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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:名脇役」から

2012.4.26  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:名脇役」から

台本のない脇役の活動が重要

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が語るのは、特定非営利活動法人(NPO)「シブヤ大学」(東京・渋谷)である。この大学、一般的な大学とは異なって、渋谷に関わる人ならだれでも生徒にも先生にもなれる。いつでも参加できるので卒業はない生涯教育といったユニークな活動だ。この大学の講義に必要な講師に、名脇役が必要というわけである。

シブヤ大学は多様なテーマで、土曜・日曜を中心に年間120件を超える講義が開催されているという。生徒数は、1万5千人に達し、講師は650人となる。

講師は著名人に依頼するのではなく、これまでに講義したことがなく、専門知識を持っている人が先生となる。

問題は「先生探し」。この講師発掘は、自主的に動く200人の「名脇役」であるスタッフの仕事。さらにユニークなのは、先生とスタッフが講義内容をお互いに検討し、お互いのアイデアを活かしていく。そこには台本がないというのが特徴である。この主体的にアイデアを出して動くことが、新たな展開を生み、この大学の活動範囲を商店街や施設、マンションなどのイベント、コミュニケーションの活性化につながっている。buildinghappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学⑤:今も新しい『盛田スピリット』」から

2012.4.26   日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学⑤:今も新しい『盛田スピリット』」から

「違和感」こそ、G課長の力の原点

コラムの著者 キャメル・ヤマモト氏(デロイトトーマツコンサルティング・ディレクター)は、これまで登場したG課長(グローバル課長)の『違和感』の中に力の源泉があることを紹介している。

【ソニーの盛田昭夫氏から学ぶポイント】

  • 「違和感を大切にする」
    • 自分が新天地でビジネスや新しい人に出会って最初の100日間でもつ『違和感』こそがイノベーションのカギだ:盛田氏の薫陶を受けた鶴見道昭氏(ソニー・ヨーロッパ元社長)のインタビューからでた言葉である。
      • 赴任当時は、欧州各国で独立して戦略を立てていたことに『違和感』を感じ、欧州統合を背景に、欧州全体でビジネス展開が出来ないかと考え実践した。
      • 鶴見氏はもともとB2Bのビジネスに携わっていたが、欧州の社長になってB2Cも傘下に入り、B2Bの「顧客との距離感」がB2Cには欠如していることに『違和感』を感じた。そこでB2Cも顧客の特性を考える戦略で展開した。
    • 違和感が双方向性を持つことも重要。つまり、自分が新天地にもともといた人から『違和感』ある人物に見られたら存在意義があると思えば良い。
  • 「情熱的な対話」
    • 盛田氏は40歳で英語もあまり話せない状態で単身米国に乗り込み、そこから世界企業のソニーをつくっていった。米国に到着するや否や、著名な弁護士を自分の師として米国でのビジネスのやり方を根掘り葉掘り聞く対話方式で徹底的に学んだという。
    • 当時若手の鶴見氏にも真剣に話を聞いたそうだ。
    • 情熱的に話を聴くだけでなく、これを伝えたいという情熱(パッション)も大きかったという。
    • そこでのtipsは、『聞く人のことを考えて話す』ことだという。
  • 「何でも結合」
    • G課長は、J課長のように「同質村民」の排他性は持たない。「違い」を味わい、活かすのが面白いと感じる。

違和感を抱かせる人に子供のような好奇心をもって近付き、「情熱的な対話」に引き込み、「違和感」から「違い」を「結合」して無邪気に「和」を創りだす、これがコラムの著者ヤマモト氏のまとめだ。

G課長のビジネスへの取り組みはワクワクしたものであることが垣間見れただろうか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『太陽光の季節』によぎる制度の不安」から

2012.4.25   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『太陽光の季節』によぎる制度の不安」から

欧米の太陽光バブルを追うな

コラムの筆者が語るのは、7月から導入される再生可能エネルギーの全量買い取り制度に関わってグローバルに動く太陽光発電関連の事業者たちの動きに要注意とのことである。

経産省の委員会で1キロワット時=42円(税込)というレート。国内の業界団体は、「ほぼ満額回答」と利益確保もでき、普及が加速するとの見方で満足という。一方、専門家の中には、「下駄をはかせすぎたのでは」との声もある。

実際、太陽光パネルの製造に関しては、中国製の流入などで価格が下落。調達コストが下がり、発電コストも下がるという見方である。しかし、欧米での「太陽光バブル」で破綻した独Qセルズのように補助金頼みであると先がない。日本でもバブル化が国内メーカーと中国など世界のメーカーとの競争ですでに始まっている。

補助金は国民の血税を原資としており、いつまでも頼っていては、業界も世界の競争には勝てない。バブルの追従だけは避けたいが、産業育成としての見通しも必要だ。大きなジレンマである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑤:気遣い、相手の信頼得る」から

2012.4.25   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑤:気遣い、相手の信頼得る」から

『子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎、子曰、其恕乎、己所不欲、勿施於人也。』 (論語 衛霊公篇)


【書き下し文】子貢問いて曰く、一言にして以て終身これを行うべきものありや。子曰く、其れ恕(じょ)か。己の欲せざる所を、人に施すことなかれ。

【コラムからの要約】弟子の一人である子貢が、孔子に『一言で表現できて、一生涯それを行うべきものがありますか。』と訊ねた。その質問に対して、孔子が『それは恕(じょ、思いやり、気配り)だな。自分がしてほしくないことは、他人にもしないことだ』と答えた。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)が語るのは、ビジネスの信頼を得るには、「忠恕」の実行が必要だとで説いている。

▶忠:自分の良心に忠実なこと。恕:他人の身の上をあたかも自分のことのように思いやり気遣うこと。

▶聖書にも『何事でも自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい』とあるそうだ。

岩淵氏がビジネスも人と人との関係で成り立ち、人の心をつかみ、人から信頼されるには、自分がこうされたら嬉しいと思うことを徹底して相手にすることが基本だと述べている。

岩淵氏の会社の工場ではお客さまへの対応で気配りを実践しようと、以下のことを行っているという。

  • このお客様は生涯一回しかここに来ないと思うこと。だから一回のもてなしに最大限の努力をする
  • その日の視察ルートには、誰が、何時頃に行くのかを周知し出会ったらあいさつをする
  • 応対担当者は必ず玄関前で待って出迎える
  • 玄関の電光表示で歓迎の意思を示す
  • 視察出発前に記念撮影をし、戻った時にテーブに写真を置いておく

人にしてほしいと思うことを細かいところまで気を働かせ対応することがビジネスの基本であろう。肝に銘じる内容である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:低迷の日の丸家電」から

2012.4.24   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:低迷の日の丸家電」から

低迷は新興国、円高などの現象論的な要因に在らず

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、国内メーカー各社の不振の極みは、新興国の急伸や円高・ユーロ危機といった経済環境悪化ではなく、この産業の構造的な変化に在ると指摘する。

○デジタルバブル崩壊

  • ITバブル:志村氏によればデジタルバブルの第一波
    • ITビジネスへの過度の期待と安易な投資で逆に失望感を大きくし、この産業の屋台骨である国内の半導体、コンピューター分野を弱体化した。
  • 家電製品のデジタル化:志村氏によればデジタルバブルの第二波
    • 薄型TVやデジタル家電が引き金。
    • 家電業界は、部品主導の組み立て産業化を促し、機能的平準化が進んだ。どのメーカーであっても同じで、際は部品レベルの性能差。こうなれば価格競争になるのは必然である。
    • 製品技術の平準化はますます進み、マニュアルかも進んで、参入障壁はますます低くなった。

○デジタルバブル崩壊が予見されていた

予見されたのにもかかわらず、国内メーカー各社はパネルの増産を図った。志村氏によればこの方向性は解せないという。

有機EL技術など国産優位の技術はあるものの、業界の変化を的確に判断できなければ、参入時に折角の製品も短命で終わってしまう。tvhappy01