Previous month:
2012年4 月
Next month:
2012年6 月

2012年5 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:米で2つの石油革命」から

2012.5.25   日経産業新聞の記事「眼光紙背:米で2つの石油革命」から

テクノロジーが消費を減らし自給を高める

コラムの筆者が語るのは、世界最大の石油消費国である米国で歴史的な産業上の2つの革命が起ころうとしていると指摘する。

【第一の革命:ガソリン需要の低下:自動車の保有台数の増加が止まった】

米国の石油消費量の半数近くを占めるガソリンの需要が2007年をピークに減少傾向に転じた。保有台数約2億5千万台で中国の2倍以上もある自動車の増加が止まったことが要因である。

【第一の革命:ガソリン需要の低下:買い替え需要は省エネタイプ】

さらに買換え需要は、燃費の良さを最優先するようになり、2億5千万台が年々、低燃費車に代わってきている。その結果、米国のガソリン需要は、昨年最も盛り上がった6から7月に日量930万バレル台となり、2007年の同時期に比べて30万バレルも減った。

【第二の革命:米国内の石油生産量の増加】

もはや増えることはないと思われていた米国内のメキシコ湾岸の海底油田の稼働が増加して、天然ガスを追いかけるように硬い岩盤層から「シェールガス」の開発も増加した。今年4月に600万バレルに回復、2000年以来の生産量となる。さらに隣国カナダのオイルサンドから生産された石油もパイプラインで大量に流れ込むことになった。

この2つの革命で、差し引き米国の原油自給率は高まり、天然ガスまではいかないが、米国内の原油価格も欧州やアジア地域に比べて格安となる。結果、米国の経済力が高まるという。化石燃料の資源に乏しい我が国での影響も大きくなる。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「キュレーション、情報の目利き:業務革命③」から

2012.5.24   日経産業新聞の記事「キュレーション、情報の目利き:業務革命③」から

キュレーションの共有が売る上げにつながる

コラムの著者 柳沢大貴氏(大和総研シニアコンサルタント)による「キュレーション」の応用に関して、店舗販売など接客の際に利用できることを、大型量販店の照明器具売り場を例に説明している。

【現物をインターネットでの情報と置き換えてみる】

柳沢氏が言うのは、大量の商品が生み出されている今日、実店舗でも多くの商品が出回ってる。そんな中から消費者自ら欲しい商品を手に入れるためにもキュレーションが重要であると指摘する。

キュレーターは、インターネットでの情報を商品と置き換えてみるとイメージしやすいという。この場合のキュレーションを行うのは売り場の販売員だ。接客に対して顧客のニーズを的確に、多くの商品から選択する必要があるからである。

【選択から絞り込み購買行動へ】

多くの商品から、判断しやすい状況に誘導する必要がある。判断に迷うほど選択肢が多いと購買行動に移らないからである。まず、最先端の機能等を訴える方法もあるが、例えば照明器具はインテリアの一部として考えられるから、お客様の利用シーンを販売員が聞き出しカタチを決めて、顧客が購買後のイメージを持つようにする。こうすれば商品は絞られ、光源の色や機能や価格、省エネ効果などに訴えやすくなる。最後には顧客のニーズに在った商品にたどりつくことになる。このような接客技術はまさにキュレーションであり、販売員のこういったノウハウを以下に売り場全体で共有しているかが、販売増の決め手となると柳沢氏は指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:素材の新しい利点」から

2012.5.24  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:素材の新しい利点」から

顧客のクレームがヒントで売上増加

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、素材の持つ新しいり円に気付くことで新市場創造が出来ることをミツカンの納豆商品を事例として説明している。

【過去商品の反省から】

ミツカンが2008年に発売した「金のつぶあらっ便利!超やわらか納豆とろっ豆3P」での解決した内容は、

  • 開封時に、納豆のたれ袋から中身が飛び散る
  • 開封後のフィルムで手や食卓が汚れる

という不満を解消するため、ゼリー状の「とろみたれ」を開発、これらの問題を解決した。ところが、これに対して50代から60代を中心に、

  • ゼリー状になったためかき混ぜにくい

といった意見が出て客離れが起きた。そこで従来のなじみのある液体で、混ぜやすく、手を汚さない袋の開発が必要となった。

【偶然の気付きから問題解決へ】

いくつかのアイデアを検討したがどれもコスト高となり実現性が低い。そのとき、開発担当者の一人が、発泡スチロールの容器を触っていて、その素材が繊維質で、一定のすじに沿って割れやすいという利点に気付いた。

偶然気付いた「割れる」という発泡スチロール容器のふたの上部にフィルムをつけ、そこにたれを入れた。食べる前に蓋を割り、たれをかけるというアイデアが生まれた。

1年半かけて商品化し、「金のつぶパキッ!とたれとろっ豆3P」として今年1月に関西以西で発売を開始。従来の「とらみたれ」の商品の2倍以上の売上となった。50から60代の消費者を呼び戻し、さらに今まで納豆を食べていなかった消費者も新たに取り込んだ。

今までは、割れることは消費者からクレームとして欠点と考えられていたことを見方を変えて利点としたことが成功の要因となった。アイデアの展開で必要なのは常に見方の変更である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シティー・ツーリズム、リピーター創造課題に」から

2012.5.23    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シティー・ツーリズム、リピーター創造課題に」から

都市内都市での競争、地域での協創の時代へ

コラムの著者 谷口正和氏(ジャパンライフデザインシステムズ社長)が語るには、都市が最大の観光地であることが明確になり、特に東京の巨大観光地化は顕著で、まさに「シティーツーリズム」が主体になりつつあるという。

東京・江東区のお台場地区の「ダイバーシティ東京」、渋谷地区の「渋谷ヒカリエ」そして、墨田区の「東京スカイツリー」など、都市が情報の発信拠点として変貌しつつあるという。これらの地区、地域同士が都市内都市として競争し、地区内の地域ではこれまで競合であったところ独自性を出すため協創する時代に変貌した。

大型連休の東京都内、横浜、千葉の一部を含めた首都圏への旅行の予約件数は、日本旅行によると、昨年同時期の2.1倍、東日本大震災の影響がなかったおととしと比べると32%増の高水準だとデータもシティー・ツーリズムが好調であることを示している。

これまでは東京はビジネス目的であったが、これが新たな観光目的の場になった。問題は、リピーターをどの位確保できるかといった課題である。鮮度頼みの期待値だけでは、飽きられてしまう。やはり、継続性のあるテーマ設定が地区に必要で、顧客の学習意欲をかきたてるコンテンツがそこには必要となる。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑨:自分なりの叱る基準を」から

2012.5.23   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑨:自分なりの叱る基準を」から

『哀公問、弟子孰為好学、孔子対曰、有顔回者、好学、不遷怒、不弐過、不幸短命死矣、今也則亡、未聞好学者也。』 (論語 雍也篇)


【書き下し文】哀公問う、弟子、孰か(たれか)学を好むとなす。孔子、対えて(こたえて)曰く、顔回なる者あり、学を好む。怒りを遷(うつ)さず、過ちをふたたびせず。不幸、短命にして死せり、今や則ち亡し(なし)。未だ学を好む者を聞かざるなり。

【コラムからの要約】魯国の君主である哀公が孔子に向かって、『弟子達の中で学問好きはだれですか』とお尋ねになった。孔子は答えて、『顔回という者がいました。学問を好み、怒りを他の人にうつさなかったし、過ちを繰り返さなかったのです。しかし、残念ながら短命にして死んでしまい、もうこの世にはいません。(私はそれ以降)ま だ、学問を本当に好きな者を聞いたことがございません』と申し上げた。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして心のコントロール、特に「怒り」と「叱る」ことの重要性を説いている。

ここに登場する顔回と言う人は「一を聞いて以って十を知る者」だったようで、かなりの学問好きせあり、孔子の最愛の弟子だったようだ。孔子が71歳のとき、顔回は41歳で亡くなり、その死を嘆き悲しんだという。

ポイントは、学問を修め、「怒りにうつさず、過ちを再びせず」だったところが、現代のリーダーにも求められると岩淵氏は指摘する。

歴史的にも井上馨がイライラして怒りにまかせて部下に八つ当たりするタイプだったようで、渋沢栄一が閉口したとの記述があるそうだ。部下を持つリーダーの立場では、怒りにまかせてしまうと、自分の心のコントロールが出来なくなり、つい本音が出たり、余計なことを口走り、人を深く傷つける過ちを犯してしまう危険性があると、指摘している。

また、人を育成するために「怒る」ことはなく、「叱る」ということだとも指摘する。怒りは一方通行であり、自己の感情のはけ口にしかならない。未熟さの表れかもしれない。一方、叱るときには、感情的にならず、常に自分なりの叱る基準を持つべきだと岩淵氏は説く。基準が分かれば、部下も叱られる理由が分かり、善処しようとする。日頃から自分の考えや仕事の心構え、目標などを部下に話し共有しておくことが前提で「叱る」ことになるという。

岩淵氏は、宮沢賢治の「雨にも負けず」jからも、「欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている」という人物像を示し、日常業務に活かせるようにしたいと述べている。happy01