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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点①:大震災、みえた企業の役割」から

2011.7.12   日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点①:大震災、みえた企業の役割」から

企業は、利潤の追求から多様な社会的価値を生む存在へ

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏が指摘するのは、大震災後、普段は気付かなかった企業の社会とかかわりである。

震災の被災地を応援する動きが日本中に広まる中、企業の社会貢献活動も空前の規模だという。日本企業は、緊急支援として1000億円にのぼる資金を提供し、多くの物資を送った。事業の特徴を活かした被災地支援や社員ボランティアの派遣など多くの取り組みが行われている。

今年の株主総会も株主の価値感が変容したという。これまでは、利益を配当に回すべしといった意見が重視されたが、被災地への社会貢献支出を増やすべしといった、企業の社会的役割に目覚めた株主も増えたという。

短期的に利益を圧迫しても被災地の雇用確保を重視する必要性も出てきている。つまり、従来の株主重視だけでなく、多くの社会的な価値を生む存在として再認識されている。これは、2010年9月の経団連の企業行動憲章と実行の手引きの改定にも表れているという:

【改定前の前文】「企業は、公正な競争を通じて、利潤を追求する経済的主体・・・」

【改定後の前文】「企業は、公正な競争を通じて、付加価値を創出し、雇用を生み出すなど経済社会の発展を担う・・・」

国内に留まらず、企業の社会的役割を重視する考えは、欧米では10年以上先行し、新興国でも議論が急速に盛り上がっているという。中国も「世界の工場」としてその地位を守るためにもグローバルな視点で社会的役割に国家的な課題として取り組んでいるという。

企業は、経済的な価値創造だけでなく、企業を軸とした多様な活動の原動力となり、それが企業の競争原理に打ち勝つ手段として震災後、多くの国内企業で再認識されたようだ。

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