Previous month:
2014年6 月
Next month:
2014年8 月

2014年7 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:英国のものづくり」から

2014.7.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:英国のものづくり」から

金融業界での成功がものづくりの弱体を招いた

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、東大、英ケンブリッジ大、英国大使館が共催したものづくりの強化という課題に対してワークショップを開き、日本も英国も1990年代以降ものづくりの国内生産が低下している現状に対する対策などを模索したことについて触れている。

○ケンブリッジ大の施策

同大学ものづくり研究所長 マイク・グレゴリー教授をリーダーとする大学や政府の専門家なるチームが今回のワークショップに参加した、山﨑教授はその内容を紹介している。

  • ものづくりを再定義し、製造だけでなく、研究開発から流通、サービスまで、ものづくりに係るすべての要素とプロセスを再構築し、新しい国際的なネットワークに進化させる将来像を描いたという。
  • 具体的な戦略や政策作りには、産学官一体で取り組む
  • リーダーたちがより包括的な視野を共有し、共通の認識の下で生産者と使用者のインタラクティブ関係を作り、イノベーションを起こす契機とする

さらに、日本で盛んな「オフショア」から海外のあるリソースを呼び戻す「オンショア」を政府が財政を支援するといった施策が出てきていたようだ。また、カタパルトというプログラムを英国は推進。研究成果を如何にビジネスに変えるかを迅速に行う、短期的な浮揚力支援である。

いくつものカタパルトが各産業界に設置し英国もものづくり復権にかけており、我が国も学ぶべきである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:和魂洋才・和魂漢才」から

2014.7.3   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:和魂洋才・和魂漢才」から

平安時代の「漢才」、明治以降の「洋才」

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、日本のモノづくりの原点がすでに平安時代からも脈々と引き継ぎ、底力について触れている。

○すでに外国から進んだ文化(漢才、洋才)を取り入れてきた

平安時代の源氏物語でも、光源氏が息子の夕霧の教育について

  • 「才を本として大和魂の世に用ひられるる方も、強う待らめ」

というくだりがあるそうだ。ここでいう才とは、平安時代の学問としての漢学で、「漢学を基にしてこそ、大和魂を世にしっかり生かせる」という。

昨今の政府のCOOL JAPANのスローガンが著名だが、すでに平安時代から受け継いでいるわけである。その事例として三浦教授は、以下を挙げている。

  • 「100円ショップ」:源流は米ウールワースが開いた「5 and 10 cents store」で1879年にさかのぼる。5セントまたは10セントという均一低価格で日用雑貨品を中心に大成功した。ただ、安かろう、悪かろうが通説であったところ、日本では、「質が高く、多様なものがあって素晴らしい」との外国人からの評価である。単に模倣ではなく、和魂(この場合は品質や作りこみ)を入れて革新していく。
  • 「ストーン・ウオッシュ・ジーンズ」:1950年代後半、本場米国からジーンズが日本上陸。1970年代、エドウィンが、着こなし感を演出したジーンズに目をつけ、鹿児島産の軽石と一緒に洗濯して、色落ちさせた「ストーン・ウオッシュ・ジーンズ」が完成。今や「ストーン・ウオッシュ・ジーンズ」の加工は世界のファッションの定番となった。

三浦教授によると、日本人は他者の長所を評価し、それを取り入れる力が優れているという。和魂漢才、和魂洋才の力はここにあろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:W杯、日本企業の戦いは」から

2014. 7.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:W杯、日本企業の戦いは」から

試合の内容同様に企業も元気がない?

コラムの著者は、決勝トーナメントに進んだW杯の試合の内容よりも広告など企業の効果や貢献について触れている。

○試合の競技用品のスポンサー

試合の内容は、小国コスタリカの進出など大きな変化があり、勢力図の変化がみられる。一方で、公式スポンサーに関しては、1982年以降ソニーを除き日本企業が8社が参加したが、その後元気がなく、固定化しているという。

今回の大会で最大の年間50億円を支出されたとされるパートナー企業は、アディダス、コカ・コーラ、エミレーツ航空、現代自動車(起亜自動車)、ソニー、ビザの6社。選手の靴やユニフォームも、ナイキ、アディダス、プーマで占められ、日本選手の本田圭佑、岡崎慎司など数人がミズノを履いていただけで、元気がない。
海外の大手企業の存在を手本して、日本本来の力を競技同様ビジネスでも挑戦したいものである。soccerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間関係のIT化、深い心の交流あるか」から

2014.7.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間関係のIT化、深い心の交流あるか」から

ICTを用いた疑似環境に深い心の通い合いはあるのか

コラムの著者 新田 義孝氏(四日市大学)は、SF映画にも出てきそうなアバター(仮想代理人)をネットワーク上で使うことで、やがて利用者の特性を会話の中に取り込みブラシュアップして、人間関係を続けられ、新たな心の病を発症するのではないかと危惧している。

○SNSと実際の対話の比較

確かに、FacebookやLINEのようなにたった数行の文字だけで人間関係を続けていると、人と人とのコミュニケーションが取れなくなるとの批判がある。それでは、日常生活で、友人たちと談笑している場面で、深い情報交換をしているだろうか。

語り合う時間も長いし、相手の言ったことに対して反論したり、同感の表情を示したり、文字情報以上に複雑であろう。だが、そこに伝えあっている情報の量や深さといった点では、批判するほどの違いが本当にあるのか疑問だという。

アバターで単純な会話から徐々にメッセージのやり取りで人間の特性をおぼえこませることは、今のICT技術でも可能だという。また、音声認識や音声合成などの技術も進み、あたかもネットの向こうに別人格があるとのことも可能だろう。さらに、時間制で、「家族ごっこ」や「恋人ごっこ」を提供するビジネスもあるという。これがICTと組み合わせれば、疑似家庭や疑似恋人もサービスとして成り立つだろう。

もしこのような疑似環境が当たり前となったら、深い心の通い合いをどこかに確保しておかないと、知らない間に「新しい心の病」を生むかもしれないと、新田氏は指摘する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:10年遅れ『ガラパゴス』脱却」から

2014. 7.1  日経産業新聞の記事「眼光紙背:10年遅れ『ガラパゴス』脱却」から

総務省と大手通信事業との政策論争の末路

大手通信事業者が顧客の囲い込みに利用していた、携帯端末の機能制限(SIMロック)が解除されそうだ。コラムの著者は、実は200年代初めにすでにNTTドコモやKDDIが日本が世界に先駆けて端末のカードさえ差し替えればその通信事業者でも使える構想があったと語っている。

○第三世代での夢

世界に先駆けて、通信と端末解放を2000年代に行っていえば、「ガラパゴス」などと揶揄されることなく、日本の携帯端末やサービスが世界を席巻していたかもしれない。実際は、SIMロックされた状態での通信端末は、他社では使えず、広く世界に売り込める端末もサービスも育たなかった。総務省と大手通信事業者との携帯端末網や端末解放は、政策論争となり、通信網開放のみが実現され、端末解放は進まなかった。背景に、顧客を囲みこみたい事業者と端末をすべて通信業者に買い上げてもらう端末メーカーが抵抗し、とん挫したのである。ようやく、スマホ時代になって国内メーカーの存在感が消えてからのSIMロック解除。やはり、10年間の遅れは取り戻せないのだろうか。mobilephonehappy01