【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽化進むインフラ、維持・改善 技術に脚光を」から
2012/06/07
2012.6.1 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽化進むインフラ、維持・改善 技術に脚光を」から
世界で需要が伸びるメンテナンス技術
コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学教授)が指摘するのは、新技術の開発など脚光を浴びる分野も重要であるが、成熟社会では、過去に作り、老朽化するインフラや技術システムを維持さらに改善することが重要になるという。
すでにある高速道路など徐々に改善することはできても、過去の遺物としてスクラップ&ビルドすることはなかなか取りにくいというのが現実だ。大きな橋もこの部類に入るという。
さらに、原子力発電所もこれに当たる。徐々に改善することは可能だ。しかし、残念なことに東日本大震災で深刻な事故を起こした福島第一原発は、この改善ですら不十分であったことが露呈し始めている。人災だといわれるのはこのためである。
ディーゼル発電機が津波対策に施されていれば、今回の事態よりははるかに大きな事故とはならなかったという。原子力発電所でなくても、最新の調査、研究に基づいた改善を怠ると大事故を招く可能性が大きい。
メンテナンス技術は脚光は浴びないまでも、過去の巨大なインフラを安全に管理し、老朽化から守る技術で、社会に大いに貢献できる。さらに、この分野は今後、国内のみならず、世界中で需要が増えていく。だからこそ、実力を持った科学者や技術者が挑戦したくなるような動機付けが社会にとって不可欠であると新田教授は指摘する。
東北新幹線では、橋げたが地震によって壊れた後、いち早く復旧できた技術が日本には健在だ。まだ世界に誇れるメンテナンス技術をさらに飛躍できるよう国は重視すべきと、新田教授は語っている。
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