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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:月周回ステーション、何のための参加か」から

2019.3.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:月周回ステーション、何のための参加か」から

戦略がなければ米国の下請けにとどまる

 コラムの著者は、米国が計画している月周回ステーション「深宇宙ゲートウェイ」計画に日本も参加することに対して国家的な戦略があるのか疑問を持っている。

◯国際宇宙ステーション(ISS)での成果は流れで得たもの?

 今回の「深宇宙ゲートウェイ」計画には欧州とともに居住棟を担当する他にステーションへの無人補給機の開発などでも協力するのだという。

月を周回する軌道上に同ステーションは建設され、その目的は、

  • 月面に人間を送り込んで開発する
  • 火星などより遠くの惑星などを探査する

ことにあるという。規模は、ISSの約6分の1に留まるが、費用はISSより約1千倍遠い月に建設するだけに巨額になる。

ISSでは実験棟「きぼう」を日本は担当して構造物の建設や長期宇宙滞在の経験を積み、補給機「こうのとり」は物質輸送やランデブーなどの技術習得につながった。しかし、これらは当初から狙っていた成果ではなく、流れの中で達成されてきている。

月周回ステーションの場合、どのような技術を習得し、将来の宇宙開発に役立てるのか。ISSの延長として参加するだけでは、米国の下請けの終始しかねない。宇宙開発はもはや国家だけでなく民間も参入する時代であることから、今後の成果を官民で活かすためにも日本が何のために宇宙開発を進めるのかという戦略をしっかりと立てる必要があろう。📈💡🔎⚡️happy01🌏🌒🌖🚀


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:フィルター、分析・解析には欠かせない」から

2019.3.26  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:フィルター、分析・解析には欠かせない」から

対象から必要なものだけを切り出す道具がフィルター

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、分析や解析で使われるフィルターという概念について解説している。

◯元々は固体粉末を液体中から取り出すときに使われる「ろ紙」

 自然界の一切の現象を理解するのは、対象となる現象から、それを演出する要素を丁寧に切り出し、考える対象を明確にしなければならない。これらの一連の作業が分析や解析で、そのために使われる道具がフィルターである。

もともとは、液体中の固体粉末をこし取る「ろ紙」がフィルターの元祖であったが、いまや多くの振動現象で特定の周波数の信号だけを取り出す装置を指すことが多い。光学、電気工学、音響学で使われている。

応用として広く使われているのが、電気通信での情報伝達で周波数フィルターがある。まずはテレビやラジオなどで選局する機能で使われる。空中を飛んでいる電磁波から希望する周波数の電波を選ぶ際に必要な周波数のみを取り出す帯域フィルターが有用である。 📻📺💻📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ターゲティング広告の限界」から

2019.3.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ターゲティング広告の限界」から

デジタル広告の曲がり角

 コラムの著者は、大手デジタルプラットフォーマーであるFacebookがデータをもとに狙った人に絞って広告を出す、「ターゲティング広告」の運用を見直すと発表したことに対する背景について解説している。

◯倫理性からも批判を受けるFacebook

 Facebookの発表は、これまでのターゲティング広告の限界を示しているという。具体的には、住宅売買や求人、信用貸しの広告について性別や人種、郵便番号などで配信を絞る仕組みを廃止するという。一部広告主が低所得者層を除外して広告を出して配信することが、「差別の助長」と批判されていた。

もともと、ターゲティング広告の強みは、売りたい商品やサービスを興味を持ちそうな人をデータで絞り込み、できるだけ低い広告コストで購入につなげることであった。さらに、CTR(クリック率)やCPA(顧客獲得単価)といった数値で可視化できる点もある。その効率性から新聞や雑誌など伝統的メディアからデジタル広告への乗り換えが加速した。

今回のFacebookの運用の見直しは明らかに効率性の低下を招く。住宅や信用貸しの分野ではコスト的に厳しいという。

また、EU(欧州連合)が導入した、GDPR(一般データ保護規則)では、クッキー情報などの閲覧情報も個人情報と定義され、世界的に個人データの保護がトレンドになってきている。倫理性の面で批判を受けた上に運用の見直しを迫られたFacebookのターゲティング広告はもう限界なのか。📺🏢📈💡🔎⚡️happy01🌏📶


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:出演者に台本を見せない番組」から

2019.3.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:出演者に台本を見せない番組」から

鉄則にない目的直結でない商品・サービス開発

コラムの著者は、NHKの人気番組「ブラタモリ」のプロデューサーの話の中に理屈ではないマーケティングの秘密があることを語っている。

◯時には試行錯誤を楽しむのも消費者

 同番組のNHKエデューケーションの尾崎憲一氏の講演の話をコラムの著者は引用している;

「台本はみっちりつくるが、タモリさんにはみせない」

ことで、タモリさんが散策しながら様々な街の歴史や文化を再発見するところが面白いという。視聴者からも観光振興に役立つのではないかと反響があるそうだ。

企業は新しい製品やサービスを開発するときは誰にどのように使ってもらうかといった想定顧客と利用シーンを想定する。これを明確にすることがマーケティングの鉄則である。最短時間で欲しいものを手にいれることが多いので、インターネットサービスには検索機能がよく使われる。

しかし、目的直結ばかりでは味気がない。ましてや購買履歴などでリコメンドされることも、あまり気乗りしない。時には試行錯誤で探し求める楽しみも重要かもしれない。📺🏢📈💡🔎⚡️happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:モノの存在と形、ミクロ・マクロで違う答え」から

2019.3.22  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:モノの存在と形、ミクロ・マクロで違う答え」から

どんどん小さくなると境目がわからなくなる

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、量子力学でおなじみのミクロとマクロの視点について語っている。

◯時間とともに揺らぐ粒子

 日本は海に囲まれ多くの海岸線をもつ。地図をどんどん拡大すると、海岸線はさらに細かい曲線となる。地図ではこれを海と陸との境目としている。厳密には潮の干満があるので海岸線の位置や長さを正確に決めるには日時を定めた上で行う必要があるだろう。波打ち際の境界を拡大して測ることになるが、濡れた砂粒を取り巻く海水の一体どこに本当は境界があるのか決めようがない。すまり、あまりにも対象に接近すると、かえって海岸線の位置や長さは曖昧になり、定かではなくなる。

この海岸線の例と同様に、われわれの身の回りにあるモノはその境界線を実は厳密には境界があるのではなく、時間とともに揺らいでいる。さらにミクロの世界にはいると基本粒子そのものの存在ですら怪しくなっていく。

ミクロの世界を支配する量子力学は、「測定されていないものは存在していると考えてはならない」というテーゼがあるという。アインシュタインが「月は眺めている間だけ実在している、などということを信じられるか」とつぶやいて理解に苦しんだ、ミクロの世界の根源的な不確かさである。だが、われわれの目にはモノは確たる形を持って存在しているように見えるし、海岸線の存在も疑問の余地はないようだ。その理由は、われわれがこれらの対象をマクロなスケールでみるか、ミクロで見るかで答えが違ってくる。💻📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡