【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術①:犬丸徹三氏(帝国ホテル元社長)の巻」から
2012/11/28
2012.11.22 日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術①:犬丸徹三氏(帝国ホテル元社長)の巻」から
職業に貴賤なし
コラムの著者 吉田勝昭氏(日本ケミファ元専務)は、帝国ホテル元社長犬丸氏が、ロンドンの有名ホテルに就職した際に気付いた人生の節目となるエピソードを紹介している。
【コックを目指しながらも窓ガラスふきにくさっていた犬丸氏】
出直す覚悟でロンドンの有名ホテルに就職した犬丸氏。ここでも花形コックの仕事ではなく、窓ガラスふきが日課だった。窓ガラスふきは、汚れた仕事で、しかも危険を伴う。厨房の花形コックを夢見ていた当時の犬丸氏は、半ばこの仕事を投げやりな気持ちでやり続け、心はどんどん空虚となっていったという。
そんなとき、すでに初老の窓ガラスふきのがいた。犬丸氏は心中密かに、この男を軽蔑していた。あるとき、犬丸氏はその男に向かって何気なく質問した、『君は毎日このような仕事を続け、それをもって満足しているのか』と。すると、その男は、黙って犬丸氏を廊下に導き、両側の窓を指して静かに『イヌマル、双方を比べてみろ。拭けば綺麗になり、綺麗になれば、その一事をもって私は限りない満足感を覚える。自分はこの仕事を生涯の仕事として選んだことを後悔していない』と語ったという。犬丸氏はこの言葉を聞いて、一瞬何かに深く打ちのめされたごとく感じたという。
職業に貴賤なし。何たる立派な生活態度であろうかと、犬丸氏はその日を境に天賦と考えて窓ガラスふきに専念し、以後職場を変わっても一貫してその気持ちで働くようになったという。
与えられた職務を忠実に誠意を持って勤めれば、上司も見所のあるやつだと評価するだろう。一段上の仕事を与え、本人の力量を試してみようということにもなる。今の仕事は何をおいても全力で取り組むべきだ
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