【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『擦り合わせ』の力、衰えていないか」から
2011/06/30
2011.6.21 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『擦り合わせ』の力、衰えていないか」から
システム構築力の基礎は「擦り合わせ」から
コラムは、福島第一原子力発電所で進められている汚染水処理システムについて手厳しい意見だ。さらに言えば、日本のシステム構築に「擦り合わせ」を始めとする原動力の衰えを心配している。
汚染水処理システムは、油分離や塩分除去の淡水化装置(日本製)、セシウム吸着装置(米キュリオン社製)、ストロンチウム除去装置(仏アレバ社製)の持ち寄り技術で成り立ってる。試運転段階で米社製の装置から水漏れやポンプの不具合が見つかり、修理して本格稼働後も急激に放射線量が増え、システム停止となった。
問題は、装置の故障が1つでもあればシステムとして不完全であり、今回の汚染水処理ができないということだ。個別の装置がOKであっても、最適な組み合わせを見出す日本が得意とする「擦り合わせ」に抜かりがあったのではないか、という見方だ。
これは原発問題ではあるが、産業全体として、機器単体ではなく、付加価値のあるシステムとして海外市場にでる場合も同じ問題に直面する。現場の作業者の知恵と技術者の擦り合わせを武器にした日本の産業構造をもっと昇華しなければならないというのだ。国際競争力は原発問題という違った形で捉える必要もありそうだ。