Previous month:
2015年5 月
Next month:
2015年7 月

2015年6 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:トースター、高くても心つかむ味」から

2015.6.22   日経産業新聞の記事「探査計:トースター、高くても心つかむ味」から

モノではなく、体験を届ける

コラムの著者 戸井田 園子氏(家電コーディネーター)は、扇風機に新風を巻き起こした家電VBのバルミューダ(東京都武蔵野市)のキッチン家電を取り上げ、その発想について語っている。

○バルミューダ・ザ・トースター

数千円から1万円程度の相場の中で、同社の製品は約2万5千円という強気の価格設定だという。それでも、すでに初回生産分は予約で完売する好調さだという。

同じキッチン家電で炊飯器はハイテク化するなかで、トーストを食べる人が多い割にトースターは大きく進化していない。そこを狙ったのがこのトースターである。

同製品はスチームテクノロジーと完璧な温度制御にあるという。庫内をスチームで充満させ、パンの表面を薄い水の膜で覆うと、表面が早く加熱され、中の水分やうまみを閉じこめられる。澱粉がα化する60℃前後、香りやうまみを引き出すメイラード反応が起こる160℃前後、焦げがつく炭化が始まる220℃前後の3つの温度を絶妙に調整し、究極の焼き上げを実現したという。

戸井田氏が指摘するように大手家電メーカーでも今までにない高性能製品が開発できるのに着目せずVBである同社が目をつけた。このように同社は定番になり進化が止まった家電を生き返らせるのが得意である。そこには、消費者が支払う対価の限界を決めつけない戦略がある。1日の始まりが美味しければきっと良い日になるといった思いを「モノではなく、体験を届ける」という信念で開発する経営ビジョンがある。breadhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ITにおける標準化の罠」から

2015. 6.18   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ITにおける標準化の罠」から

標準化が進む前に先を越す他国

コラムの著者は、ICT分野の急激な技術革新で標準化を行う作業が後追いになり、標準化を待つ日本企業に多いハードウェアには機会を逃すことが多いという。

○標準化の得失

標準化は、誰でも使えるように様々な要素を規定することで、多くの参入を増やし競争原理を働かせることである。これはプラス面である。一方マイナス面としては、標準を決めるための仲間集めや話し合いなど時間がかかることである。

標準化の罠は、時として標準化を待つ間に突出した企業が取り残されて機会を逃すことである。

罠が拡大しているのは;

  • クラウド
  • ロボット
  • IoT

などの急激に成長してきたICT分野である。これらの分野の機能改善は、ハードウェアではなく、ソフトウェアによって行われる。現在でも1日数十件、多いときは百件以上の改良があるといい、日進月歩どころか急速な改良が進んでいる。この中で標準化活動は遅れ気味であり、ものづくりの得意な日本企業は、標準化を待っていては機会を失う。さらにメーカーの遅れで、その製品やサービスを使う日本のユーザ企業にも波及することが問題だと指摘している。dangerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文科省の『通知』、大学は批判の前に自省を」から

2015.6.19     日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文科省の『通知』、大学は批判の前に自省を」から

知識の在庫リストの提出から自ら考えるための教育へ

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、大学改革の枝葉末節より根本にある我国の『自分の頭で考える教育』の論議をすべきだと評している。

○文科省の通知

少子高齢化とと教育水準の低下、人材の確保と大ナタを振ったような『通知』であったが実際のところは、枝葉末節に過ぎない。大学入試が知識の在庫リスト提出の形式をとっている限り、高校以前の教育では、「自ら考える」教育は不可能であるという。欧米の高レベルの高校では、普通の「討論を多く取り入れた授業」、つまり「自らの頭で考える授業」が、我国では全くといっていいほど進んでいないという。

大学の教員に対する調査では、94%が人並み以上に仕事をこなしていると思っている調査結果があるというが、この数字は自己反省が欠如していると、和田教授は厳しい。

教育が我国の根幹であるのは誰も異論のないところだが、本質をどう伝えるかはまだまだ議論が足らないところだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:『氷点下』スーパードライ、買い物ついでに実感」から 

2015.618   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:『氷点下』スーパードライ、買い物ついでに実感」から

コンセプトショップを路面店から百貨店へ

コ ラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、アサヒビーが『氷点下のスーパードライ』を実感してもらうための店舗『アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR』を今年は展開を変えている背景について語っている。

○百貨店での情報感度の高い世代と外国人観光客も集まる点に注目

路面店から百貨店にコンセプトショップ『アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR』を路線変更した理由は、幅広い消費者に認知度は獲得したとの判断と新規の顧客開拓である。近年、ビールの消費量が減少している女性や若年層への訴求も意識した転換だという。

5月20日から6月9日まで開いた同店銀座三越では計画を大きく上回る来店を記録し、来店客の半数以上が女性客であった。理由は女性が苦手とする苦味を温度を下げることで抑え、泡も細かくし、買い物ついでに立ち寄ってもらうというシナリオが成功した。

すでに首都圏や関西にも同様の展開を行い、氷点下体験をしてもらうことで多くの顧客にスーパードライの訴求をしたいようだ。コンセプトショップもその目的と仮説検証がマーケティングに重要である証左である。beerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:存在感増す『生活者投資家』」から

2015. 6.17   日経産業新聞の記事「眼光紙背:存在感増す『生活者投資家』」から

投資は相場や株価ではなく企業経営を追うべき

コラムの著者は、公的年金が高齢化で2009年からキャッシュアウト段階に入ってきていることや自分年金作りの流れの高まりで、長期的に生活者投資家あういは消費者株主が企業応援の主体になるのではないかと語っている。

○長期的投資家の視点

企業経営からこんな投資家に応援してもらいたいという意思表示が米国にはある。Microsoftが、成長投資に集中すべく無配を貫き、配当を期待する投資家には自社への投資は遠慮してもらいたいと言い切った。

長期的に応援したい企業の視点は、生活者投資家も同じで、「この企業にはずっとずっと頑張ってもらいたい」といった長期的な応援である。

機関投資家の中心をなす公的年金が2009年からキャッシュアウト段階に入っており、さらに自分年金作りのブームもあって、生活者投資家の存在が高まっているという。

投資の原則はや安く買って高くなるのを待つのみ。相場や株価を追いかけるのではなく、企業経営を追いかけるべきだという。パナソニックの種類株もその一環か?buildinghappy01