【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『共食い』を恐れるな」から
2012/04/10
2012.4.6 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『共食い』を恐れるな」から
他社に食われる前に自社で食う!
コラムの筆者の視点は、スティーブ・ジョブズ氏の伝記にある考え方である。ジョブズ氏は「共食いを恐れるな」を原則にしていたという。その理由は、「自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけだからね」と。
筆者も経験があるが、新規事業を始めるとき、問題になるのがこの共食い現象である。新商品が既存の自社のものとぶつかり、結果として売上が落ちるリスクが生じることをいう。
- ソニーは、携帯音楽プレーヤーの開発の際に、共食いを恐れ、CD(コンパクト・ディスク)を中心にしていた音楽ソフト事業への配慮を加えたため、スピードが落ちたといわれる
- パソコンの既存の枠組みにこだわらず、iPodというハードだけではなく、楽曲のオンライン販売と組み合わせた大胆なビジネスモデルを導入したのはジョブズ氏だった
新規事業の本来の目的の1つに、既存事業の今後に対する不安解消がある。それなのに新規事業が既存事業を食うことを恐れると、新規も育たず、虻蜂取らずになってしまいがちだ。
競合他社や新規参入者が既存事業の脅威になっていれば、見方をかえて、新規事業の動きを鈍らせないように、他者が自社の売り上げを食わないうちに、自社で食ってしまう方が、ジョブズ氏が言うように合理的であろう。
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