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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『やすらぎの郷』に学ぶ高齢者マーケ」から

2017.10.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『やすらぎの郷』に学ぶ高齢者マーケ」から

リアルなシニア層を浮き彫りして成功

コラムの著者は、先月末まで放映されたドラマ「やすらきの郷」は好評で高齢者向けのマーケティングのネタがあるという。

◯若者の描き方が「引き立て役」に徹している

 コラムの著者が、関心を引いたのは、マーケティングなどの教科書にある高齢者のイメージを壊した内容であったことで、これが意外に好評であった要因だとみている。

主要キャストは、70代から80代。しんみりした中島みゆきの主題歌と背景画像、主人公が家族と別れ老人ホームに入るシーンから始まる。シリアスな物語を予感させるが、展開はドタバタ劇で、厳しい現実や苦い後悔が挿入されるシナリオであるという。

これまでのシニアのイメージは、元気一辺倒か思慮深く静かに暮らす姿であった。しかし、現実は枯れきれないまま不安と同居し、現実を忘れようとたわいなく騒ぐ。リアルなシニアをドラマで浮き彫りした。

さらに、若者に対して共感せず、「引き立て役」に徹したこと。この辺り、死が近づく人間には「やすらぎ」などないということを看破したことが、ドラマの成功につながったようだ。🎥🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ニッチ商品、独特な顧客体験を提供」から 

2017.10.26 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ニッチ商品、独特な顧客体験を提供」から

教科書通りにはいかない商品の取り扱い

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、「超」がつくほど専門的な書籍、珍しい逸品、マニアなガジェットなどを発見する楽しみは、ビジネスをする側から見ると複雑なニーズ把握がひつようとなると語っている。

○ロイヤリティーの高いニッチ商品のECサイト

 マーケティングの教科書的に考えると、小売業の商品別売上をABC分析すると、

  • A商品;売上構成比が最も高い、商品アイテムは最も少ない
  • B商品;上記に次ぐ
  • C商品;最も売上構成比が低く、商品アイテムも最も多い

となる。マーケティングの教科書的に考えると、C商品を見直し、新商品と入れ替えていく手法を勧める。しかし、C商品は簡単に捨てるのではなく、ニッチな商品は、ロイヤリティーの高い「上質」顧客がついているものもあるという。

ニッチ商品の顧客を重要視するのは、以下のような理由からだ;

  • 中長期的に優良な顧客をつなぎ留める
  • 検索コストが低くなるECサイトでは、優位
  • さらに、口コミなどで新規顧客を取り込むことも可能

という。📺📖🏥💡⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:習氏熱弁に『ふーん』『へー』」から

2017.10.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:習氏熱弁に『ふーん』『へー』」から

習一勝には無関心

コラムの著者は、中国共産党大会で習近平国家主席が過去5年の施政の成果と中国の将来像を3時間半も熱弁を振るったことに触れ、上海の国民はどう感じているを語っている。

◯分かりにくい共産党文学の活動報告書

 コラムの著者が、熱弁を振るった習近平氏の活動報告書をよんでいたら、若い店員が、「何を読んでいるのか」と訊ねてきた。普段はその後、四方山話になるのが、共産党大会の時期。「習近平さんの演説だ」と応えると、「ふーん」「へー」でおしまい。すっと、店頭から消えたという。

日本でも若者の政治離れは言われているが、一党独裁の中国・上海であるが、確かに報告書の表現は、「共産党文学」と揶揄されるように難解だという。これでは、「ふーん」「へー」かもしれない。

今の中国では、施政者を選べることは国民にはできない。それでも習近平体制で豊かになり、報告書のように満足がえられたかもしれない。問題は、「ふーん」「へー」といった若者が、次の大会で「昔に比べ」満足感がなくなる可能性も大いにある。そのとき、共産党支配の合理性をどう納得させるのかは、自信満々に見える姿とは裏腹に、相当の危機感を抱いているかもしれない。🇨🇳💺🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:頭の使い方、知識と智恵、登るらせん」から

2017.10.24  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:頭の使い方、知識と智恵、登るらせん」から

頭脳の内外の情報を共同作業で処理

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続きサイエンスの「発見」に関わる知識と智恵の共同によるメカニズムについて語っている。

◯五感から得た知識を、智恵がまとめ、理解に至る

 和田教授によると、五感から得た知識は智恵がまとめて、頭脳の因果ネットワークに照らして理解を得るのだという。

課題や問題に出会った場合、まずは全体を把握する。同様な要素が含まれているかを探り、既知のものと合わせて知識として整理する。要素には、モノとコトがあり、モノがコトを起こして、コトがモノを操る。そこには、様々なモノ・コトが相互作用しており、エネルギーがその主役だという。さらに人間社会では「情報」がこれに加わり、その主役はわれわれ人間である。

要素を全部見極めたと思ったら、それらがどのように相互作用しているか、全体の構造・性質をどのように演出しているかについて、因果ネットワークを詳しく観察し、考察する。そこから、説明・解決のモデル 、仮説を構築するのが、サイエンスの基本である「要素還元主義」である。

説明・解決に向けて知識たちをまとめ上げていくのが、その人の智恵である。知識のほとんどが外部から得られた情報であるのに対し、独自の智恵は、自分の能力でしか生み出せない。これが成功すると、面白くなり、また知識を求めるようになる。さらに、智恵を出しやすくなる。こうして、知識・智恵の循環が始まる。🎓📓⚡️💻🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計:『スクリーン』選択時代、テレビは『ながらメディア』 」から

2017.10.24   日経産業新聞の記事「風向計:『スクリーン』選択時代、テレビは『ながらメディア』 」から

時間の使い方でメディアを変える若者たち

コラムの著者 奥 律哉氏(電通メディアイノベーションラボ統括責任者)は、電通での調査などを基にして、多メディア時代の視聴の仕方について触れている。

◯「空き時間」と「ながら時間」で異なる

 様々な動画サービスの登場で、視聴者の動画スクリーンの選択がどうなっているかを、奥氏は分析している。調査の結果から、「空き時間」と「ながら時間」の組み合わせが、視聴・利用するメディアの選択パターンに大きな影響を与えていることがわかったという。

 視聴・利用するメディアの選択肢;

  • 地上波テレビ
  • BSやCS・ケーブルテレビ
  • 録画したテレビ番組の視聴
  • DVDやブルーレイなどのパッケージビデオ
  • 有料の動画配信サービス
  • 無料の動画配信サービス

などを対象に電通で調査したという。興味深い事例は、20代男性のデータで、彼らの選択率は、他の用事をし「ながら有り」の方が、他の用事をし「ながら無し」よりも大きい。また、それぞれ、空き時間が15分、30分、1時間と長くなるにつれて、その選択率は増加し、さらに、空き時間が長くなればなるほど、「ながら有り」と「ながら無し」の差が大きくなる結果を得た。つまり、データから、20代男性の嗜好は、「ながら有り」の場合は地上波テレビを選択するが、またまった時間が「ながら無し」であれば、無料の動画配信サービスを好むことがわかった。このような嗜好の選択がどうしておこるのかは、さらに分析が必要だが、メディア側にとっては、リーチの良さを考える上でも重要な要素であろう。🎥📺📱⚡️💡happy01