Previous month:
2013年2 月
Next month:
2013年4 月

2013年3 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大産油国イラク台頭の衝撃」から

2013.3.13    日経産業新聞の記事「眼光紙背:大産油国イラク台頭の衝撃」から

新興国の成長持続の鍵

コラムの著者は、米国のシェールガス革命で見落とされがちな石油増産に動く、フセイン政権崩壊後10年が経過したイラクに焦点を当てている。

○中国やインドの原油需要を支えるイラク

国際エネルギー機関(IEA)が2012年11月に報告した「世界エネルギー展望」。大きな話題は、

  • 米国が2017年までに原油・天然ガス生産国となる
  • イラクが2035年までに世界の原油生産量の45%を占め、2030年代までにロシアを抜いて世界2位の原油輸出国となる

とある。前者は大きな話題となったが、後者は、増大する新興国の需要を満たせるのは中東産油国だけであり、「イラク増産の成否が今後を左右する」と同報告にもあるという。

イラクは、潤沢な埋蔵量に加え、ロシアの11分の1、米国や北海の15分の1という低い生産コストが強みである。ここでの課題はテロと政治の不安定さとそれによる法整備の遅れ。新興国が今後も成長する鍵は、意外にイラクにある。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:視覚障害者向け機能、会社の垣根越えPR」から

2013.3.22  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:視覚障害者向け機能、会社の垣根越えPR」から

本業直結のCSR活動

コラムの著者 高嶋健夫氏(フリーランス・ジャーナリスト)が取り上げているのは、呉越同舟の電器メーカー同士が1つのサイト運営やキャンペーンを行っている視覚障害者向けの活動である。

○パナソニックと三菱電機が共同運営する『音声読み上げポータル』

このサイトでは両社が視覚障害者や高齢者に向けて、多機能で複雑化する情報家電の使い方や紹介を行う専門サイトである。テレビやラジオ、ICレコーダなどの情報を提供しているという。

共同サイトの開設のキッカケは、デジタル放送への移行で多チャンネル化、多機能化した結果、視覚障害者や高齢者から「リモコンが複雑になり使いこなせなくなった」という声に応える活動を各社行っていたところ担当者同士が「一緒にやればもっとPRが効果的になる」としてごく自然に連携できたところからだという。

○共同作戦

2010年には販売促進用冊子を共同で作成し、家電量販店等に配布。2012年4月には大阪市で開催された総合福祉展バリアフリー2012に「しゃべるテレビ」ブースを共同出展した。そこで時期を合わせて、この「音声読み上げポータルサイト」を立ち上げたのだという。

国も障害者権利条約の批准に向けた施策見直しを始めており、企業もそのアクセシビリティーに影響を受ける。つまり、このサイトは、本業がそのまま社会的責任(CSR)活動に直結しているわけだ。今後の消費者コミュニケーションのあり方を示していると高嶋氏は語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:環境配慮ラベル『エコナノ』」から

2013.3.21  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:環境配慮ラベル『エコナノ』」から

CO2削減・吸収のラベルが好調

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、サトーホールディングス(HD)の環境配慮型ラベル『エコナノ』を本業による社会貢献の好事例として紹介している。

【大学発ベンチャーとの共同開発】

エコナノは、世界初のCO2吸収・削減のラベル。サトーHDも好調な売れ行きに増産を行うことにした。その背景は、生産・流通・消費の各段階で利用されるラベルが、通常は可燃ごみとしてCO2を排出するところを、ラベルに添加したCO2吸収剤の働きで、約20%も削減することに起因する。2011年11月から発売し12年からは販促活動も功を奏して大手スーパー・家電量販店での採用が相次ぎ、12年度は目標売上の3倍に達するという。今回の増産で、従来品よりも高価であったところを生産コストを大幅に下げることで、最終的には同価格帯となるという。

購入するメーカーや流通業者ではエコ意識が高い顧客を持つことから急速に普及するだろうとみる。

このエコナノは、東京理科大の阿部正彦教授と同大学発のベンチャー企業アクティブ(千葉県野田市)との共同開発の成果である。サトーグループは原料調達先であるアクティブが福島県矢吹町に工場を新設したことからシートラベル全体の約10%をエコナノにするという。

【本業での社会貢献活動】

本業での社会貢献活動が実現できるとしてサトーHDの松山一雄社長は、顧客に提供する全てのラベルをエコナノにしたいとの意気込みである。

大学発ベンチャーとして、ニーズの高揚のあるエコとその解決手段を与えた好事例である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑥:構成を決める」から

2013.3.21   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑥:構成を決める」から

スライドページのバランス、視線の流れを整理

コラムの著者 清水久三子氏(日本IBMでコンサルタント育成などを担当)は、前回の目次の構成が出来上がった段階で、それぞれのページの作成の際のポイントについて語っている。

○全体のバランスと視線の流れ

 清水氏によると、再度注意すべきは、目次の構成をきちんと終えてから、各スライドのページに何をどう配置するかを決めることであるという。先走って、資料の作成を行うと、必ず最後に全体的な統一感などがなくなり、反って後戻りが生じるという。

【決めるべきこと】

  • メッセージやグラフ、図などのの表現要素をどう配置するか
  • フォントやカラーをどうするか

これらを考えるとき、

  • バランス:上下、左右で安定感はあるか
  • 視線の流れ:上から下、左から右へ
  • 余白:紙面の3割程度

となっているかを点検する。バランスが悪いと、不安定な感情を引き起こすことがある。流れがページごとにバラバラであると、理解を妨げることになり、余白がないと、圧迫感を与えることになるという。

【避けるべきこと】

  • 表現要素の大きさのばらつきは避けたい。例えば3つのコンサプトがあると前置きしながら、そのうちの1つだけに詳細なデータが入っているような「レベル」感がそろっていないことは、読み手に誤解を与える。⇒ストーリーボードの段階まで立ち戻り、情報収集やロジックを再点検する。
  • 表計算ソフトをそのまま貼り付けることは避けたい。データからコアとなるメッセージを引き出して、それをスライドに反映することが必要。そのまま張ってしまうと、表示文字は小さいし、分析を行ったとみなされる。

【標準的な構成】

フォントは「20ポイント」以上、詳細すぎる情報を入り込まないようにする。カラーリングも標準は青。強調は赤、グラフはグリーンの利用等を心得掛けておく。

構成がしっかり固まってから、資料の作成作業に入る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:理工系に必須微積分、『どこから教える』に知恵」から

2013.3.19   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:理工系に必須微積分、『どこから教える』に知恵」から

答えは先人の歩んだ道に一致

コラムの著者 小山信也氏(東洋大学教授)は、理工系学生には必須の微積分学を入試の多様化により「文系型」受験生が増えてきたことから「どこまで」教えるよりも「どこから」教えるかが課題になっていると語る。

○微積分学の教科書執筆で得たヒント

小山教授が得たヒントは、微積分学の教科書の執筆を機会に微積分学を一から再構成することを検討したという。その結果、

  • 微積分で扱う「無限」は三角関数や対数関数などとは別の概念であること
  • 従来の微積分の教えてきた順序「微分⇒積分」を「積分⇒微分」とする方が分かりやすいこと

を取り入れた。

○効果は?

無限の概念は、先ずは多項式など易しい関数の理解を行って、広義積分やテイラー展開まで解説することで、文系型の学生にも大学の微積分の発想が味わえるようにしたという。また、教える順序は、積分(面積や体積)から入って微分(変化率や速度)から進めてると、多項式の解説と合わせて、「面積とは?」から始め、定積分・不定積分・微分といった流れとなった。この順序は、驚くことに数学の歴史に一致した。

微積分の発祥は、紀元前のアルキメデスによる多項式の定積分から始まり、微分はその2千年後のニュートンの時代に登場した。分かりやすさを突き詰めると、先人の歩んだ道になった。興味深い事実であるという。happy01