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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:研究者評価指数の功罪」から

2014. 11.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:研究者評価指数の功罪」から

一筋縄では評価出来ない研究の良否

コラムの著者は、米国の研究機関で重宝にされてる『h指数』について日本での浸透について触れている。

○論文の引用と発表数で示すh指数

米国の大学ではh指数を教員の採用に、学術サービス大手ではランキングで使われているという。

ちなみにアインシュタイン博士のh指数は103で、103回の引用された論文を103本発表されていると言われている。一般的にこの指数が高ければ良い研究をしているとされる。

翻って、日本の学界は、あからさまな順位付けを嫌い、「人物が第一。補助的に使う」が基本姿勢だという。確かにh指数が万能であることはないが、専門家以外にその格を明示することが社会的な要請になっているようだ。新興国の急激な学術、技術の追い上げで国内の大学も無視は出来ない状況だ。buildinghappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:新興国での小売り戦略」から

2014.11.27   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:新興国での小売り戦略」から

テストマーケティングになるインドネシア

コ ラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、BRIICsと呼ばれる中国、インドに次ぐ新興国諸国でインドネシアについてその可能性について語っている。

○所得格差を念頭に置いた卸/小売り戦略

食品や雑貨などメーカーや小売りの現地法人の聞き取り調査で問題となったのは、インドネシアの流通チャネル戦略の重要性であったという。つまり、見知らぬ海外でどの卸と付き合い、その小売りで販売するかは重要かつ難しいところだと三浦教授は示唆している。

インドネシアは他の東南アジアと同様に

  • MT(Modern Trade, 近代的流通);ハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニ
  • TT(Traditional Trade, 伝統的流通);バザール、公設市場、屋台式商店「ワルン」

がある。

これまでは、TTが中心であったが、経済発展とともにMTの構成比がジャカルタなど都市部で増加している。ポイントは、所得差による利用者層の相違である。上中位層はMT、下位層はTTをよく使う。一見、MTは付き合いが容易に見えるが、棚代(Listing Fee)が取られる。陳列を良くする代わりに所場代を払えという訳で、米国のSloting Allowanceに近いという。

この棚代はコストがかかるので人海戦術でTTを開拓することもあるという。今後の経済発展で、MTが増えるのは見えているが、TTもボリュームゾーンであることから、どう攻めるかでインドネシアは格好のテストマーケティングの対象となるという。bananaapplebreadhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:進化論で語りきれぬ企業」から

2014. 11.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:進化論で語りきれぬ企業」から

目的持つ企業に無理な進化論

コラムの著者は、生物学界の外側での進化論に対する誤解の数々で企業経営論に適用されていることで問題があると指摘している。

○ダーウィン自身の考え方とは異なる「発展的進化論」が社会に広まった結果

コラムの著者によれば、企業経営論などで生物学的な用語が使われるのは、ダーウィンの進化論の根幹にある「生物は特定の目的のために存在するのではなく、生き残るがどうかは環境との関係にある」とすることに反しているという。

企業は生物とはちがい、目的を持った存在。だからこそ、進化論とは相容れないというのがコラムの著者の意見である。市場での勝機についてはランダムで優勝劣敗があるが、企業自体はそれ自体に気をもむ必要はないという。

「恐竜のような企業」「ガラパゴス・ケータイ」といった『生物学風経営用語』はのこるが。upwardrighthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:徳川御三家とノーベル賞」から

2014. 11.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:徳川御三家とノーベル賞」から

異質な人材がノーベル賞を生む環境に

コラムの著者は、徳川御三家の一角であった尾張名古屋にノーベル賞人材輩出の要因があるという。

○今世紀入って受賞した日本国籍の研究者11人中6人が名古屋大学在籍

「なぜ全国的に知名度で東大や京大はもちろん、大阪大学や東北大学にも劣る名古屋大学にノーベル賞が集中するのか?」

これがコラムの著者が名古屋大学の浜口道成総長に切り込んだ質問である。

答えは意外なもので、

「尾張名古屋が徳川御三家の一角だったから」

といくうものだったという。

つまり、徳川幕府を打倒して生まれた明治政府は、朝敵の名古屋に冷たく、国内有数の大都市であるにも関わらず長らく帝国大学を設置しなかったという。名古屋帝国大学の設置は、当時の京城や台北帝国大学よりも後だったという。これが逆に幸いしたという。

後発であるが故に、自前の人材で足りず他大学の優秀な人材を呼び込み、出身大学にこだわらないオープンな人材登用が研究を活性化し成果を生んだという。

異質な人材の登用で組織を活性化するのは企業だけでなく大学にも当てはまりそうだ。buildingbookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:「リメーク」湯たんぽに新しさ」から

2014.11.25   日経産業新聞の記事「デザインNOW:「リメーク」湯たんぽに新しさ」から

結果としてロングライフの製品をデザイン

コ ラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、最近の省エネで人気のある「リメーク」湯たんぽについて触れ、モダニズムに歴史について語っている。

○極めて優れたデザインの湯たんぽ「yutanpö」(セラミック・ジャパン製)

以前の金属製あるいは陶器製の湯たんぽ。だが、同社(愛知県瀬戸市)の製品はセラミック製で円盤形。しかも機能的にはお湯を入れる他に電子レンジで暖めることもできる。

機能的にガスや石油、電気を節約出来ることで思わぬところにアイデアがあった事例だと柏木氏は語る。さらに、柏木氏によると、新しいものを作る場合

  • これまでになかったものを考える
  • 誰もが忘れてしまった過去のものをリメーク(リデザイン)する

といった発想が必要だが、同製品は後者のリメーク。さらにデザインは白で実に簡素。ミニマル(最小限)のデザイン。この流れは、モダンデザインの流れという。

過去のものをリデザインするときの説得する場合、ミニマルな説得力を持つモダンデザイン、モダニズムは、新たに生まれ変わった印象が強くなる。モダニズムそのものは、1920年代のドイツの造形学校、バウハウスから発祥し、戦後のドイツ造形大学に引き継がれ、多くの製品に応用された歴史があるという。モダニズムは結果として多くの製品を産み、ロングランメーカーとなっている。happy01