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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:苦戦、日本の科学技術」から

2013.2.15   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:苦戦、日本の科学技術」から

独創性がないのではなく、戦略不在で大差

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、独創性がないのではなく、日本の大戦略の不在が、国際競争力を落としていると指摘している。

○国家的大戦略

和田教授が自らゲノムの国際競争で警鐘を鳴らし続けてきたことに、国家的な大戦略の形成がある。具体的には、

  • 科学技術の研究戦略
  • 知財戦略
  • 応用開発戦略

が無いなく、先見性や一貫性がなく、場当たり的だという。

大戦略とは国家百年の安きにおく大計であり、

  • 戦略
  • 戦術
  • 補給
  • 情報

のバランスが不可欠であるが、和田教授は日本は戦術だけで進めようとしているという。さらに、ゲノムの大量解析を事例に、戦略の重要性は気付いているのだが、戦略が立案できなかったという場合と、そもそも戦略の重要性に気付かなかったという両者が要因だという。補給(予算)と情報に関しても、官の縦割りも絡み、バラバラの結果となって、敗因を積み重ねることとなった。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:情報のアマチュア化」から

2013.2.21    日経産業新聞の記事「眼光紙背:情報のアマチュア化」から

経営資源の危機?

コラムの著者が指摘するのは、4大経営資源であるヒト、モノ、カネと同様に重要な「情報」が軽視されていると危惧している。

○削減対象の社内「情報のプロ」

コラムの著者が指摘するのは、ビジネスの世界で「情報のプロ」が減っていることである。事実、「調査部」といった専門的な情報収集・分析の部署が廃止されたり、社内の専門家を減らす傾向にあるようだ。

その背景にICTの普及がある。以前まではマーケティングを行う専門部門があった食品会社が、今やPOSデータを外部委託で分析を依頼しているのが現状だ。その指示を行うのが、直前まで営業をやっていた素人担当者。これでは、社内でのマーケティング戦略を立てるにも、委託会社の結果をもらって、内容を理解していない担当者がうわべだけの説明に終わるというお寒い状況だという。

○玉石混淆の情報から自社の独自仮説を持って分析できる社内プロが必要

ICTの発達で大きな誤解として情報が簡単に素人でも手に入るといったことである。実際はネットなどの情報源はオープンであり玉石混淆である。ライバル企業が使っている情報を検索サービスで集めているだけでは戦略は立たない。自ら商品や市場に対して仮説を立て、検証を行って戦略を立てると言った社内のプロが必要だ。情報の氾濫の中で、本来の戦略家がここでも必要としている。(参考⇒sad


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:検索スキルは向上するか」から

2013.2.20    日経産業新聞の記事「眼光紙背:検索スキルは向上するか」から

情報検索に淡白な日本人?

コラムの著者が指摘するのは、検索の活用が日本のネット業界を変えるという。

○検索スキルが低い?日本人

コラムの著者によると、米国のコンサルタントの談話だという。スマートフォンや携帯電話の普及率などをみると、世界でも先端を走っているように思われがちだが、明らかに米国よりも劣っているのは、検索スキルだという。

世界の多くのユーザーが検索する際に複数の単語を入力して探したいものをに早く辿り着こうとする。これに対して日本の大半のユーザーは、依然として1つの単語のみしか入力しないという。

○検索スキルとネット業界

実は、1単語での検索であれば高度な検索技術は不要だ。つまりネット社会で本格的な検索サービスを始めたヤフー以後、日本では相変わらず圧倒的なシェアを握っているのに対して、海外では次第にグーグルに移行しているという。さらに複数語検索が常套手段となれば、これを目当てに、広告をタイムリーに出したり、商品の推薦を行うというサービスが生まれ、業界の市場が拡大し、技術が向上してきている。ということは、複数検索といった取るに足らない変化でもネット社会では大きなビジネスチャンスを増やすきっかけとなるところは興味深い。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:今どき漬物、伝統も変化」から

2013.2.22  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:今どき漬物、伝統も変化」から

食べきりサイズの野菜豊富な漬物

コラムの著者平林 千春氏(東北芸術工科大学教授)が語るのは『漬物』。山形の新商品から和食文化の保全について解説している。

○和食の国際化

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に農林水産省が「和食」の登録を提案しているという。日本は各地に伝統食文化を支える食品がある。平林教授がピックアップしたのは、発酵食品の典型「漬物」である。

○漬物王国、山形県の尾花沢食品の挑戦

平林教授によると、伝統的食文化の漬物で王国たる山形県には新たな動きがあるという。キュウリ、ナス、みょうがなどの夏野菜を細かく刻んで軽く漬け、ご飯やそば、冷ややっこにのせて食べる『だし』である。

野菜を小さく切って食べること自体、独特の食文化を示し、さらに、地元の尾花沢食品は、独自の製法で、3ミリ角に刻み、コンビニを意識して従来のサイズではなく個食タイプ(90グラム)の『尾花沢のだしっ』を販売し始めた。多くの野菜が簡単に取れる『だしっ』。さらに製造技術を野菜だけでなく、山形名物の果物を刻んで蜂蜜を加えて洋風の『りんごのだしっ』や『ラフランスのだしっ』も開発。トーストやヨーグルト、アイスクリーム用として需要の開拓を狙っているという。

和食文化の伝統を守りつつ、現代にマッチさせながら進めていく。このような試みが地方の中小企業からでてくれば和食の保全は守られるという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書②:相手を知る」から

2013.2.21   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書②:相手を知る」から

相手の期待値と理解度を推察

コラムの著者 清水久三子氏(日本IBMでコンサルタント育成などを担当)は、読み手のプロファイリングを行って、企画の内容を巧く伝え、行動してもらうコツを解説している。

○プロファイリング

犯罪捜査で犯人像を浮かび上がらせる手法がプロファイリング。企画書づくりでもプロファイリングは重要と清水氏は指摘する。

特定の人物の心理を分析し、行動の特性を明らかにすれば行動を起こさせるのも効果的だという。

同じ行動を取ってもらう場合でも、相手に訴求するポイントがことなるという。

○事例:沈没しそうな船上で海に飛び込むシーンを想定

国民性がでるとのこと:

  • イタリア人:「海で美女が泳いでいます」
  • ドイツ人:「規則ですので飛び込んでください」
  • 米国人:「今、飛び込めばヒーローになれるでしょう」
  • 日本人:「皆さんが飛び込んでいます」

海に飛び込ませるという行動を取ってもらう場合、このように相手によって様々。誰に対しても同じメッセージを伝えても「YES」を引き出すのは困難だ。

○相手の人物像から期待値と理解度を推察

相手の人物像から期待値を、相手の持っている情報や知識から理解度を推察して、何を訴求するかという仮説を引き出すことだと清水氏は指摘する。

①人物像:相手の略歴、役職、業務

②期待値:優先順位、判断基準:事例では、美女、規則、ヒーロー、他の人がやっているかなど

③理解度:企画書のテーマに対してどの程度相手の知識や情報を持っているか

  • 初心者:そもそもwhat(それは何か)、why(なぜやるべきか)
  • 経験者:How
  • 権威者:決定のポイント

さらに、期待値と理解度を推察したら、何をどのように伝えるのが意思決定に効果があるかを検討する。

○意思決定の際に働く6つの心理

  • 返報性:何かをしてもらったお返しをしなくてはと思う心理
  • 一貫性:人の信条にはノーといえないという心理。この企画は貴方がやろうとしていることと合致するといった訴求。
  • 社会的証明:自分も他人と同じようにしなくてはと思う心理。普及や事例が効果的
  • 好意:好きな人の要求には応えようとする心理
  • 権威:偉い人が言っていることには逆らえないという心理
  • 希少性:最後の1つと言われると、つい決めなくてはと思う心理

これらの攻めどころを検討する。happy01