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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:届かぬiPhone5と不満大国」から

2012.10.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:届かぬiPhone5と不満大国」から

デモや暴動が日常化している中国

コラムの筆者の指摘は興味深い。不満大国となっている中国とiPhone5の出荷遅延との関係はいかに?

○予約したiPhone5が届かないのは?

これまでの米アップル社のスマートフォンiPhoneは毎年夏から秋に向けてモデルチェンジを繰り返している。そんな中予約で到着が遅れるのは人気商品として想像できるが、2週間以上もかかるとのこと。

コラムの著者が言うように、どうやら原因は、米国アップル社の委託を受けて組み立てを行っている台湾系の受託生産メーカー、フォックスコンの中国工場のトラブルにあるようだ。同社の山西省太原の工場では死者が出るほどの暴動、河南省鄭州では待遇改善を求める大規模なストになっているという。

9月の反日デモだけを見ると、日本だけが攻撃の的になっていると見えるが、中国ではデモや暴動は日常茶飯事。給与の引き上げからゴミの焼却場建設反対、土地収用への抗議、騒音問題など様々で、現代中国では、格差社会の上に多くの不満が蔓延しているという。まさに「不満大国」。

急激な経済成長のしわ寄せだが、それがまたも経済に影響を与えている点は皮肉である。phonetohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:やはり組織より人が先」から

2012.10.11   日経産業新聞の記事「眼光紙背:やはり組織より人が先」から

山中伸弥京都大学教授から学ぶ人財活用

コラムの筆者が、ノーベル賞が決まった山中教授の創造的な業績は、同教授の類い稀な研究努力と周りの支援という人財によって生まれたが、低迷している大企業にもこう言った逸材がいるにも関わらず、組織論で人をないがしろにしているのではないかと指摘している。

○経営者も同じ。逸材の発掘が問題

コラムの著者が挙げているように

  • 井深大さん(ソニー創業者)と盛田昭夫さん:創業時に盛田さんが参画していなかったら、「今日のソニーはうまれていなかった」(日経の「私の履歴書」より)と述べている
  • 樋口広太郎さん(当時のアサヒビール社長):住友銀行からアサヒビールの社長に転じて、縦横無尽の活躍。スーパードライの立役者である。樋口さんも、住友銀行の中興の祖といわれる堀田庄三頭取に会い、秘書としてつとめた際の、経営者の視点での交渉の仕方や決断を見て学んだという。

事例をあげるまでもなく、大企業の中では埋もれた逸材を、組織や手続き、慣例を優先して人を後回しにしていないであろうか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:自動車、中国合弁の危うさ」から

2012.10.10   日経産業新聞の記事「眼光紙背:自動車、中国合弁の危うさ」から

生産体制の奪取が終われば合弁は解消か?

コラムの筆者は、中国の国家戦略の方向性を見誤らない事が肝要だと警告を発している。

○世界最大の自動車市場の国家戦略

広大な国土と旺盛な消費で世界最大の自動車市場となった中国。この市場に販売の強化と生産の強化を行ってきた日本の自動車産業。生産設備は今や日本と同等の最新鋭機を導入している。この点が問題である。

中国は当社自国の企業を中心に自動車産業を強化するねらいがあった。そこで、諸外国、特に日本の自動車メーカーと合弁会社をつくり、技術移転や生産設備の奪取を徐々に進めてきた。つまり、合弁会社の生産は中国側で奪い、販売に係る領土問題などでは日本車として売れない事から、中国国産車として売るといったシナリオである。日本の技術支援を得て日本車の古いモデルを利用した車で性能は優秀である。消費者はこの事実を知らずに中国国産車として買い、合弁工場の稼働率は維持される。これを繰り返せば、合弁工場の日本車が減少し、中味が日本の技術でつくられた中国ブランド車が大半となるという。さらに、中国が日本からの技術支援はもう十分だと考えるようになれば、合弁会社の出資比率の引き下げを要求するという戦略だ。

○日本も中国での生産を前提にしない

中国でのビジネスが減少あるいはなくなると極端に仮定しても世界戦略としてビジネスができるという政策を取らねばならない。こういった戦略の実行が中国の暴走を防ぐ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:オーガニック認証」から

2012.10.11  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:オーガニック認証」から

デファクトやデジュール標準を前向き考える企業

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは、化粧品業界でいち早く第三者機関にオーガニック認証を得た商品で売上を伸ばしている「ザ・ボディショップ」である。

【同社の取り組み】

英国を本拠にとする「ザ・ボディショップ」は、化粧品専門店でありながら、オーガニック(有機栽培)植物の成分を配合した「ボタニカルコンセントレートドロップスNU」シリーズを第三者機関のオーガニック認証を得て販売を行っている。当社は、自社の表示だけであったが、さらに、利用者の認知率と伸び率が大きいことから、購買条件としてオーガニック認証の有無が大きく影響しているという。

同社は、オーガニック認証だけでなく、利用者の視点の厳しいフェアトレードに関しても独自のフェアトレード基準に従って原材料を調達し、2010年時点で80%のフェアトレード原料を利用している。

【ブランド維持のために】

市場がある程度大きく育つと、例え、市場を開拓してきた企業であっても1社の独自の基準を設けているだけではブランドを保てなくなる。同業他社とのデファクトスタンダードをつくってラベルを製品に貼り、消費者の認知を得るか、基準に適合した製品であることを検査し認定する国際認定機関の認証制度を利用する必要がでてくる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ②:相手の背景を想像」から

2012.10.10  日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ②:相手の背景を想像」から

「あの人の話は分からない」から「分かろう」とする

コラムの筆者 中野俊宏氏(HRインスティテュートチーフコンサルタント)が語るのは、相手との対話の中で必要な質問力について解説している。

【質問力を発揮するポイント】

①先ずは、相手の気持ちや思い、背景といった「物語」を想像することであるという。

事例:部下から上司Aさんへの報告シーン

部下」「今日はこれを受注しました」

上司A:「おお、よくやったな。お疲れ様」

⇒会話としては成り立ってはいるが、これ以上話が深まらない。

上司B「どんな点について力を入れたから今回の受注につながったのかな」

⇒相手の部下が長い時間をかけて受注し苦労したと想像できれば、このような質問に代わるはずだという。

部下:「実はこうでした...」

⇒部下も話が切り出しやすくなり、他の顧客への展開を示唆したりすることで、新たな商機が生まれる可能性もある。

上司のAさんとBさんの差異は、物事を受け止めるレベルの差であり、相手に対する関心の深さにある。

②相手の物語について質問するには「傾聴のスキル」を磨く。

  • 相手の話にうなずいたり、「へー」などの相づちを入れたり、「そうですか」「そうなの?」といった短いコメントをしっかり抑揚を込めて投げかけ、相手に対して興味をもっていることを示す
  • 相手の言葉の「繰り返し」も相手の言っていることを理解していることを示す効果がある。ただし、繰り返すポイントを抑えないと、話がとまってしまう。
  • 「つまり○○ですね」と話の要約を入れる。相手の頭も整理されて、伝え残しをなくすメリットがある。

中野氏は、どんな話が分かりにくい相手でも、相手の物語を想像しながら質問していけば、分かりにくい話も分かりやすくなるという。happy01