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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:チケット争奪戦、今は昔?」から

2012.6.6    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:チケット争奪戦、今は昔?」から

チケット取りも頭脳派時代

コラムの著者 中島千晶氏(ジャーナリスト)が、劇場や演劇のチケット購入の変化である。一時は、プレイガイドの窓口へ朝一番乗りを目指して早起きしたり、必死で電話をかけたものだが、その姿を今や見かけない。

4月に渋谷にオープンした渋谷ヒカリエ。7月には、客席1972席という大劇場「東急シアターオーブ」ができ、気になる演目はどんどん増えている。一方で、チケットを販売するルートが多様化していることが、行列無縁の要因であるという。

・空席救済・満員応援サイト「おけぴネット」の運営者 山上寛さんの言葉を引用して、「プレイガイドがチケット販売を一手に引き受けていた昔に比べ、主催者・劇場・カード会社などチケット販売が多様化している。それぞれが会員組織を持ち、『先行販売』しているから、今や『発売日』っていつ?という状況です。」という。

票券管理システムをASPで期間貸しするところも出てきており、プレイガイドを通さないことから、手数料を減らしてチケットを販売するところも出てきた。ファンが出演者から購入するケースも増えているという。

中島氏の指摘するように、チケット取りも、体力勝負ではなく、パソコンでインターネットを駆使して「先行販売」情報を得て、さらに、いつ、どこから買うかといった比較まで行う頭脳戦となっいる。並んで買ったチケットのありがたみは、もう、ないのかもしれない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:『うどん県』周辺自治体を刺激」から

2012.6.5   日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:『うどん県』周辺自治体を刺激」から

ネーミングが地方のマーケティング活動に火をつけた

コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は香川県観光協会から県が一致団結した広報スローガン「うどん県」の話題に触れ、その展開について考察している。

【呼び名=ネーミングの事例】

うどん県が何時しか、呼び名として使われ、さらに、合言葉として様々な企画を展開している。もちろん、香川県名産の讃岐うどんを主軸にした企画はもちろん、

  • うどんかりんとう:菓子
  • うどんアイス:氷菓子
  • うどんバーガー:ワーストフード
  • うどんソフトクリーム:氷菓子
  • うどんドロップ:菓子
  • うどんドレス:衣料
  • 讃岐うどん風呂:入浴剤

など多数の展開を見せている。さらにこれを今年は「うどん県。それだけじゃない香川県」としてうどんを象徴、アイコンとして、それだけでない香川県の魅力をアピールしようという狙いだ。

【周辺自治体へ飛び火】

香川県と瀬戸内海を挟んで、はす向かいの広島県の動きが速かったと岩永氏は語っている。

「おしい!広島県」がスローガン。おしい!は、おいしいの一歩手前であると、牡蠣、広島風お好み焼き、名産のレモン、平家のゆかりの地であることを持ち出し、「最後に負けておしい!」と嘆いて見せている。今や「おしい!委員会」まで立ち上げ、企画の軸になっているようだ。

うどん県の企画、周辺県にも影響があるようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:水耕栽培器、生活に潤い」から

2012.6.8   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:水耕栽培器、生活に潤い」から

自産自消の都市市場

コラムの著者 栗坂秀夫氏(パシフックデザインアソシエーツ代表)の見方は面白い。 意外にも都会暮らしの女性や熟年層に売れているのは水耕栽培システムである。リビングファーム(東京・中野、長尾益男社長)が今春発売した水耕栽培器である。

水耕栽培は、作物を育てるだけでなく、成長の過程を身近に楽しむことができることから、趣味、インテリアの一部として部屋に潤いを与える。

長尾社長は、自動車用品メーカーの開発担当役員であったことから、三年がかりで商品化した。LEDを光源に使い、低いランニングコストで苗作りから栽培までできるという利点がある。エネルギーと時間を無駄にすることなく、連続して、培地のいらない収穫ができる。 容易に新鮮で安全な野菜を天候や季節に左右されず、手を汚さずに調達でき、虫による被害も防ぎ易い。

長尾社長は、震災後、自給や節約の意識が高まったことから、楽しみながら実益のあることが広まり、『自産自消』を提唱している。 新しい価値の展開がここでも広がっている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:モノづくり日本復権には」から

2012.6.7   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:モノづくり日本復権には」から

製造のプロとマーケティングのプロの協業が重要

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、5月下旬に札幌で開催された日本商業学会全国大会での「グローバル・マーケティング・セッション」に興味深い発表があったのでそれを解説している。

【発表の概要】

  1. 丸谷雄一郎氏(東京経済大)の発表:小売業最大手のウォルマートがメキシコに進出した際の現地適応のための新業態作りを行った経緯をしめした
  2. 井上真里氏(日本大)の発表:グローバル、リージョナル、ローカルという3層モデルをネスレ、ユニリーバの事例でブランド管理を説明
  3. 松井剛氏(一橋大):「はだしのゲン」から「ヒカルの碁」に至る日本マンガの北米出版の成功と失敗をスティグマ(烙印)の概念を援用して解析。
  4. 川端基夫氏(関西学院大):味千ラーメン、吉野家を事例に、製造機能を持つ外食の独自性に基づくグローバル・マーケティングについて方向性をしめした

【グローバル・マーケティングの個別性と共通性】

三浦教授によると、以上の発表から業種・分野によって変わることを個別性、扱う製品・サービスが何であれ適応できる共通性について述べている。

  • 個別性:
    1. ウォルマートでは、メキシコで倉庫型の安売り店を開発して成功
    2. 標準化‐現地化の意思決定については井上氏の三層モデルのブランド使い分けとなる
    3. マンガでは現地からの見直しの要望があっても簡単に応じない
    4. 外食では、現地化しつつも、食材の調達、加工などは標準化すべき
  • 共通性:
    • マーケティングが重要。モノづくり日本としては、優秀なモノづくりだけでなく、利用者の視点に入って考える必要がある。
      1. ウォルマートは、顧客の視点で新業態を開発した
      2. ネスレは顧客の視点でブランドを使い分けた
      3. 日本産マンガは烙印をおされないように対応
      4. 外食チェーンは現地に合わせたメニューを提案
  • 以上のようにマーケティング思考を融合させなければ、グローバル企業として生き残れないことが分かるhappy01

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:常識に挑戦、持つ勇気こそ」から

2012.6.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:常識に挑戦、持つ勇気こそ」から

常識を疑って、広く検証することが、進歩の推進力

コラムの筆者は、「素粒子ニュートリノの速度が光速を超えた」という実験結果が昨年発表され話題になったが、先週の報道では、研究チームがこれを撤回する方針と決めたことについて、その意義を解説している。

【検証で実験装置の不備が見つかる】

結果として、光速超えの確認以前に、実験装置の不備が見つかった。相対性理論の前提を覆すものとして注目されたが、結果は、光速を超えなかったようだ。

単なる実験の失敗と片付けがちだが、研究チームも批判を受ける覚悟で、第三者の検証を受けるという態度が重要だ。これまでの科学は実は、既存の概念を覆す仮説と検証を繰り返して進歩を遂げてきた。つまり、常識を疑って、仮説を出し、観測や実験によって検証をしっかり行った上で、事実として利用される。

【常識をやぶること】

このような科学的手法が、社会一般では浸透していない。検証も確実でないし、そもそも常識の異を捉え、仮説をだす勇気すらない。だが、時には常識を疑って、これに挑戦し、それを広く検証する態度が大切である。そこにまさに科学技術の進歩があるといえる。happy01