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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『革新』はいつも危なっかしい」から

2014. 6.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『革新』はいつも危なっかしい」から

自分の情報はサービスの対価へ

コラムの著者は、6月10日に閉会した世界ICTサミットの題材から、ビッグデータの扱いについて触れている。

○総じて「政府や企業が持つデータを公開して便利な世の中を作るべき」という意見

同サミットでの多数の意見である。さらに、オープンデータは誰にも利用でき再配信が可能で安価であることといった意見を海外の専門家は語ったという。総務省の幹部はこの意見について、「我が国はこの分野で遅れているといわざるを得ない」という。

遅れの原因は多くあるが、その中に利用者の情報を使うことに対する「気持ち悪さ」があるという。日立がJRのSuicaの情報で人口動態サービスを提供しようとしたところ、多くの批判を浴びた。グーグルの「ストリート・ビュー」が登場したとき、「顔や表札が映っている」と批判が巻き起こり、グーグルも慌ててぼかしを入れた経緯がある。ただ、サービスは中止どころかますます支持を得て増幅している。

そろそろ自分の情報はサービスの対価となると認識すべきではないかと、コラムの著者は語る。さらに革新的なサービスは、いつも少し危なっかしい面を持っているのも事実だ。carhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:全社マーケティング、部門間で補い迅速に」から

2014.6.26   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:全社マーケティング、部門間で補い迅速に」から

事前予測で準備できた社員にインセンティブ

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、日清食品のマーケティング戦略を例にあげ、競争の激しい市場で勝ち抜くために「全社マーケティング」を行った効果について述べている。

○すべての関連部門でマーケティングを行うことで新市場を切り拓く

日清食品が、商品化決定から3か月で発売する「ハイスピード・ブランディング・システム」を2013年4月から始めた。従来は、商品化決定後、製品開発、原価計算、製造ラインの確保、機械発注のシリアルでのプロセスであった。そこで目途がつくと市場予測や資材調達、広告を取りまとめ、発売を正式決定する。この間、3から10か月かかり、新設備などを導入する場合1から2年もかかってしまう。いわゆる、ステージ・ゲート・プロセスである。多段階の判断で上昇するコストを抑制する方式だ。だが、時間がかかりすぎ市場の変化に追い付かない欠点があった。

そこで、「ハイスピード・ブランディング・システム」では、各関係部門にもマーケティング力を求めた。ブランドマネージャーが正式決定後に指示を行うようでは時間が間に合わない。すべての関係部門がマーケティングを行い、部門間の調整も進め次の一歩を先んじて行う方法である。さらに評価も連帯責任に変更。年俸の上下も反映、事前予測を行って準備を完了させた者や購入資材の転用、転売先まで確保できた者は5%の年俸アップのインセンティブを与えた。

これによってスタッフの意識が変わり、前向きに動くようになったという。まだまだ実験途上と同社HDの社長は語るが、挑戦は無駄ではない。noodlehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本の製造技術、ビジネスで価値創出を」から

2014.6.24  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本の製造技術、ビジネスで価値創出を」から

本当にモノづくり、製造技術は強いのか?

コラムの著者 近藤正幸氏(横浜国立大学教授)が取り上げるのは、ランキングや特許出願数で海外メーカーを調査し、技術そのもの以上に知財で固める価値で外国勢が稼いでいる事実を説明している。

○台湾勢のすごさ

EMSの専門誌「マニュファクチュアリング・マーケット・インサイダー」誌によると、2013年のランキングトップ10に日本企業は0。台湾企業は3社。

特許力をIEEEの月刊誌スペクトラムでみると、2013年のランキングは、1位が台湾の鴻海精密工業、2位米アップル、3位ソニー、4位キヤノン、5位は蘭フィリップス。

こう見ると労働コストや規模の経済で台湾が優位に立っているわけではないことがわかる。さらに米国特許の取得数も、鴻海精密工業は日本トップのファナックの6倍以上と追従を許さない。

日本は大企業から中小企業まで製造技術には確かに優れてはいるものの、知財などで固める技術が極めて少なく、価値創出で見劣りがしているのが現状のようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:広告の感動広がるSNS」から

2014.6.24  日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:広告の感動広がるSNS」から

ファンを巻き込む仕組みでPR

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)が語るのは、国際的に有名な広告・コミュニケーション分野の祭典『カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル』での優れた作品の傾向だ。

○南米勢は優秀

様々な国からの参加があり、会場をにぎわしていたが、広田氏が注目したのは、ブラジルやアルゼンチンといった南米の広告・コミュニケーションが、非常に斬新でユニークなものが多かったという。世界の中でもここに今勢いがあるのは疑いがないという。その背景に急激な経済成長と山積ずる社会問題が広告表現を鍛えているという。

日本も優秀で、多くのグランプリや賞を受けたことである。中でも、もっとも斬新な広告作品を評価する『チタニウム部門』でグランプリを受賞した、F1レーサーの故アイルトン・セナ氏の走りを1989年のレース時の走行データを基に、音と光でサーキットを再現したプロジェクトのドキュメンタリーであった。

動画公開と同時に世界中の支持を集め、ソーシャルメディアで広く話題を拡散していった点が評価されたという。広告自体の品質評価とともに、いかにファンを巻き込み、話題を広げていくかが、広告・コミュニケーションの使命になってきている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:世界遺産登録の意義」から

2014. 6.24  日経産業新聞の記事「眼光紙背:世界遺産登録の意義」から

産業史としての意義の多いスポット

コラムの著者は、先週末ユネスコの世界文化遺産に登録が決まった「富岡製糸場」(群馬県富岡市)の歴史を産業史として解説している。

○官営工場後の産業史

 1872年官営工場として創設。1893年に三井家に払い下げられ民需化した。その後、1902年に生糸貿易商の原合名会社(横浜)の手に渡る。創業者の原善三郎氏は横浜の生糸商人の雄として、当時輸出産業の一角を担った。この外貨獲得で、日露戦争などの戦費調達に大きな役目を果たした。

 善三郎の孫娘の婿である、後継者、原富太郎氏は横浜・本牧の自宅を自ら号した「三渓園」と名付け、市民に公開した。その後、昭和に入り戦時色が強くなると、米国との関係悪化のため輸出量は激減。富岡製糸場は、片倉製糸紡績(片倉工業の前身)に経営が移る。機械化による事業拡張を伴って東京に進出。富岡製糸場を手に入れたころは、最大の売り上げで、朝鮮半島、台湾などを含み国内外60か所以上の工場を展開した。片倉財閥とよばれたころである。

 このように、家内制手工業、軽工業の隆盛、機械化による工場制軽工業からやがて、戦後の重工業化に移行する歴史遺産でもある。happy01