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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:合成紙『ユポ』のペーパーリース、耐水・耐久、陰影も美しく」から

2015.6.26     日経産業新聞の記事「流行を読む:合成紙『ユポ』のペーパーリース、耐水・耐久、陰影も美しく」から

特性が評価されると新しい市場が生まれる

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)は、新しい紙材料『ユポ』を使った商品について触れている。

○耐水・耐久、さらに環境に優しい合成紙『ユポ』

この合成紙は結構注目を浴び、パッケージ、選挙ポスター、投票用紙など国内外で使われているという。さらに、その特性をしって商品としてクラフト製品を作っている事例を、栗坂氏は紹介している。

札幌を拠点とするプロダクトデザイナーの伊藤千織氏である。2011年から販売しているものにペーパーリース(紙製花輪)がある。ユポの特性を生かし、いきた植物では従来品は日持ちがしない。耐水性、耐久性に優れた点を生かし、軽くて使いやすい上に、光を通すので、美しい陰影ができる。クリスマスのディスプレーとして有名洋菓子店やパリのライフスタイルショップでも販売Sれている。

一見単純な作りのようだが、型抜きで作るには試行錯誤があったという。この苦労で、新市場にうって出ることができた。cakehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ピップエレキバンM、消費者の経験を意識」から

2015.6.25  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ピップエレキバンM、消費者の経験を意識」から

製品を通じて消費者の経験をデザインすることで商機

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、ピップの『ピップエレキバンM』で多段階の効果が新市場を作る事例を紹介している。

○アトラクションゲームのように次々と体験を提供

多段階の効果が新市場を開く可能性について西川教授は語っている。ピップエレキバンは1972年に生まれた磁気付き絆創膏の草分け。ロングセラーではあるが、大きな改革ができず、売上減少が続いていたという。そこで再生に向け自社商品の課題出しを行い整理したという。結果として

  • 新製品を追加しても既存製品と食い合いを起こしていた
  • 使うのをやめてしまう人が増えている

といったことがわかり、何故新規顧客が増えないのかをさらに調査した;

  • 未利用者はエレキバンは年配の商品で自分向けでない
  • かぶれるのではないか
  • 効果がわからない

とわかり、中止した人も

  • 効果が感じられない
  • 肌がかぶれる
  • 即効性がない

と同様な意見が主流であった。中止者の6割が外用鎮痛消炎剤に流出していることも分かった。また肩こり製品の購入ユーザーの6割は複数の製品を併用して、新しい効能への感度が高いこともわかった。

 顧客の幅を広げて広告の対象を40代女性にした。このターゲットに共感出来る利用シーンや効能表現に変えた。さらに即効性の感じられる製品の開発も進めた。また、外用鎮痛消炎剤でメントール系製品には年齢に関係なく根強い人気があり、メントール入りの絆創膏を開発することにした。2012年発売したピップエレキバンMは、使い始めにメントールの体感できる効果を出し、従来のエレキバン同様に磁気でじっくり血行改善をはかる二段構えにした。

テスト販売でもターゲットの40代女性が獲得でき、既存製品との競合を起こしていないことも調査で分かった。この2段階効果で、下降トレンドから脱出、2013年には製品全体のリニューアルも行い、11年ぶりに業績を回復した。

このように消費者に製品を通じて経験をデザインすることも新市場の開拓に役立つことを示した。downwardrightupwardrighthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:三度目の正直にして」から

2015. 6.24   日経産業新聞の記事「眼光紙背:三度目の正直にして」から

新作業の創造には長期戦略が必要

最先端技術のディープラーニング(深層学習)が20年前に一斉を風靡したニューラルネットワークの技術の一種で、第2次ブームであったという。コラムの著者は、人工知能(AI)を取り上げても今回の高速処理技術で三度目の正直で、新産業も革新が多くの技術の向上が起こらないと進まないことを示している。

○ロボット産業も三度目の正直

ロボットもAIと同様に、機械的な進歩、制御の向上やICTの導入で第3次のブームであるという。人工知能は、半世紀以上も前に生まれ、翌々年にニューラルネットワークの重要技術が発表された。第2次ブームは科学研究にとどまらず、日本企業も活発な応用研究に取り組んでいた。曖昧な情報処理も可能であるとされたが、当時は周辺技術が追いつかず、浅い学習をするだけであった。

米グーグルが膨大な情報を高速処理するディープラーニングを可能とし、この間、弛まぬ研究が続き、ICTの進歩で第3次ブームとなった。第2次で諦めていたら出て来ない結果である。

新産業は革新的な技術だけでなく、これを支える周辺技術の向上も含めて大きな進歩がある。そこには長い戦略が必要であることが否めない。upwardrighthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:情報を部品化し組み立て」から

2015.6.23  日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:機能ごとに短い動画」から

メーカーの製品のようにマニュアルも部品化

コラムの筆者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、製造業の部品のようにマニュアルも情報を部品化して再構築する標準的な手法DITAについて触れている。

○DITA1.3

リリース間近の1.3版では、ユーザーが困った時に使うトラブルシューティングについて仕様が強化され、ユーザーが困った時に迅速に問題解決をする書き方となってきている。

開発段階での技術資料と連携できることもDITAのドキュメント作成システムの強みである。また、海外拠点を多く持つような場合、連携してマニュアルが作成できる企業も出てきている。

部品化によって、個々のニーズに応じたカスタマイズマニュアルの作成も容易になるという。習熟度やニーズに応じた教育やトレーニング用の教材への応用も注目され、事例も出てきている。memohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発再稼働、ガラパゴス化」から

2015. 6.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発再稼働、ガラパゴス化」から

最先端の原発でなくてよいのか

コラムの著者は、5月下旬に千葉市で開催された原子力工学国際会議で注目され、中国浙江省の三門に建設されるAP-1000という次世代原子炉について語っている。

○次世代原子炉AP-1000

同原子炉が注目されている原子炉は、

  • 原子炉上部に緊急用の冷却水を入れたタンクを備える
  • 炉心溶融(メルトダウン)が起きても溶けた燃料が溜まる容器を持つ
  • 外部電源が失われても自動的に原子炉が安全に停止する(パッシブ安全設備
  • 原発が制御不能となっても3日間は作業員がいなくても安全性を保つ

を装備し、東芝傘下のウエスティングハウス(WH)は世界一安全な原発だと強調。しかし、日本では再稼働の準備が進んでいるのは旧世代のものばかり。厳しい規制基準で乗り切ろうとするが、新型も念頭に考えないと、ガラパゴス化するのではないか。impacthappy01