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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:勝ったと思ったら負ける」から

2012.11.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:勝ったと思ったら負ける」から

『追いつき追い越せ』の合言葉で

コラムの筆者は自ら「経営の判断を後の時点での見方から安易に批判するのはよくない」としながらも、シャープの液晶工場の大型投資には無理があったのではないかと語る。

○国内メーカーに勝ったことはグローバル市場で勝ったわけではない

コラムの著者は、当時のシャープの経営幹部がパナソニックやソニーに「勝った」と思ったところにあるのではないかと憶測している。他士会に国内市場では優位に立っていた。それが大型投資の動機になったのではないかというのである。

しかし、世界的に見れば、韓国勢、台湾勢の存在があり、グローバル市場で勝ったわけではなかった。TVのデジタル化で共通モジュールが作れ、量産による大幅コストダウンを可能とした。販売では、新興国が巨大な市場になり始めていた。こうした変化は、韓国勢や台湾勢に有利に働き始めていた。

○凋落は「勝った」と思った瞬間から

日本企業が「勝った」と思った瞬間から凋落が始まったのはシャープの事例だけではない。バブルの時代も結果として日本企業が「勝った」と思った瞬間に凋落が始まった。「追い抜き追い越せ」をスローガンに掲げるべきだとコラムの著者は批判している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:企業が政府に依存すると・・・」から

2012.11.22  日経産業新聞の記事「眼光紙背:企業が政府に依存すると・・・」から

摩擦を仕掛けた企業の末路はあわれ

コラムの筆者の逸話は、旧通産省の元高官から聞いた話からである。

○摩擦から引き出せる教訓

元高官から聞いた話で教訓の筆頭格は『摩擦を仕掛けた企業の末路はあれなことが多い』といった経験則だそうだ。

  • 自動車分野:米ビッグスリーの2社まで法的整理に追い込まれた
  • 通信分野:モトローラは事業別の分割後、一部はグーグルの傘下に入った
  • 写真フィルム分野:イーストマン・コダックは今年初めに経営破綻した
  • 保険分野:アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)はリーマンショック後実質的に経営が行き詰まり、公的支援で何とか命脈を保った

何れにしても、政府頼みでは、企業経営はうまくいかないといった歴史の教えである。政府系ファンドの存在感の拡大や繰り返される政府減税などの風潮は、長期的に企業の活力をそぐ結果となろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術①:犬丸徹三氏(帝国ホテル元社長)の巻」から

2012.11.22  日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術①:犬丸徹三氏(帝国ホテル元社長)の巻」から

職業に貴賤なし

コラムの著者 吉田勝昭氏(日本ケミファ元専務)は、帝国ホテル元社長犬丸氏が、ロンドンの有名ホテルに就職した際に気付いた人生の節目となるエピソードを紹介している。

【コックを目指しながらも窓ガラスふきにくさっていた犬丸氏】

出直す覚悟でロンドンの有名ホテルに就職した犬丸氏。ここでも花形コックの仕事ではなく、窓ガラスふきが日課だった。窓ガラスふきは、汚れた仕事で、しかも危険を伴う。厨房の花形コックを夢見ていた当時の犬丸氏は、半ばこの仕事を投げやりな気持ちでやり続け、心はどんどん空虚となっていったという。

そんなとき、すでに初老の窓ガラスふきのがいた。犬丸氏は心中密かに、この男を軽蔑していた。あるとき、犬丸氏はその男に向かって何気なく質問した、『君は毎日このような仕事を続け、それをもって満足しているのか』と。すると、その男は、黙って犬丸氏を廊下に導き、両側の窓を指して静かに『イヌマル、双方を比べてみろ。拭けば綺麗になり、綺麗になれば、その一事をもって私は限りない満足感を覚える。自分はこの仕事を生涯の仕事として選んだことを後悔していない』と語ったという。犬丸氏はこの言葉を聞いて、一瞬何かに深く打ちのめされたごとく感じたという。

職業に貴賤なし。何たる立派な生活態度であろうかと、犬丸氏はその日を境に天賦と考えて窓ガラスふきに専念し、以後職場を変わっても一貫してその気持ちで働くようになったという。

与えられた職務を忠実に誠意を持って勤めれば、上司も見所のあるやつだと評価するだろう。一段上の仕事を与え、本人の力量を試してみようということにもなる。今の仕事は何をおいても全力で取り組むべきだhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:他社とのコラボ」から

2012.11.22  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:他社とのコラボ」から

ティータイムを狙うモスバーガー

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは、モスフードサービスが11月20日季節限定で発売した「モスじゃがチップス」(280円)である。100万食限定販売、販売時間も午後2時から閉店までに限定した、オリジナルのポテトチップスの販売戦略である。

【ティータイムを狙うコラボ戦略】

国内のモスバーガーの店舗の時間帯別売上構成比は、正午から午後2時のランチタイムが約4割。午後2時から閉店までが約5割となっているそうだ。日本では、600〜700円のセットメニューを中心とするランチタイム客の比率が高いという。

これまでティータイムをターゲットとしたデザートメニューを用意していたが、今回は午後2時以降に販売時間を限定し、新商品でティータイム需要を狙う。

この商品の最大の売りは、客の注文を受けてから店内で揚げるポテトチップスが楽しめることにある。今回、開発に当っては一見競合であるカルビーに監修の形で協力、コラボとなった。

実際、テイクアウトはあくまでも出来たての商品の味を損なわない範囲でたべることから、買い置きの菓子との競合は少ないともみてカルビーも協力にでたという。

モスバーガーは日本発祥のハンバーガーチェーンとして素材と味にこだわる一方で、サイドメニューや店舗作りではこれまでも多くの企業とコラボ(共同企画)をしてきた。自社開発の製品に誇りを持つ一方で、顧客から見た価値を常に考えていくといった姿勢が、このようなコラボをすすめているようだ。happy01fastfood


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:出版甲子園、『売れる本』が目標に」から

2012.11.21  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:出版甲子園、『売れる本』が目標に」から

「若者パワーと発想力」対「オトナの商業主義」

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)が取り上げるのは、本を出版したい大学生と出版社をつなぐイベント「出版甲子園」(2012年11月4日東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催)である。

○「大学生が本を出す」価値から「大学生も売れる本を出す」価値への変化

2005年以来8回の開催を迎えた同イベントは、ウェブによる書類審査など3次にわたる厳しい審査の後、10の企画書が決勝大会でプレゼンテーションできるもので、審査員は大手出版社の編集者や書店員が務め、厳正な判断が下された。

大学横断のサークルとして運営されているこのイベントも、質が向上し、初期のころの大学生の出版という希少性価値から今や売れる本を大学生が如何に書くかといったものに移行してきている。学生時代から「経験」と「実績」がないと決勝大会には残れない。

○出版甲子園は次の段階へ

中本氏も今までの「若者のパワーと発想力」と出版関係者の「オトナの商業主義」の戦いに変わりつつあるという。商業主義に委縮することなく、パワーと発想で乗り切ってほしいもんである。happy01