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2012.6.7   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:モノづくり日本復権には」から

製造のプロとマーケティングのプロの協業が重要

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、5月下旬に札幌で開催された日本商業学会全国大会での「グローバル・マーケティング・セッション」に興味深い発表があったのでそれを解説している。

【発表の概要】

  1. 丸谷雄一郎氏(東京経済大)の発表:小売業最大手のウォルマートがメキシコに進出した際の現地適応のための新業態作りを行った経緯をしめした
  2. 井上真里氏(日本大)の発表:グローバル、リージョナル、ローカルという3層モデルをネスレ、ユニリーバの事例でブランド管理を説明
  3. 松井剛氏(一橋大):「はだしのゲン」から「ヒカルの碁」に至る日本マンガの北米出版の成功と失敗をスティグマ(烙印)の概念を援用して解析。
  4. 川端基夫氏(関西学院大):味千ラーメン、吉野家を事例に、製造機能を持つ外食の独自性に基づくグローバル・マーケティングについて方向性をしめした

【グローバル・マーケティングの個別性と共通性】

三浦教授によると、以上の発表から業種・分野によって変わることを個別性、扱う製品・サービスが何であれ適応できる共通性について述べている。

  • 個別性:
    1. ウォルマートでは、メキシコで倉庫型の安売り店を開発して成功
    2. 標準化‐現地化の意思決定については井上氏の三層モデルのブランド使い分けとなる
    3. マンガでは現地からの見直しの要望があっても簡単に応じない
    4. 外食では、現地化しつつも、食材の調達、加工などは標準化すべき
  • 共通性:
    • マーケティングが重要。モノづくり日本としては、優秀なモノづくりだけでなく、利用者の視点に入って考える必要がある。
      1. ウォルマートは、顧客の視点で新業態を開発した
      2. ネスレは顧客の視点でブランドを使い分けた
      3. 日本産マンガは烙印をおされないように対応
      4. 外食チェーンは現地に合わせたメニューを提案
  • 以上のようにマーケティング思考を融合させなければ、グローバル企業として生き残れないことが分かるhappy01

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