【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:倫理的購入・CSR調達」から
2012/06/06
2012.5.31 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:倫理的購入・CSR調達」から
消費者に活動が「見える化」され、高く評価される努力が必要
コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、自治体や企業、大学で世界的に導入が増加している倫理購入とCSR調達に関する解説である。
○グリーン購入・倫理的購入
環境に配慮した商品・サービスを優先的に購入するのが「グリーン購入」。「グリーン購入」を推進する国際組織、国際グリーン購入ネットワークが、5月24日「倫理的購入・CSR調達ガイドライン研究会」を発足させ、アサヒビール、トヨタ自動車、花王、帝人など約40社と研究機関・大学が参集したという。
倫理的購入では、障害者が働く施設から物品を優先的に購入する努力義務を国や独立行政法人に課す「障害者優先調達推進法」が衆議院を通過。同法案は、今国会で成立する見込みである。
○CSR調達
世界の大手企業は今、世界的なCSR調達の指針作りに業界ぐるみで推進している。CSR調達は、調達するモノ自体のCSR、取引を行う関係者のCSRの両方を監視する必要がある。(▶参考)前者は、環境に配慮して創られたモノであるか、紛争鉱物(▶参考)などを使用していないか。後者は、サプライチェーン(供給網)内の企業が従業員の安全で公正な労働環境を提供しているか。この点ではグリーン購入よりもトレーサビリティー(履歴管理)が難しい。
グリーン購入、倫理的購入、CSR購入の何れも最終的には消費者の意識変革が必要だと高岡教授は指摘する。つまり、震災時にはエシカル(倫理的)消費は目立ったもののまだまだ普及しているとはいえない。更に、最終的には商品・サービスの価格にこれらのコストが上乗せされ、高くなる。つまり、消費者には、価格が上がった価値を「見える化」して理解してもらわなければいけない。企業などの提供者も、その付加価値を見える化する仕組みを持つ必要があるという。
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