業にとって必須になっている。

国内需要は、少子高齢化で大きな成長は見込めず、海外への進出が多くなっているからである。ISOやJISの標準規格でも、取説は、製品の安全対策の1つと位置付けられているという。

2012年8月には取説の作成基準を示す国際規格が制定され、中国でも輸出には中国標準規格(GB)による安全基準の法令を順守することが求められているという。

○ありがちな考え

ありがちな考えとして、国内でトラブルがなかったから大丈夫、というもの。ここで取説は、トラブルが起こったときに原因が製品の欠陥でない抗弁する有力なツールであるという考えである。

こうしたリスクへの対応として、次のような段階を踏んで考えていく:

  • 製品仕様を決める段階から利用者と協議する
  • つぶしきれないリスクがのこる
  • 安全関連事項として取扱説明書に明示する

危険マークを数多く記載しておけばよい、というありがちな考えもある。ところが、安全規格と照らし合わせると通用しない事がわかる。

何れにしても、取説を利用者と製造者の接点と考えれば、双方が受けるリスクと利益を冷静に考える必要があろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:学生衛星が新興市場開拓」から

2013.3.25    日経産業新聞の記事「眼光紙背:学生衛星が新興市場開拓」から

産学連携に枯渇する資金

コラムの著者は、大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)の財政難の要因について焦点を当てている。

○NPO法人10周年を迎えたUNISEC

UNISECは、東大、北大などの超小型衛星やロケットを開発する学生団体である。学生会員は600人を超え、10年で約20基の衛星打ち上げに成功したという。はやぶさプロジェクトなど、日本の衛星開発の中枢を担う人財を送り出してはいるものの、財政難に苦しんでいる。

UNISECの活動は、情報交換の他に、衛星からの通信を受信する地上局ネットワーク、空き缶大の制御機器を米ネバダ州の砂漠で打ち上げるプログラムなどを続けているという。さらに新興国の教員や学生を日本に招いて、超小型衛星の指導者育成や利用法を募る国際コンテストも2011年から開催している。20年までに100カ国以上の教育・研究機関と協力体制を構築する構想もあるが、財政難が課題である。

○UNISECが培った人的ネットワーク

人的つながりは、三菱重工業やIHI、NECなどの宇宙関連企業が新興市場を開拓する際の貴重なパイプとなっている。さて、コラムの著者が指摘するように大学がここまで活動を拡げるべきかどうか、節目が来ているところだ。happy01hotel