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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力⑨」より

2011.1.19 日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力⑨」より

データ整理のコツは完璧求めず、「とりあえず」始めること

コラムの著者である高畑正幸氏 (▶ 参考)も私もそうだが、日々のデジタル文書の扱いはますます増えていき、スペースを取らない分、整理が大変なことだ。

整理の難点は、整理したファイルの探し出し、所謂検索をどんな「ルール」で分類したかを忘れること。高畑氏が指摘するように、最初から完璧な分類を試みても、分類ルールを忘れては元も子もない。必要になった時に何とか見つけ出すことが最低限の「とりあえず」すべきこと。

分類ルールで同氏がお勧めなのは、ノンフィクション作家の山根一眞氏提唱の「カタカナ3文字・案件名」でファイル名にするというもの。片仮名がファイル名の冒頭についておれば、フォルダ内は勝手にアイウエオ順に並ぶ。さらに、案件名は、

  • 一般名詞を避ける
  • 固有名詞を使う
  • 複数のキーワードを列記する

ことがコツだという。こうすることで検索が容易になる。また、ファイルは、関連するプロジェクト等の名称のフォルダに一緒に保存すること。時折、フォルダ内を整理するのも、「とりあえず」で行う。

私の場合は、不要と思われても削除せずに、例えば「old」というサブフォルダをつくってそこに保存し、最新情報をフォルダの内部に残している。こうすれば、過去の資料も見れる。

全文検索もあるが、データがテキストだけでなくマルチメディアであると、上記のファイル名分類が意外と便利だ。

分類ルールを簡単でかつ実用的なものにして整理をしてみよう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「TechnoOnline:『科学・技術』の表記」から

2011.1.18 日経産業新聞の「TechnoOnline:『科学・技術』の表記」より

科学>技術ではなく、科学x技術が社会発展を生む

コラムでは、日本学術会議が政府に対して昨年末、「科学技術」という表記を「科学・技術」(中丸付き)にすべきで、科学技術基本法を改正すべきだと勧告したことについて言及している。

もともと、科学と技術は異なる。が、相互に作用しあい、今日の社会の発展に役立ってきた。科学的な知識のもとで技術が生まれることは事実であるが、相互の発展で人類に貢献してきたことも事実である。

問題は、技術偏重、科学の軽視、理系離れと、科学研究費の巨大化といったところにあるという。

日本の科学史では、科学の工業化が産業黎明期には至上課題であったという。ところが、この議論の本質は予算や軽重視といったあり方の原因があるようだ。相互作用を認め、どちらが重要であるといった議論ではなく、応用や結果での判断を「人類に役立つ」時間軸を拡げてみてはどうか。そこまで余裕のない現代人の性かもしれないが。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「哲学で拓くBIZテク①:ソクラテスの『問答法』」から

2011.1.18 日経産業新聞の「哲学で拓くBIZテク①:ソクラテスの『問答法』」より

知ったかぶりは相手にも自分にも新たな発想を生む機会を逃す

コラムでは、哲学の父ソクラテスに言及し、日本人の質問下手に警鐘を鳴らしている。質問することに慣れていないと、国際社会で重要で有益な情報を素早く手に入れるという点で遅れをとってしまうというものだ。

ソクラテスは、知者とされる詭弁家に質問して回り、彼らは実は何でも知っているふりをしているだけであることを突き止めた。そこで、自分は何も知らないと自認しているだけで詭弁家よりも自分が知者であると気付く。いわゆる「無知の知」という概念だ。つまり、知ったかぶりをしていると、新しいことを知る機会を逃してしまうという。ソクラテスは、真理や物事の本質を知るための大切さを訴えるために、質問をどんどん行うことになる。これが「問答法」の始まり。相手に問いを投げかけ続けることで相手自身に答えを発見させるものだ。

「問答法」は日本人の質問に対する躊躇が如何に良い情報を得る機会を逃しているかを示してる。

知ったかぶりをせずに勇気を出して質問。自分が知りたい情報や回答が出るまで質問を粘り強くする。ただ、相手の話を理解して的確な回答を得る「質問力」も重要だ。ソクラテスは、人からシビレエイと例えられるほど質問力が高かったという。

ネタ出しの会でも「フィンランド・メソッド」(なぜなぜを繰り返す▶参考)を紹介したが、その効果はこの質問力に左右される。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:鏡開きに漂う時代変遷の空気」から

2011.1.17 日経産業新聞の「眼光紙背:鏡開きに漂う時代変遷の空気」より

鏡開きの槌振る担い手も時代を映す

コラムでは、20年ほど定点観測で半導体製造装置業界の賀詞交換会の様子を見てきた記者の感慨を示している。同業界は、かつての大手半導体メーカーや学界の大御所による鏡開きの儀式がなくなり、現場の長での槌振いだそうだ。製造装置メーカーの顧客である半導体メーカー自体が業界再編で国内市場が縮み、海外メーカーが台頭している事実があるからだという。

もう、鏡開きの日本伝統の儀式も、その担い手が、その意味や内容を知らない海外メーカーに委ねられるのも無理からぬ話という。それ以前に、賀詞交換会自身がどうなることか分からないのが時代の変遷だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「NewsEdge:『スマート家電』かすむ日本勢」から

2011.1.14 日経産業新聞の「NewsEdge:『スマート家電』かすむ日本勢」より

2011年米国最大の家電展示会(CES)にみる米国市場戦略の危惧

コラムでは、ラスベガスで1月上旬開催されたCESを取り上げて、家電メーカーの戦略に危惧を投げかけている。ここで、新興国以上に人口が3億と最大の米国市場。従来の白物家電も、インターネット接続やエコ機能を拡大し、スマート家電として元気が良いのは米国GEや韓国勢。

  • インターネットに接続して調理メニューを次々にダウンロードできるオーブンレンジ
  • 庫内の不足した食品を把握し携帯電にメッセージを送る冷蔵庫
  • 搭載したカメラで部屋の汚れた場所を見つけ自動的に掃除するロボット

どれも、国産メーカーでは一度は手掛けた商品だ。しかし、米国の家電量販店の店頭に日本製は劣勢だ。

主な原因は、技術先行で、実用化に遅れ、アピールが不足している点にある。また、標準化規格も、国内規格に固執すれば、米国での規格への対応が遅れるといった部分もある。やはり、市場戦略の弱さが露呈し始めた結果かもしれない。