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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『共食い』を恐れるな」から

2012.4.6   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『共食い』を恐れるな」から

他社に食われる前に自社で食う!

コラムの筆者の視点は、スティーブ・ジョブズ氏の伝記にある考え方である。ジョブズ氏は「共食いを恐れるな」を原則にしていたという。その理由は、「自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけだからね」と。

筆者も経験があるが、新規事業を始めるとき、問題になるのがこの共食い現象である。新商品が既存の自社のものとぶつかり、結果として売上が落ちるリスクが生じることをいう。

  • ソニーは、携帯音楽プレーヤーの開発の際に、共食いを恐れ、CD(コンパクト・ディスク)を中心にしていた音楽ソフト事業への配慮を加えたため、スピードが落ちたといわれる
  • パソコンの既存の枠組みにこだわらず、iPodというハードだけではなく、楽曲のオンライン販売と組み合わせた大胆なビジネスモデルを導入したのはジョブズ氏だった

新規事業の本来の目的の1つに、既存事業の今後に対する不安解消がある。それなのに新規事業が既存事業を食うことを恐れると、新規も育たず、虻蜂取らずになってしまいがちだ。

競合他社や新規参入者が既存事業の脅威になっていれば、見方をかえて、新規事業の動きを鈍らせないように、他者が自社の売り上げを食わないうちに、自社で食ってしまう方が、ジョブズ氏が言うように合理的であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:高齢者モデルがひらく未来」から

2012.4.2   日経産業新聞の記事「眼光紙背:高齢者モデルがひらく未来」から

高齢者向けビジネスモデルにこそ日本の活路がある?

コラムの筆者の視点は、シニア世代の台頭が、一般に思われている経済成長の減速要因ではなく、逆に、高齢化に伴う様々な消費行動の変化を活用して、果敢にチャレンジすべき市場と考える点だ。

  • 多くの産業に影響を与える自動車産業も少子高齢化で国内需要はそのままでは減少の一途であろう。ただし、高齢者向けの運転しやすい車や介護が必要になってきた人に優しい車を投入すれば、人口構成比の大きい団塊世代やジュニア世代の消費者層が活性はするという。
  • 加齢による運動機能の低下を補う安全装置や補助装置は必需品となろう。自動車の自動停止システムなどへの関心が高いのも販売拡大に寄与すると思われる。
  • 公共交通機関の少ない地方では、軽自動車の安全装置の実装は重要であろう。

日本での高齢化対技術は、将来、中国市場という巨大な市場でも応用できる。今こそ先行者メリットを狙うべきだという。今までの若者中心のビジネスモデルから脱却し、高齢者中心の新ビジネスモデルへの転換をコラムの筆者は訴えている。高齢化のデメリットを改善することで大きな日本の経済活性化が見られるという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学②:問題解決に向けて」から

2012.4.5   日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学②:問題解決に向けて」から

課題解決のルールを工夫してスマートに

コラムの著者 キャメル・ヤマモト氏(デロイトトーマツコンサルティング・ディレクター)は、前回登場したG課長(グローバル課長)の問題解決をスムースに行わせる仕掛けを日産自動車の事例を使って紹介している。

【日産自動車の1日会議】

ルール①:会議の参加者に明確に異なる役割を与えている

  • 課題設定と意思決定役:部長
  • プロジェクトマネージャー:課長
  • ファシリテーター(進行役):スタッフ
  • 専門性を持った担当:上記以外の参加者

ルール②:ストーリー展開を仕込み、各自は役割を演じざるを得ない

  • 午前9時~9時30分:部長以外のメンバーのみで与えられた課題についてどう解いていくか作戦を立てる
  • 午前9時~9時45分:部長も入り、課題についての質問を受ける。質問に答えたら、部長は退出。
  • 午前9時45分~午後3時45分:ファシリテーターが司会となり、プロジェクトマネージャー(課長)がリードして皆で課題解決案をまとめていく
  • 午後3時45分~4時25分:部長が戻り、そこでプロジェクトマネージャーが討議の結果を報告。部長が、YES、NOを明確に意思決定する

ルール③:各位は原因を究明するツリー分析、解決案の順位付けをする「ペイオフマトリックス」など、課題解決演技に役立つ技の訓練を予め受けている。訓練で効率的に議論を進める。

ルール④:1日会議の要点や結論は、に摸造紙に書き、終了時すべて写真に撮って関係者に送り共有する。

○重要なのは、上記の事例に様なルールを自社でカット&トライするG課長の意思である。J課長のように、ルールがないので出来ないといった言い訳では企業自体の課題解決の道は1つも開けないということだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キャンプファイヤー」から

2012.4.5  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キャンプファイヤー」から

消費者参加型には丁寧な会話が重要

コラムの著者  西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が語るのは、インターネットを使った消費者参加型の事業創造を推進する、ハイパーネッツ(東京・渋谷)が運営する「キャンプファイヤー」(▶参考)についてである。

インターネットを通じて企業が消費者から製品アイデアを提供してもらう、「クラウドソーシング」(消費者参加型製品開発)が話題になっているが、「キャンプファイヤー」はさらに進んで、消費者がネットを通じてアイデアへの資金提供や自らのアイデアによる資金調達が出来るサービスである。

《消費者参加型の事業創造》

「キャンファイアー」では、アートから音楽、映画、お笑い、社会貢献、製品までの多種多様なアイデアを掲載する。規模は、2011年6月のサイト開設から掲載案件は90を超え、5千人の消費者が60近くの案件に2500万円を支援したという。期限内に目標金額が未達の場合、支援者は払う必要はない。達成した場合、20%が同社の手数料となる。

サイトでは支援者(パトロン)が表示され、SNSなどと連携して知人にも拡がる。製品との「キヅナ」を創るような見返りとして、1万円以上支援するとサイトに名前が載り、現物や限定品が贈られるというものである。

一般的な投資にはない、金銭的な報酬と違った形態であり、消費者と顧客創造の資金でもある。キヅナの維持継続がキーで、資金獲得の達成後報告など丁寧な会話が必要となる。

西川教授のいうように、育ての親の目は厳しい。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術②:多忙でも考える時間を」から

2012.4.4   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術②:多忙でも考える時間を」から

『曽子曰、吾日三省吾身。為人謀而不忠乎。興朋友交而不信乎。伝不習乎。』 (論語 学而第一)


【書き下し文】曽子(そうし)曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交りて信ならざるか習、わざるを伝うるか。

【コラムからの要約】孔子の弟子である曽子が、『私は、毎日3つの事項に基づいて反省している。1つ目は、人のためにしたことで、忠実さ欠いたことはなかったか。2つ目は、友との交際において信義をかいたことはなかったか。3つ目は、よく知ってもいないことを他人に教え、話はしなかったか。』と言った。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)が語るのは、時間に追われ自分を見失うと、自己中心的になって、視野も狭いままで成長しないと、上記の言葉に添えて戒めている。

岩淵氏が示すポイントは、上記の言葉に対して以下の3つである。

  • 毎日心を静め、身を振り返るということ
  • 他人に対する忠実さ、友人に対する信義をもって振り返ること
  • 中途半端な知識を振り回していないかという自戒

岩淵氏が渋沢栄一の言葉を更に引用している。『私(渋沢)は、この言葉が最もわが意を得たり思い、夜間床に就いた時、その日にやったことや人に応援した言葉を回想し、人の為に忠実に出来たか、また孔子の教訓に外れた点はなかったかを反省考察することにしている』と語っている。大人物であればある程、日々の三省に立っているとは驚きである。happy01