【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:苦悩する電子立国日本、ベテランの経験、継承を」から
2012/09/30
2012.9.25 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:苦悩する電子立国日本、ベテランの経験、継承を」から
若い世代の創意、やる気を育み、ノウハウを継承できるベテランの労働環境の整備を
コラムの著者 内田裕久氏(東海大学工学部教授)は、シャープやパナソニックが独創的な家電製品を生み成長する中で、いつしか没個性の安価だけが売り物の世界になってきたのは、多くのベテランの経験や技術の継承できなかった点にあるのではないかと指摘する。
- シャープの創業者、早川徳次氏の「誠意と創意」
同社は、今年9月15日で100年企業の仲間入りを果たした。創業者の早川氏は、ベルト用バックルを加工する金属加工業からスタートし、独創的なシャープペンシル、電卓、国産初のラジオ、テレビなど、創意と工夫で多種多様な製品を開発してきた。そこには、利用者に対する「誠意」もある。
同業のパナソニックも電球ソケットからスタートして、自転車用ランプ、ソニーはポケットラジオ、テープレコーダーとユニークな製品を、狭い日本で次々と開発し、競争しながら、安くて高品質な製品を市場に供給してきた。
しかし、新興国の技術を学ぶ力は凄まじく、日本企業のベテラン技術者の経験やノウハウを貪欲に吸収し、今や日本に追いつき、追い越す時代となってきた。このベテランの受け皿となる仕組みや環境を組織的に構築しないと、益々国際競争力は低下すると、内田教授は危惧している。