【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ノンアルコールビール、『女性好み』で需要創造」から
2015/05/31
2015.5.28 日経産業新聞の記事「高岡美佳;ノンアルコールビール、『女性好み』で需要創造」から
市場細分化の好事例
コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、サントリービール6月30日に販売する、ノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー コラーゲン」にマーケティングの視点から注目している。これまでビールの代替品、「がまん消費」の対象だったイメージを市場に女性ファンが多いことに注目し、市場細分化(マーケットセグメンテーション)の好事例として取り上げている。
○コラーゲン入りノンアルコールビールテイスト飲料の開発へ
アルコール度数0.00%、カロリーゼロ、糖質ゼロ、ブリン体ゼロといった特徴をもつオールフリーは2010年以降、多くのファンを獲得し、4年連続で過去最高の販売数量を達成しているヒット商材である。
これまでは、ビールの代替としてがまん消費の対象商品であったが、これらの3つのゼロの特徴が次第に前向きに支持され、飲み方やシーンの幅が出てきていると調査の分析を得た。さらに、支持層の52%が女性であることで男性を上回ったことから、女性の好む付加価値をつけようということが端緒となり、健康、味のバリエーション、美容成分などのアイデアから、美容成分に主眼を置きコラーゲン入りの開発となった。
コラーゲン自身は独特のクセがあり、飲みにくい。そこで商品化では技術を駆使して、クセを感じさせない工夫を凝らした。さらに、オールフリー本体の広報とは切り離し、別バージョンとして展開、これまでのビール代替からセグメンテーションを分けて絞り込んだ商品として投入したという。さて、お風呂上りのリラックスタイムの女性にどこまで訴求できるか、結果が楽しみである。