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2011.6.1  日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像③ヘンリー・フォード」から

大量生産の創始者フォード

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー岸本義之ディレクターが示す今回の人物は、ヘンリー・フォード (▶ 参考)だ。①で紹介したテイラーの提唱した科学的管理法の実践者かもしれない。 470px-Henry_ford_1919

T型フォードで有名のフォードだが、元はデトロイト・エジソン・カンパニーの電力供給管理技術者だった。安定した電力供給のお蔭で、待機時間が彼の技術アイデアの創作時間だった。最初の実用ガソリンエンジンも発明した。

フォードの優れているところは、当時食品加工工場などで導入され始めた高架懸垂車を利用した「ライン製造」を発電機の製造に応用したことだ。ライン製造の原理は、一人がすべてを組み立てることではなく、部品に分解して、手分けして、出来るだけ少ない動きで、製品を製造するものだ。テイラーのいう、労働者の動きを最小限に抑え徹底した方式だ。

ただ、晩年になって、ライン製造で自動車業界で成功はおさめたが、巨大化した組織的な問題、特に人材管理に苦労する。

日本の松下幸之助氏もフォードの生産管理に触発された。ただ、フォードとの相違点は、会社は単なる生産の道具ではなく、社会や個人の便益のための存在と考えたことだ。倫理を松下氏は企業に持ち込んだのである。

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