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2012年6 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑪:『報・連・相』時代超え鉄則」から

2012.6.6  日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑪:『報・連・相』時代超え鉄則」から

『子謂子産、有君子之道四焉、其行己也恭、其事上也敬、其養民也惠、其使民也義。』 (論語 公冶長篇)


【書き下し文】子、子産(しさん)をいう。君子の道、四つあり。その己を行うや恭(きょう)、その上(かみ)に事うる(つかうる)や敬(けい)、その民を養うや恵(けい)、その民を使うや義。

【コラムからの要約】孔子が宰相である子産について、『子産は、君子の守るべき4つの道を実践していた』と評した。すなわち、『自分の振る舞いは慎み深く、高ぶらなかった。上に仕えては、尊敬を旨として礼を失わなかった。人民を養うには、慈しみや恵みが深かった。民を使うには、道義にかなって公正であった』といった。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして上司との関係について重要性を説いている。

この論語の一説は、君子がキーワードである。君子とは、今でいう優れた指導者であり、優れた人物であるリーダーを指すという。鄭の国の宰相であった子産は、恭、敬、敬、義という4つの徳をもった君子であったとこの一説で説いている。

【報告・連絡・相談(報・連・相)の役割】

上位者に使えるには敬(尊敬)を、下位の者には恵と義を示し、自分のあり方は恭と言っている。特に、仕事をスムーズに進める上で、上司との良好な関係をいかに築くか重要で、上司の支持を得なればならない。孔子は、上司に対しては尊敬と礼を失しない態度が重要と説いているという。

この態度を保ちつつ、報告・連絡・相談(報・連・相)をきちんと上司に向かってやっておくことが、上司の考えも分かる第一歩という。その上で、自分たちのグループがやろうとしていることが話しやすくなり、理解してもらいやすくなる。上司との信頼関係は、報告・連絡・相談(報・連・相)にあるという。上司との関係が悪いと「聞いていない」ということで反対され、仕事がスムーズに進まなくなる。

ただし、報告・連絡・相談(報・連・相)も過剰であると上司に対して逆効果となる場合もある。また、仕事を進める上で上司を説得したり、苦言を呈する必要があるが、一般的に好まれない。だから、日頃から報告・連絡・相談(報・連・相)で、上司の性格をつかんでおくことで、タイミング、言い方なども考えておく必要があろう。

【リーダーとしての中間管理職】

上司と部下を持つリーダーは、部下を取りまとめることはもちろん、上司と良好な関係をつくることも大事な仕事と思って努力する必要があると言える。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ビジネスモデル、問題解決型へ転換必要」から

2012.6.5   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ビジネスモデル、問題解決型へ転換必要」から

ソリューションビジネスは製造業を救うか

 

コラムの著者 久間和生氏(三菱電機常任顧問)の提起は、製造業の70年代〜80年代のビジネスモデルからソリューションビジネス、つまり顧客の問題解決型事業への転換である。

■これまでのビジネスモデル■

良いものを大量に製造し、国内を中心に欧米に販売するモデルは、確かに70〜80年代の世界市場で優位であった。ところが、90年代以降の経済環境の変化に追従できず、苦境に陥っている。 半導体事業でのDRAM、液晶テレビ、太陽電池など一時は世界市場を席巻したが、中国や韓国、台湾などが台頭している。

■六重苦■

①歴史的な円高、②高い法人税、③貿易自由化の遅れ、④環境規制の強化、⑤労働規制⑥東日本大震災による電力不足、などが直面する製造業の六重苦である。 技術で先行しても市場で負ける図式は、従来のビジネスモデルから脱却していないことを物語っているという。欧米も80年代に同じで辛酸を舐めている。

欧米の製造業の復活は、

(1)水平分業

(2)知的財産の重視

(3)国際標準化戦略

を前提にしたビジネスモデルの構築であった。斬新なデザインコンセプト、知財権の確保、国際標準化の推進、強力な設計技術力を武器に、生産はコストの安いアジアに任せた。

■国際競争力のヒントは、ソリューションにあり■

国際的に強い技術に立脚したソリューションビジネスの構築と知財、国際標準化の推進が重要であるという。 例えば、半導体デバイスや電池の事業分野では、省エネ駆動、保護機能、劣化診断などを顧客の課題に対応して製品に組み込むといった戦略が必要だという。さらに、これらの知財権の確保、標準化を推進し、お客様も儲かり自分自身も儲けるビジネスモデルへの転換が必要という。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シェアハウス愛される理由、趣味仲間増え楽しさ自在」から

2012.5.30    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シェアハウス愛される理由、趣味仲間増え楽しさ自在」から

「タテつながり」から「ヨコつながり」へ

コラムの著者 粟飯原理咲氏(アイランド代表取締役)が語るには、20代~30代の『シェアハウス』ブームについてである。ワンルームマンションでの一人暮らしから1つ屋根の下で暮らす集団生活へと変化し、増加しているという。

人気があるのは、キッチンやリビングなどの共有スペースとは別に一人ずつ個室があるタイプで、デザインや暮らしやすさが工夫された物件。さらに、ヨガスタジオや音楽スタジオの併設や、アウトドア専門のコンシェルジュが常駐し、ロッククライミング練習用の壁が設置されている物件まであるという。

肝心なのはその消費傾向の変化だ。「モノの消費することより、誰かと体験や時空間を共有することに価値を見出し、共に暮らす『仲間』を持つことにステータスを感じている」と、西川敦子氏(『大人のためのシェアハウス案内』著者)も指摘する。

帰宅後や週末の会社の「タテつながり」ではなく、「ヨコつながり」で過ごしたい人にとって、シェアハウスは、家具などが備え付きで、転居が楽であるといった自由さも人気の理由だという。

生き方の多様性は、都会の単身者にも迫ってきている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽化進むインフラ、維持・改善 技術に脚光を」から

2012.6.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽化進むインフラ、維持・改善 技術に脚光を」から

世界で需要が伸びるメンテナンス技術

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学教授)が指摘するのは、新技術の開発など脚光を浴びる分野も重要であるが、成熟社会では、過去に作り、老朽化するインフラや技術システムを維持さらに改善することが重要になるという。

すでにある高速道路など徐々に改善することはできても、過去の遺物としてスクラップ&ビルドすることはなかなか取りにくいというのが現実だ。大きな橋もこの部類に入るという。

さらに、原子力発電所もこれに当たる。徐々に改善することは可能だ。しかし、残念なことに東日本大震災で深刻な事故を起こした福島第一原発は、この改善ですら不十分であったことが露呈し始めている。人災だといわれるのはこのためである。

ディーゼル発電機が津波対策に施されていれば、今回の事態よりははるかに大きな事故とはならなかったという。原子力発電所でなくても、最新の調査、研究に基づいた改善を怠ると大事故を招く可能性が大きい。

メンテナンス技術は脚光は浴びないまでも、過去の巨大なインフラを安全に管理し、老朽化から守る技術で、社会に大いに貢献できる。さらに、この分野は今後、国内のみならず、世界中で需要が増えていく。だからこそ、実力を持った科学者や技術者が挑戦したくなるような動機付けが社会にとって不可欠であると新田教授は指摘する。

東北新幹線では、橋げたが地震によって壊れた後、いち早く復旧できた技術が日本には健在だ。まだ世界に誇れるメンテナンス技術をさらに飛躍できるよう国は重視すべきと、新田教授は語っている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:倫理的購入・CSR調達」から

2012.5.31  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:倫理的購入・CSR調達」から

消費者に活動が「見える化」され、高く評価される努力が必要

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、自治体や企業、大学で世界的に導入が増加している倫理購入とCSR調達に関する解説である。

○グリーン購入・倫理的購入

環境に配慮した商品・サービスを優先的に購入するのが「グリーン購入」。「グリーン購入」を推進する国際組織、国際グリーン購入ネットワークが、5月24日「倫理的購入・CSR調達ガイドライン研究会」を発足させ、アサヒビール、トヨタ自動車、花王、帝人など約40社と研究機関・大学が参集したという。

倫理的購入では、障害者が働く施設から物品を優先的に購入する努力義務を国や独立行政法人に課す「障害者優先調達推進法」が衆議院を通過。同法案は、今国会で成立する見込みである。

○CSR調達

世界の大手企業は今、世界的なCSR調達の指針作りに業界ぐるみで推進している。CSR調達は、調達するモノ自体のCSR、取引を行う関係者のCSRの両方を監視する必要がある。(▶参考)前者は、環境に配慮して創られたモノであるか、紛争鉱物(▶参考)などを使用していないか。後者は、サプライチェーン(供給網)内の企業が従業員の安全で公正な労働環境を提供しているか。この点ではグリーン購入よりもトレーサビリティー(履歴管理)が難しい。

グリーン購入、倫理的購入、CSR購入の何れも最終的には消費者の意識変革が必要だと高岡教授は指摘する。つまり、震災時にはエシカル(倫理的)消費は目立ったもののまだまだ普及しているとはいえない。更に、最終的には商品・サービスの価格にこれらのコストが上乗せされ、高くなる。つまり、消費者には、価格が上がった価値を「見える化」して理解してもらわなければいけない。企業などの提供者も、その付加価値を見える化する仕組みを持つ必要があるという。happy01