Previous month:
2013年2 月
Next month:
2013年4 月

2013年3 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑩:怒りや不満はニーズの裏返し」から

2013.3.13   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑩:怒りや不満はニーズの裏返し」から

怒りや不満の要因を探ると新発想へ

コラムの著者 細谷功氏(クニエ・コンサルティングフェロー)は、新発想をするためには本人のやる気、つまりモチベーションがないとアイデアが出ないことに触れ、「怒りと不満」が実は、モチベーションを引き出す材料となることを示している。

○不平不満をポジティブ思考に

先ず、不平不満をあまり感じない楽天家は、不平不満がないこと自体は良いが、発想は出にくい。一方、怒りや不平不満を感じる人で、

  • 否定的な方向に向ける:愚痴をこぼすだけ
  • 肯定的に考える:解決策を考える

といった二つの態度のとりかたがある。「怒りや不満」が必ずニーズの裏返しになっていることに気付けば、「やり場のない怒り」という感情は最も潜在的なニーズがあるともいえる。つまり、その解決法が現在のところ見当たらないということである。

いつも「○○をこうしてほしい」という顕在化しているニーズの改善要望を追うだけでは、分かりやすいが、新発想には結びつかない。むしろ潜在ニーズの方が新発想につながりやすいと細谷氏は指摘する。

怒りや不平不満をきっかけに発想へのモチベーションを上げ、これまでの知識や情報、経験を結びつけて新しい発想を生み出すことができる。前回に細谷氏が述べた、「遠い世界」の情報や事象の活用を意識しておくことで、これらを燃料にして、「怒りや不平不満」が種火となり、アイデアが一気にでることになる。

「怒りや不平不満」は強い感情であることから、アイデアを実行に移す際に強い原動力になるという。ただし、「文句ばかり言う人」と「アイデアマン」との差は紙一重であるため、使い方を良く考えることが必要だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:低線量被曝、研究成果、国民に周知を」から

2013.3.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:低線量被曝、研究成果、国民に周知を」から

東日本大震災後の原発事故での低線量被曝の認識

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、目に見えない放射線に対する正しく怖がることについて述べている。

○過度の怖がりと避難生活

震災から2年がたった。避難生活も長期化し、事故以来被曝が人体に与える影響について、多くの情報が流れた。国民も知識を得た半面、科学的に未解明な点もまだ多いという。

国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年の勧告では、100ミリシーベルトの放射線を浴びると発がんのリスクが0.5%上がるという。このデータは、広島・長崎の被爆者などの免疫調査を基に割り出した数値であると新田氏は語る。日本人の死因の約3割ががんであるとすると、この数値が高いとは言い難い。

さらに世界保健機構(WHO)が2月にまとめた福島事故の健康影響に関する報告書では、地域住民でがんが増加する可能性は低いという。

この低線量被曝は安全なのかどうかは科学的な議論がなされており、決着はついていない。しかし、同線量を短期間に集中的に浴びるより、長時間で浴びる方が健康影響が小さいことは専門家の間で知られているという。

必要以上に怖がることで、ストレスや精神的な被害が反って大きくなる。その意味で、新田氏は、事故後の混乱で、あまり放射線量が高くない地域に住む高齢者や病人に長距離の移動を強いるのは妥当なのかどうか課題があるという。仮設住宅暮らしが長引いて住民が体調を崩したり、こもりがちになってしまうケースも少なくない。

○蓄積されたデータの十二分な活用が必要

これまでの原爆、原発事故のデータはもとより、放射線を扱う医療機関などの健康データも含めて、様々な解析や研究成果を活用して、国民に分かりやすく周知することを新田氏は必要であると訴えている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:今こそメイド・バイ・ジャパン」から

2013.3.8    日経産業新聞の記事「眼光紙背:今こそメイド・バイ・ジャパン」から

日本の特長を海外文化に溶け込ませる戦略

コラムの著者は、守旧派の農水省も発想の転換を始めて、TPPに対して日本から打って出る戦略を取り始めていることを取り上げている。

○TPPの交渉参加の意味

農業分野や医療には根強い反対があるTPP。ヒト・モノ・カネの更なる開国は、これまでの発想を転換して、日本から打って出る戦略が必要だという。

食品分野は世界的市場では成長分野であるという。2020年には2009年の2倍の680兆円となるという。現地の農作物で日本食の文化や産業を広め、その後日本から食料品輸出を図ろうという「メイド・バイ・ジャパン」戦略を林芳正農林水産省大臣は提案している。このように、保守派と見られがちな行政側も発想の転換を図ろうとしている。

日本の特長を知り、それを海外の文化に融合させて、市場を開拓・育成することが、最終的には「メイド・イン・ジャパン」の復権につながるという戦略だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクスト・マーカー」から

2013.3.11  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクスト・マーカー」から

異次元の世界への誘い

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が、ソフトバンクの「白い犬のお父さん」のテレビCMにおけるブランド戦略の一部であることを解き明かしている。

○コンテクスト・マーカーである犬のお父さん

女優の上戸彩さんの「わたし」こと白戸彩の予想外な家族で、お父さんが何と白い犬であった。威厳を見せようとしながらもどこかコミカルであるお父さんがテレビ画面にでると、視聴者は白戸家の不思議な異次元の世界に引き込まれるという。しかも、CM総合研究所の好感度ランキングでは12年まで6連覇であるという。

状況を指し示すという意味を示すコンテクスト・マーカー。このお父さんもまさにコンテクスト・マーカーである。同様に同社と競合であるドコモは、「限定」を示すドコモダケとキノコをかけ、マスコットキャラクターを出した。そのキノコの帽子をかぶった途端、出演者はドコモの家族となる。キノコの帽子は、コンテクスト・マーカーである。

テレビCMもブランドの維持の一翼を担っている。異次元の世界観を作り、そこへ誘うコンテクスト・マーカーを如何に創造するかも課題と言えよう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:思い出ビジネス人気」から

2013.3.8  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:思い出ビジネス人気」から

「思い出」をテーマにしたビジネスが拡大中

コラムの著者 関沢英彦氏(博報堂生活総合研究所エグゼクティブフェロー・東京経済大学教授)が語るのは、単なるリバイバルではなく、将来に対する思い出を対象にしたビジネスについてである。

○婚姻、出産、はじめてのお絵かき

関沢氏によると、これらの人生の基点となる思い出を残したいというニーズを的確にとらえたビジネスや公共サービスが広がっているという。

  • 婚姻届と一緒に本人たちの写真を記念シートとして贈呈:静岡県沼津市が2012年8月から実施
  • 胎児の3次元の超音波映像を静止画や動画にしてDVDやSDカードに:産院の多くが実施
  • 初めての子供の絵を3Dプリンターでフィギュアやぬいぐるみに
  • 音楽や映画のリバイバルでベスト盤や復刻版を制作:コンテンツ販売やレンタル業界の業績を上げている
  • ゲームセンターの再現:通信機能で昔のアーケードゲームを:中年ファンをターゲット

などがあるという。思い出をコンテンツにする技術が、作業を手軽に、低価格にしてきたことから、市場機会ができたという。

思い出ビジネス、アイデアやニーズの探索で意外と大きく成長する可能性がある。happy01