【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ご当地キャラ『くまモン』」から
2013/04/11
2013.4.4 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ご当地キャラ『くまモン』」から
自治体の知恵を絞った戦略
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が取り上げるのは、人気のある熊本県のPRキャラクター「くまモン」で、そのマーケット戦略について語っている。
○くまモン誕生
2011年3月開通の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴って、熊本県が恐れたのは通過地点となることであった。そこで同県は、2010年3月に熊本をPRしようと、くまモンが誕生し、ゆるキャラブームの火をつけた。
ターゲットは、新幹線の移動だけでほぼ3時間の関西・中国地方の顧客である。くまモンの投入も含めたKANSAI戦略が始まった。
○くまモンのマーケティング戦略
通常のイベント実施ではなく、「意外性」の連続投入を基本としている。
- 人が集まる観光名所に神出鬼没:SNSなどの口コミでくまモンの話題を拡げる
- 名刺を配る:名刺にしゃれのきいた文句を入れて、キャラクターなのに名刺を配る
- 意外なストーリーを持つ:突然神隠しのように消え、SNSなどで話題となった
- 俊敏な動き:熊なのに行動派
こういったPR活動によってインターネット投票で「ゆるキャラグランプリ2011など」を獲得。さらに熊本県自らが企画し実施する点もユニークで、地元出身の歌手などを登用してイメージソングを作ったりしている。
さらに、県の内部の知恵だけではなく、外部の知恵も借りようと、熊本のPRにつながる商品であると県が認めればキャラクターの使用料は無料であるという。12年の関連商品の売り上げは293億円を超え、使用許諾は8200件に達したという。外部の知恵を使うことで、意外性を連続化して新市場を生むことを狙っている。ゆるキャラの戦略もしたたかである。
コメント