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2012年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:政府の注文、大きなお世話に」から

2012.10.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:政府の注文、大きなお世話に」から

各国政府の支援と国際競争下の企業の温度差

コラムの筆者が語るのは、フランス政府のプジョーシトロエングループ(PSA)の支援を例に、各国の支援する政府とされる企業の温度差について語っている。

○PSAの支援と欧米メディア

PSAの金融子会社への新規融資を最大70億ユーロの政府保証を付けるのが今回のフランス政府の支援政策だ。欧米メディアはこの支援に対して、「(政府は)カネは出しても口をだすな」が主論であるようだ。

世界で戦うグローバル企業と母国政府の利害は一致しない。

  • 企業:最適地で開発・生産して競争力を維持すると生き残れない
  • 政府:技術流出を嫌い、国内雇用を守ろうとする

箸の上げ下ろしまで政府に指示される窮屈なリストラでは、企業側のリストラなど真の再建を妨げかねないという。コラムの著者は、ルネサンスエレクトロニクスを気にかけているが、どうであろうか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:大学の人材育成、自ら主張できる教育を」から

2012.10.29   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:大学の人材育成、自ら主張できる教育を」から

大学は大所高所に立って、自己の主張と打てば響く議論できる教育を

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、日本人の不得手とされる会話や議論のテクニックの面で遅れていることを認めながらも、研究者であっても社会だけでなく日常生活にも自己主張や打てば響く議論のやり取りは、モノやコトを進める上で必要であると述べている。

【大学の専門家でありがちな議論】

和田教授が引用しているのは、経済評論家の森永卓郎さんが、大学の新規卒業生の4分の1が正規の職に就けないのではないかと心配して、面接の特別指導をおこなったところ、同僚の先生から「大学は就職のコツを教えるところではない。学問を教えるところだ」と批判した例である。ただ、これは浅はかな意見だという。学問を知識とだけ考え、知恵の発揮や考えを他人に伝えることの大切さを忘れた狭い了見だと、和田教授は言い切る。

大学教授も含む「専門家」の未熟さについて、オールラウンド科学者の寺田寅彦氏は、以下のように説明している:

「科学の進歩を妨げているものは素人の無理解ではなくて、いつでも科学者自身の科学そのものの使命と本質に対する認識の不足である。深く鑑みて見なければならない」happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ソーシャルメディアと連携、テレビ、双方向性を模索」から

2012.10.26  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ソーシャルメディアと連携、テレビ、双方向性を模索」から

テレビのソーシャルメディアとの関わり

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)が、テレビとソーシャルメディアとの関わりをマトリックス的に縦と横で捉え、現状の課題についてふれている。

奥氏がいう縦とは、テレビ局と視聴者のインフォメーションを指し、横とは、ソーシャルメディアによる受信者同士のコミュニケーションを指している。

⚪一般化した双方向通信

奥氏によると、インターネットによるテレビととの関わりが始まる以前から、BSデジタルによる双方向通信は試みられたが、今のように普及には至らなかった。課題は、インターネット上のソーシャルメディアのように一般化したインフラストラクチャになっていなかったところにあった。

⚪ソーシャルメディアによる双方向通信

放送の同報性とソーシャルメディアの双方向通信が手軽に使えるようになったのは、ここ数年のことであって、テレビ局も番組連動や広告との連携などを幾つかの試行が行なわれている。この性質の異なったメディアの融合が、今後のコンテンツ業界の課題である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:手段が目的を生む」から

2012.10.25  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:手段が目的を生む」から

新市場が新しいツール(手段)で創られることもある

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、新しい市場創生には、目的があって手段があるのが通常だが、逆の事例、手段があって目的を生みだすこともあるという。

○イベント支援サービス「PeaTiX」の事例

 このサービスは、昨年5月のサービス開始以来、3500以上のイベントを支援してきたOrinoco Peatix(東京・渋谷)が運営するサービスである。イベントの作成から出欠・入場管理・代金回収まで煩雑な作業を簡易にできるという。

 ツイッターやフェイスブックを通して友人に告知したり、そのアカウントでログインできるなどSNSとも連携。従来のチケット販売が専門家主催の大規模な市場向けであるのに対して、素人の主催、あるいは専門家主催の小規模な市場を狙っている。

 イベント作成から出欠・入場管理までは無料で、代金回収を利用する場合には受注1件当たり6%+70円の手数料がかかる。事前に回収できてキャンセルのリスクに対応できる。

OL2年目の女性がたった一人で、「100人女子会」という女性ゲストを招いた講演会を開催できたという。さらに迅速な募集や物販、寄付も掃除に募集できるという。まさにツールが市場を生成した事例である。

○簡易な手段は目的を生みだすことがある

 今回の事例からも、簡易な手段提供で目的を生みだすこともできる。ただし、西川教授は、生み出された市場が他の手段を使う場合もあることも念頭に置かねばならない。この方法、手段しかないと思わせる差別化が必要である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術大国から科学大国に」から

2012.10.23   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術大国から科学大国に」から

科学振興の仕組みが功を奏するとき

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、技術大国と長い間うたってきた日本が科学大国とよべることを目指すべきだという。

○21世紀に入ってからノーベル賞の自然科学分野では世界2位

志村氏によると、英国やドイツを抑え、米国の一位に次ぐ科学大国と日本は呼べるかもしれない。最多の米国が47人、日本は10人である。一方で新興国の追い上げにより、産業競争力や技術開発力の低下を示している現在、これは快挙ともいえるという。

○科学大国への準備

国が1990年代以降、4期にわたる科学技術基本計画の下、予算をほぼ一貫増やし、国の研究開発の中核をなす科学技術振興費も20年間で3倍に増えた。こういった仕組みは出来上がりつつあるという。ただ、多くが組織や集団によ研究に根差し、埋没しがちな個人の創造力を置き去りにしてきたことである。今後、少なくとも基礎研究では個人の役割をできるだけ大きくするように軌道修正しはじめている。happy01