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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:学習意欲引き出すには、適切な刺激と工夫必要」から

2013.3.29   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:学習意欲引き出すには、適切な刺激と工夫必要」から

プロジェクト・ベースド・ラーニング

コラムの著者 佐々木聰氏(東京工科大学教授)は、大学全入の時代に大学が生き残るには地味な学問や研究に対して魅力を伝え、若者に興味を持たせることだという。

○世界観を拡げる

適切な刺激を与え、世界観を拡げることが、教育にとって基本的で重要なことである。ところが学問や研究は地味な活動であり、こうした活動に若者が興味をもつように仕掛けることが今は重要だという。この仕掛け作りが大学側の腕の見せ所であると佐々木教授は語る。

現代の若者は一昔前に比べ膨大な情報を簡単に入手できる環境に育っている。さらに自ら情報を発信することもできる。こういった傾向には得失があるという。つまりネットでの情報に偏重し、より多くの人の興味を引く事項ばかりが重要の思われ、流行りの研究・学問しか知らない若者が増えると危惧する。大学はこぞってその時々に流行する研究・学問しか追い求めなくなる。

確かに、集中力や学習意欲がやや欠けた学生には、流行りの話は一時的には有効であるのは事実である。しかし、学生には継続的にその意欲を引き出す刺激や工夫が必要となってくる。

○Project Based Learning (PBL)

座学ではなく、学生主体のプロジェクトが核となって学習する活動、PBLの試みが進んでいると、佐々木教授は語る。新入生に対して、友達作りのキッカケを与える科目もあるという。

学習意欲に常に刺激を与えること。教育現場の今の大きな課題である。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学にいざなう、子供に知的興奮得る場を」から

2013.4.9   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学にいざなう、子供に知的興奮得る場を」から

科学技術立国・日本の復活に役立つ、場の整備

オリンピックの日本人選手の躍進がスポーツ振興となり、さらに大舞台で活躍したいという少年少女が現れ、そして国際的な舞台で活躍するという好循環を生んでいる。コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、この好循環をノーベル賞をオリンピックと同様に、少年少女の憧れの科学技術の国際舞台として考えれば、練習場とである知的興奮を与える場が少ないことを指摘している。

○IT技術に頼るのは危険

新田氏や私も小学生のころは稲刈りの終わった田んぼで手作りの模型飛行機を飛ばして競い、体で浮力や空気抵抗などを力学に知らず知らずにふれた。中には半導体を使ってラジオ、その前の世代では真空管でアンプを作り、組み立てて遊んでいたものである。こう言った感覚がモノづくり日本の基盤に貢献してきたと和田氏は指摘する。

様々な電気製品に囲まれて生活し、携帯電話やスマートフォンを使って情報を受け取り、メールやツィートすることが今の流行である。しかし、和田氏が指摘するように、これらは受け身の形が多く、組み込まれたソフトウェアの範囲内で楽しむとしたら、そこには発明・発見はほとんどないのではないかという。自分の頭で考え、試行錯誤し、作ったものが動いたり、飛んだりするといった体験が重要である。このような知的興奮を与える場や仕組み作りが今我が国には少ないのではないかとの指摘である。happy01airplane


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:フィリピンの強みと弱み」から

2013.4.9    日経産業新聞の記事「眼光紙背:フィリピンの強みと弱み」から

VIPの意味は?

コラムの著者が語るのは、新興国の頭文字、ベトナム、インドネシア、フィリピンをとった市場を指してVIPと使われているが、最近その中でフィリピンだけが様子が異なるということだ。

○フィリピン成長の鍵は英語力

VIPの新興国で、ベトナムは昨年の成長率が5.0%と過去最低、インドネシアも6%と予想を下回ったという。その中で、フィリピンは、Very Important Philippineと称されるほど、6.6%の予想以上の成長率を維持している。

フィリピンの首都マニラは、日本や韓国の工業団地の進出ラッシュ、コールセンター、データ入力、ソフト開発などBPO (Bisiness Process Outsourcing)企業が集積し、さらに、海外の出稼ぎによる送金で欧州危機も乗り越えているという。
好調の理由は、英語力にある。インドよりもネイティブに近いことから、コールセンターなどインドからの移転が多いという。

○英語力の低下が懸念材料

しかし、米軍のスービック湾撤退後、ナショナリズムによって、どちらかと言えば英語よりもタガログ語を公用とする動きに拍車がかかり、学校教育や家庭内でも英語力は低下しているという。英語離れが若年層に広がっているという。
どこの国も、教育は大きな産業インフラである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:30、40代向け雑誌好調」から

2013.4.5  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:30、40代向け雑誌好調」から

コンテンツのジャンルで特徴がでるメディア

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)は、雑誌の減少傾向が単なる紙からネットといった図式でないことを説明している。

○広告にみるメディアの特性

電通の発表による『2012年日本の広告費』を山本氏は取り上げ、メディアと広告費についての傾向を語っている。

  • マス広告:落ち込みが続いていたマス広告に下げ止まり感がでてきた
  • 雑誌広告:マス広告よりも落ち込み幅が大きい。多くの雑誌が休刊するなかで、創刊は決して多くない。前年比0.4%増でほとんど横ばい。

○女性誌と40歳代以上の男性誌は好調

上記のデータでは、雑誌広告費がのびているのが、女性誌と40歳以上の男性誌だという。山本氏は『バイラ』(集英社)、『ヴェリィ』(光文社)について30%以上の伸びで驚いたという。

一般的な分析では、「ネットに押されて」と雑誌広告の低迷を説明が多い。しかし、山本氏によるとじゃんるによってその特性が違うのではないかという。ビジネス関連の情報では、電子版の方が検索・保存に対して優位である。スマートフォンやタブレット端末に対応して場所によらない。つまり、多忙な中で隙間時間を有効に活用して必要な情報だけを選択するには最適と言える。

一方で、雑誌はランダムに読みやすく、ファッション誌のように、ゆとりのある時に暇つぶしとして接することに向いているという。検索による適合性よりも「偶然性」を重宝にする。こう言った出会いがファッション誌には大切であり、『メンズクラブ』(ハースト婦人画報社)は5月号からミニサイズを発行するという。

コンテンツ全体をみるのではなく、ジャンルによる特性が電子書籍化の傾向に依存するようだ。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ご当地キャラ『くまモン』」から

2013.4.4   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ご当地キャラ『くまモン』」から

自治体の知恵を絞った戦略

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が取り上げるのは、人気のある熊本県のPRキャラクター「くまモン」で、そのマーケット戦略について語っている。

○くまモン誕生

2011年3月開通の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴って、熊本県が恐れたのは通過地点となることであった。そこで同県は、2010年3月に熊本をPRしようと、くまモンが誕生し、ゆるキャラブームの火をつけた。

ターゲットは、新幹線の移動だけでほぼ3時間の関西・中国地方の顧客である。くまモンの投入も含めたKANSAI戦略が始まった。

○くまモンのマーケティング戦略happy01

通常のイベント実施ではなく、「意外性」の連続投入を基本としている。

  • 人が集まる観光名所に神出鬼没:SNSなどの口コミでくまモンの話題を拡げる
  • 名刺を配る:名刺にしゃれのきいた文句を入れて、キャラクターなのに名刺を配る
  • 意外なストーリーを持つ:突然神隠しのように消え、SNSなどで話題となった
  • 俊敏な動き:熊なのに行動派

こういったPR活動によってインターネット投票で「ゆるキャラグランプリ2011など」を獲得。さらに熊本県自らが企画し実施する点もユニークで、地元出身の歌手などを登用してイメージソングを作ったりしている。

さらに、県の内部の知恵だけではなく、外部の知恵も借りようと、熊本のPRにつながる商品であると県が認めればキャラクターの使用料は無料であるという。12年の関連商品の売り上げは293億円を超え、使用許諾は8200件に達したという。外部の知恵を使うことで、意外性を連続化して新市場を生むことを狙っている。ゆるキャラの戦略もしたたかである。taurus