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2011.6.22   日経産業新聞の記事マネジメントの肖像⑥エルトン・メイヨー」から

効率化の源泉は労働者の人間性にあり

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー岸本義之ディレクターが示す今回の人物は、エルトン・メイヨー だ。(▶参照) Image

これまで、テイラーは仕事を発見し、フォードは大規模な生産の発見、スローンは、仕事の組織化を発見した。しかし、仕事をする人間を発見していなかった。この発見は、画期的と言われる研究のためにハーバード大学に補助金が下り、集められたメンバーがこれに注目した。オーストラリア人のエルトン・メイヤーである。

メイヤーは、後に著名な実験となるウェスタン・エレクトリックのホーソン工場(米国イリノイ州)で行った「ホーソン実験」を主導した。最初、照明の明るさによる生産性の比較実験などを行ったが、照明による変化で効率は変わらず、具体的な要因が見つからない。研究チームは少人数の労働者を選抜して実験をおこなったが、実はここに落とし穴があった。選ばれた労働者は選抜され特別であるという「感情」を持つことで、チームは一体感を持ち、結果として作業効率を上げたのだ。

つまり、人々はある一定の期間、「同じ釜の飯を喰う」と一体感が生まれ、固有の文化を形成し、派閥で代表されるような階層化が起こることを発見した。つまり、仕事の効率は、人間の同僚と協力しながら継続的に仕事がしたいという欲求と感情によるものであった。テイラーやフォード、スローンが求めた科学的管理法に一石を投じ、人間性を重視するマネジメント手法がうまれたのもこれ以降であった。

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