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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:仕事の境界線を見直す」から

2021.2.12  日経産業新聞の記事「SmartTimes:仕事の境界線を見直す」から

ジョブ・クラフティング行動が組織の業績にもプラス

 コラムの著者 伊藤 伸氏(東京農工大学教授)は、与えられた業務担当の範囲ではなく、周りとの仕事の境界線を自主的に見直すジョブ・クラフティングについて考察している。

○業務担当ではなく仕事の境界線を自主的に見直す行動

 伊藤教授によれば、従業員が業務の改善や自身のスキルアップのために、仕事の境界線を自主的に見直す組織行動をジョブ・クラフティングと呼ぶのだという。近年この概念に関する研究が話題となっており、企業と大学での実証実験や研修が相次いでいるという。

このようにジョブ・クラフティングが注目されるのは、ビジネス環境の大きく、しかも速い変化に適応できるスキルが必要で、特にホワイトカラーの生産性向上に影響を与えると言われているからである。また、雇用形態が従来の終身雇用を前提とした職務を明確にしない「メンバーシップ型」雇用から、反対に明確な職務を人材を当てはめる「ジョブ型」雇用へ移行が進んできて、これもジョブ・クラフティングに関わるとされていうからである。

ジョブ型で従業員は自身の役割は何であるかを認識させ、ジョブ・クラフティングのキッカケとなるという。自身の仕事の境界線を見直せば、自然に他者への支援行動と重なるところも出てくることから、個人のやり方の向上に止まらず、組織の業績へプラスに働く可能性がでるという。つまり、自主的でやらされ感が少なくなり、仕事への満足感が上がるという。このような行動にはコストが掛からず、業績が向上するのだとしたら、企業風土の改善にもつながる。💹🕛🛒📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:発明の国は意地を見せるか」から

2021.2.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:発明の国は意地を見せるか」から

発明の国、ドイツの本領

コラムの著者は、ドイツの自動車業界が威信をかけているのがイノベーションやその原動力の発明であるところから、各種電池と内燃機関との最適解を求めて、世界のライバルメーカーに挑んでいることを述べている。

○電池と内燃機関の最適解を求めて

 コラムの著者によると、ドイツ自動車工業会のヒルデガルト・ミューラー会長は:

「2021年はドイツとヨーロッパの自動車産業の未来を決定付ける年になる」

と1月下旬の年頭会見で述べたことから、コロナ禍で落ち込んだ新車販売台数の回復を生産力の回復とともに強気な予想をだしたという。

世界第4位が雇用を守る生命線で、先に述べた国内市場の回復とともに威信をかけているのが、イノベーションであるという。2020年はEVなど電気自動車販売が2019年比で約3倍の39万台と新車全体の13%強を占めた。電動かとともに燃料にも着目し、二酸化炭素と水素などで生成する合成液体燃料である。つまりガソリン車などの出す内燃機関のCO2排出量を減らし、カーボンニュートラルに近づけるテクノロジーで、すでにアウディなどが開発を推進している。さらに、ミューラー会長は、これまでドイツは産業革命で先行したイギリスを見て産業力を強め、オットー、ダイムラー、ベンツ、ディーゼルらの発明で内燃機関の基礎を築いたことから、

「自動車を発明し、いま新たに発明している」

という自負があるという。水素エンジンではBMWが、燃料電池ではダイムラーにもこれまで長きにわたる研究開発と技術がある。そこに、電池と内燃機関の最適解を見出そうとしている挑戦がある。🚗🚆💻🏠💡⚡️🔍📶🦠😷📷👜⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇩🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:クールジャパン、欧米と異なる価値」から

2022.2.12  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:クールジャパン、欧米と異なる価値」から

異なる価値があるから評価された日本の美術、工芸、アニメ

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、前回の映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のヒットの考察に続き、日本の文化が欧米でうける理由について歴史から考察している。

◯西欧で19世紀に注目された日本文化が起源

 三浦教授によれば、19世紀末に日本文化が当時のロンドンやパリの万国博覧会で浮世絵や工芸品がジャポニズムと呼ばれ高く評価されたのだという。浮世絵が印象派に影響を与えたように、日本は異なる美意識を持っていた。高階秀爾氏(美術史家)によれば、当時の西洋絵画は、ルネサンス以来の

  • 遠近法
  • 肉付け法
  • 明暗法

に基づく。しかし、日本絵画は、

  • 構図
  • 輪郭線
  • 色彩
  • 単純化

など、独自の特徴を持っていた。2次元のキャンパスに3次元の現実世界を写し取る西洋絵画に対し、日本絵画は現実の模写を超えて、新たな世界を創造していた。

陶磁器や調度品など工芸に対する美意識も違っていた。これらは、アーツ・アンド・クラフツやアール・ヌーヴォーにも影響を与えた。そして現代はクールジャパン。フランスのアニメオタクの第一人者が日本のアニメがヒットした理由は、作品と読者の共感の強さにあるという。もともと強い「スーパーマン」に対して、「ドラゴンボール」の孫悟空のかめはめ波は、彼の怒りや根性の表出で、等身大の人間がそこにいて読者を魅了するのだという。

浮世絵にしてもアニメにしても、欧米とは異なる価値であるからこそその独自性に誇りを持つべきで、海外からの価値も貪欲に取り入れて自己の価値をあげることだという。🖼✏️🗒📽🎥💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇫🇷🇬🇧🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アップルが問う自動車の未来」から

2021.2.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:アップルが問う自動車の未来」から

未来のクルマの富は擦り合わせの妙からソフトウェア分野へ

コラムの著者は、自動車産業は「擦り合わせの妙」で成り立っていると言われてきたが、その産業構造を変えようろしているのが米アップルだという。

○トヨタの豊田章男社長がいう「100年に一度の大変革」が間近に

 コラムの著者によると、自動車メーカーを頂点に、約3万点にも及ぶ部品を1次、2次とピラミッド状に連なるサプライヤー網から調達し、注文に応じてジャストインタイムで自動車を組み立てるという。さらに、クルマを提案し設計を行い、サプライチェーンをコントロールし、売るためのマーケティングも行うといった気の遠くなる作業である。ヘンリー・フォードが自動車産業を構築した100年余り前から連綿と引き継がれてきた産業構造である。

しかし、その産業構造を一変してしまうのが米アップルだという。クルマでもスマートフォンのように製造は専門メーカーに依頼して、極端に言えば、アップルにとってクルマは走行データを生み出す装置に過ぎないとの認識である。未来のクルマの富は「擦り合わせの妙」ではなく、データによるソフトウェア分析や応用にあるとする。

豊田章男社長が示唆した「100年に一度の大変革」はアップルの動きで現実味を帯び、自動車メーカーは下請けの地位に甘んじるか、自ら大変身するかにかかってきている。🍎🚗🚆💻🏠💡⚡️🔍📶🦠😷📷👜⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:株式市場、分岐点の可能性」から

2021.2.10  日経産業新聞の記事「SmartTimes:株式市場、分岐点の可能性」から

個人投資家がヘッジファンドに対抗する前代未聞の事件

 コラムの著者 高宮 慎一氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)は米国でゲームの小売チェーンを展開しているGame Stopの株式を巡り、株式市場を揺るがす事件が起こった背景について語っている

○市場原理の枠組みの中で行動変容が起こった

 高宮氏によれば、同社の経営は必ずしもうまくいっていなかったが、それを多くのヘッジファンドが空売り(株価が下がることを見込んで、保有していない株式を借りてきて売ること)を行っている中で起こったという。

Reddit(レディット、米国の掲示板型ウェブサイト)上で個人投資家が買いに煽られ、大挙して買いに走り、結果同社の株価は1週間で8倍も高騰した。その結果、ヘッジファンドは、大きな損失を被り買い戻しを行ったという。さらに、多くの個人投資家が使っていたRobinhoodなどの株式取引アプリがGame Stop株の急騰を受けて、取引を停止すると株価は急落。その後再開するや否や急騰という株価の乱高下したことから取引プラットフォームの責任が問われる事となった。

この事件はネット掲示板で騒動されたという理由だけで買いに回った個人が集まり大きな波となり、数千億、1兆円規模の巨額な資金を運用するヘッジファンドを押し返したという点で前代未聞である。今回の騒動の底流には、ヘッジファンドが長らく好調な株式市場で巨額な利益を得ていた事や個人投資家から見ればヘッジファンドがメディアと結託し自分たちに有利なように株価に影響を与えるように見えた事、さらに個人投資家はコロナ禍で失業などの苦境に陥っていた事が挙げられるという。不満のマグマがふつふつとたまり、一気に噴出したようだという。

この事件は、高宮氏によればポジティブにみれば、株式市場の民主化が起こったという。つまり、今まで規模の暴力で気ままに株式市場を牛耳っていたヘッジファンドに対して個人投資家がネットでエンパワーメントされて対抗した事である。一方、ネガティブな側面は、SNSによって拡声された声に民衆が扇動され、合理的に社会にとって価値が最大化される方向にならなかった事だという。💹🕛🛒📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸