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2013.2.13   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑥:情報を収集し未来予測」から

個別の事象そのものではなく、構造の変化を読み取ること

コラムの著者 細谷功氏(クニエ・コンサルティングフェロー)は、情報収集の活用の目的である「未来予測」について、そのポイントについて語っている。

○未来予測に必要な「読み」

細谷氏は、コラムの中で、未来予測を行う上で重要なことは、現在起こっている様々な事象そのものを捉えるのではなく、事象間の「関係性」である構造に着目することだと示唆している。

構造の代表としてトレンドがある。いわゆる時系列の変化で、例えば、特定の会社の売上を現時点だけを見ていたのでは未来予測し辛いが、過去の売上推移など時系列にみると、上昇傾向にあるとか、変動が激しい等といった次の打ち手のヒントが得られるという。

○構造変化の例:「小分け」

細谷氏は更に構造変化の例として、「小分け」を上げている。これまでの大量生産・大量消費の時代から、個別に少量消費への変化に対して「小分け」がキーになっているという。例えば、

  • 音楽:レコードやCDといったまとまった形で何曲かを売っていたことが、ICTによって、1曲ずつ販売することが主流になってきた
  • 航空機や映画館、スポーツイベントの座席予約:多くがクラス別で販売されていたが、顧客自身がネットなどで「この席」と指定して購入できる

などがある。これまでが提供者論理でコストや手間を減らすために、まとめて商品やサービスを行ってきた流れが、顧客のもともとのニーズである個別に対応するこ流れに変わったことが「小分け」となってきた要因であろう。小分けを実現するICTの発展も見逃せず、この構造変化「小分け」は、生活シーンにまで浸透している。例えば、隙間時間を使ってメールやソーシャルメディアのチェックを行っている。こういった働き方そのものが、フルタイムの雇用形態から、複数の仕事を「小分け」するワークスタイルが今後職種によって可能となると「未来予測」できる。

○その他の構造変化

細谷氏は、「小分け」の他に、

  • 「中抜き」
  • 「境界の曖昧化」:会社と個人、素人と専門家など
  • 「シェア」:他人と分かち合う

などがあるという。日常の観測や情報収集から、構造の変化に目を付けると、未来予測のヒントとなると細谷氏は指摘する。happy01

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