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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ウイルスの作用解明進む」から

2013.2.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ウイルスの作用解明進む」から

生命の進化にウイルスが関与

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、米ナショナルジオグラフィック誌で有名な同協会に触れ、先鋭的な仮説に基づいた科学をDVDで紹介しており、その中にある最先端ウイルス研究から生命の進化に関与していることから工学的な操作の可能性について述べている。

○米エモリー大学ラリー・ヤング博士のハツカネズミの研究

同博士の研究は、一夫一婦型と一夫多妻型のハツカネズミで、2種類のホルモンの分泌が異なり、受容体の数が異なることを示した。一夫一婦型は交尾時に受容体が多くなり、一夫多妻型は少なかったという。そこで、ウイルスで一夫多妻型のハツカネズミに、受容体の数を増やすようにすると、一夫一婦型になったという。どうも、自然の中でウイルスが同様の操作を起こしたこともあり、進化に関与したという。

DVDをみると、これ以外にも胎盤を作るのに特定のレトロウイルスが関与しているなどの事実があるという。

○遺伝子の運び手としてのウイルスの作用

ノーベル賞に輝いた京都大学の山中伸弥教授もiPS細胞を作る際に遺伝子の運び手としてウイルスを活用している。病原体としてのウイルスは非常に恐ろしい存在だが、最先端の研究現場ではウイルスを活用して、新しい知が生まれているのも事実である。うまく制御できれば、遺伝病などの治療に役立つであろうが、それまでの安全操作が問題になりそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ダウンサイジング・オブ・ジャパン」から

2013.1.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ダウンサイジング・オブ・ジャパン」から

厳しい日本の雇用実態

コラムの著者は、かつての米国の『ダウンサイジング・オブ・アメリカ』を文字って、日本の経済状況に起こっている雇用問題について語っている。

○『追い出し部屋』の実態
厚生労働省が製造業に広がる『追い出し部屋』の実態を調査し始めているという。追い出し部屋では、会社に戦力外とみなされるベテラン社員が集められ、慣れない仕事や転職探しをさせられているという。
新しいビジネスを生み出す力を失った日本の大企業は雇用を減らし続けている。最初は若年層から始まり、バブル崩壊後、新卒も採用しなくなった。この頃、就活期を迎えた若年層は、正社員にもなれない。今や、正社員も製造現場から減り、請負や派遣社員に置き換わった。さらに輸入不振で、非正規雇用も調整の対象となっている。
○ダウンサイジング・オブ・ジャパン
ホワイトカラーも安全地帯にいるわけではない。まさにダウンサイジング・オブ・ジャパンで、米ニューヨーク・タイムズ紙が1990年代にえぐった『雇用なき繁栄』の状況だ。コラムの著者も指摘するように、誤魔化しの段階はとっくに過ぎているようだ。happy01

 

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:食玩『もじバケる』」から

2013.1.31   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:食玩『もじバケる』」から

消費者の目線で見る観察法で新商品を

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が取り上げるのは、消費者の目線で観察し、革新的な市場創造を行ったバンダイの事例を示す。

○バンダイの玩具付き菓子(食玩)『超変換!!もじバケる』

同製品は2010年5月の発売以来、販売数は10万個売ればヒットという、この業界で1000万個を販売した。デザインも評価され、米ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品となっているという。

この製品は、1つの漢字が変化して動物などに変形できるという企画による。開発担当者が、親戚の男の子が「龍」という漢字を書きつつ、「格好いい」と話していることを”観察”して企画したものだという。

その後の企画会議で、漢字自身、象形文字から来ていることから、1文字の漢字が、その意味の動物に変形するといったアイデアに発展。最初は、パーツを外さずに変形できることを考えたが、より動物らしく見えるように、パーツをばらして組み替えて変形することにした。こうすることで、漢字で格好良くしている特徴的な部分を、変形後もそのままの形で残した。

組み換えは更に付加価値として、漢字の学習だけでなく、パズルにもなり、安価ではあるが、時間をかけて遊べる知育玩具となった。ネーミングは、パソコンで文字の変換という言葉を使うことから、『超変換』とした。

○更なる観察

売り場で残りがちだった「熊」。熊のことを売り場で男児らが「熊に見えない」と会話していた。格好の良さと同時に、そのもの形に見える重要性を再認識。このような消費者の目線が、製品を更に磨いていくことになっていく。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術⑨:金川千尋氏の巻」から

2013.1.31   日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術⑨:金川千尋氏の巻」から

M&Aの成功の裏には

コラムの著者 吉田勝昭氏(日本ケミファ元専務)は、信越化学工業会長の金川千尋氏の側近で、元常務 金児昭氏の著書から「目指すべきM&A」について紹介している。

○M&Aの功罪

吉田氏はM&Aの功罪として、

  • 功:新市場の開拓や新技術の取得といった事業展開の加速ができる
  • 罪:買収した咳が離反し、資金を浪費するだけになる。有能な人材を退職させたり、優良な取引先を失う

を挙げている。会社の経営方針や風土をすり合わせが苦労の種であるという。

○金川千尋氏の手法

塩化ビニール樹脂では世界の首位である信越化学工業の会長 金子千尋氏は、M&Aを会社の成長にうまく生かした名経営者である。塩ビパイプ大手の米ロビンテックと合弁会社の米シンテックを作り、その後、同社を完全子会社にして、塩ビ製造で世界一の会社にした。シンテックは本社の信越化学の大黒柱になっている。

金川氏はM&Aを行う際に、「敵対的M&Aは絶対にやらない」と決めていたと、金児氏は述べている。シンテックの取引先や従業員との信頼関係を気付く努力を金川氏は怠らなかった。誠実に話し合い業務の継続を銀行や取引先と確認。従業員には「解雇は絶対しない」と強調したという。

さらに、合弁解消の相手先であるロビンテックからも厚い信頼を得ていた。完全子会社にした際のシンテックの販売にロビンテックのナンバー2 エド・エルジン氏が支援してくれたという。この時の様子を金川氏は『私の履歴書』で次のように語っている。

「資本関係が切れてからもしばらくロビンテックはシンテックの大口顧客だったのである。エルジンさんのオフィスを訊ねて雑談していると、彼は最後に鉛筆をなめなめ、貨車で数台分の塩化ビニールの大口注文をくれた。エルジンさんとは夫婦ぐるみで長いお付き合いとなった」(2006年5月22日)

金川氏はその後シンテックの社長ともなり同社の成長を加速させる。

○企業の本当の強み

吉田氏は、企業の本当の強みは財務諸表だけでないと指摘する。事業の将来性、経営者と従業員の質、ブランド、特許、銀行を含む取引先との信用などがあり、企業の資源は多岐にわたる。金川氏はシンテックの経営が安定するように買収前に経営資源をしっかり把握して、周到に手をうった点である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新しい旅行体験、他人の家に宿泊仲介」から

2013.1.30  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新しい旅行体験、他人の家に宿泊仲介」から

現地文化に触れる民宿的体験

コラムの著者 岩崎博論氏(博報堂コンサルティング局ストラテジックプランニングディレクター)が語るのは、欧米で根付きつつあるホテル代わりに他人の家に泊まるサービスである。

○Airbnb (参考)のビジネスモデル

この日本人の感覚ではちょっと不思議な習慣と思えるサービスを提供するのが、米サンフランシスコに拠点を置くAirbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)である。同社のビジネスモデルは、生活者同士の家や部屋を貸し借りを支援し、料金の徴収を代行して、手数料を取るものである。

貸し手は貸し出す部屋や家の賃料を設定し、写真を撮って同社のサイトにアップ。借り手は、サイトを通じて貸し手に連絡し、貸し手が承認すれば予約できる。予約が成立すると、一旦クレジットカードから料金が引き落とされ、予約をこの時点でキャンセルすることもできるという。

貸し手も借り手も双方レビューを書く仕組みで、その履歴が信用情報となる。

利用者のメリットは、ホテルよりも安い宿泊料。ただし、ベットのリネン交換や朝食などのサービスは無い。

物件は住宅地にあることが多く、住人にように近くのスーパーの買い物を楽しんだり、現地の文化に触れることができるという。happy01