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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術④:指導者の重い使命感」から

2012.4.18   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術④:指導者の重い使命感」から

『曽子曰、士不可以不弘毅。任重而道遠。仁以為己任。不亦重乎死而後己。不亦遠乎。』 (論語 泰伯)


【書き下し文】曽子曰く、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁を以って己(おの)が任と為す。また重からずや。死して後に己(や)む。また遠からずや。

【コラムからの要約】孔子の高弟である曽子が、『指導的立場にある者には、広い心と強い意志を持つ責任と義務がある。それは任務が重く、道は遠いからである。人道の実現を自己の任務とする。何と思いではないか。その任務は、いのちある限り、全力を尽くしてつとめていくものである。何と遠いではないか。』と言っ た。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)が語るのは、リーダーの重い使命感について論語での曽子のことばで説いている。

岩淵氏は、上記の言葉に対してビジネスへの応用として、以下をポイントとしてあげている:

  • 孔子の考えでは人間は生きている限りそれぞれの使命を持っており、その使命は死ぬまで果たすべきものと考えた。
     
  • 人を指導する立場は自分の使命はもとより、他者に大きな影響を与える立場であることから、人格的にも道に外れないように絶えず努めなければならないという
  • 論語に精通していた徳川家康は、その遺訓で次のように語っている
    • 人の一生は重荷を負うて遠き道を行く如し、急ぐべからず。
    • 不自由を常と思えば不足なし。
    • 心に望みおこらば、困窮したる時を思い出すべし。
    • 堪忍は無事長久の基、怒り敵と思え。
    • 勝事ばかり知りて、負くることを知らざれば、害その身に至る。
    • おのれを責めて人を責むるな。
    • 及ばざるは過ぎたるよりまされり。
    • 徳川家康も、泰伯のこの部分をしっていたようだ。
  • 孔子も「吾、れいまだ徳を好むがこと色を好むがごとくする者を見ざるなり」と嘆いている。色欲に溺れた多くの指導者をみて嘆いた言葉だと言われている

日々、自分の心を正すことを続けないと、人の道からそれてしまうことから、生涯において重い使命だと孔子は説いている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:知ったかぶりの大人、隣人の役に立っているか」から

2012.3.9   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:知ったかぶりの大人、隣人の役に立っているか」から

教育者やコンサルタントは、対等な立場での議論や社会貢献を

コラムの著者 佐々木聰氏(東京工科大学教授)は、ある新聞の記事「知ったかぶりをする大人が多い」について、教育者としての自戒と社会に対する貢献について述べている。

佐々木教授は、このブログの著者にも通じる言葉である。

  • 『人にものを教える仕事を続けていて、いつの間にか自分が後進に対しては知ったかぶりになり、先進に対しては必要以上にへりくだっているように思えてきた』
    • 『教える相手、あるいは教わる相手に対して対等でいることができない』
    • 『学会などで発表内容が理解できないにもかかわらず、会場にいる若者たちの手前、知ったかぶりをする』
  • 『人にものを教えて手べている以上、ただで教えることは損であり、ただで教わることは得なのだ、といった貧乏神にどうやら取りつかれているようだ。実に情けない』
  • 『とある放射線研究の講演会で、女子高校生が参加していた。好機の視線の中で、勇気を振り絞って質問した高校生に対して、果たして私たち科学のプロの大人たちは、満足な答え方ができたであろうか』

どれも自戒すべきこと。対等な関係での議論がなければ、進歩もないし、理解も得られない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:がれきはバイオ資源、科学的知見重視を」から

2012.3.30   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:がれきはバイオ資源、科学的知見重視を」から

チェルノブイリなどの報告など科学的知見で判断

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学教授)は、がれきの処理の引き受け問題も科学的知見で考えれば、貴重な資源であると示唆している。

○がれきが貴重なバイオ資源である理由○

  • 東日本大震災でもたらされたがれきの量は約230万トンという
    • 60%が木質、10%が水分で乾燥を行った場合の発熱量は5千キロカロリー。
    • 石炭より10%減の効率で見た場合、発電効率30%の30万キロワット級の火力発電所を10年間運転できるという
    • 流動床燃料ガス化複合発電など最新技術で効率を上げれば発電効率は40%近くになるという
  • 既存の発電設備で石炭に数%混合して燃やすこともでき、二酸化炭素の排出量が減ったと計算できる
  • バイオマス発電は完成された技術に在る上に、チップに加工して暖房器具に使うといった軽便な方法もある
  • 廃コンクリートも粉砕して建築用材に利用することも普及している。塩分除去を洗浄乾燥することで行うことができる。
  • 復興に役立つエネルギ資源である

○がれきを貴重な資源と見ず、処理の引き受け手がないのか○

  • 最終処分場の不足
  • 放射性物質への恐怖

新田教授は、放射性物質の恐怖に対して、ロシア政府がチェルノブイリ原子力発電所の事故から25年経てまとめた報告書に次のような記述があることから、避難に伴う代償が大きすぎているのではないか疑問視している。

『事故が及ぼした社会的、経済的、精神的な影響を何倍も大きく見せてしまったのは、汚染区域を必要以上に厳格に規定した法律によるところが大きい』

さらに同教授は、日本政府や自治体は、放射線医学などの科学的知見を改めて重視し、適切・冷静な政策判断と地元への説明を徹底すべきと訴えている。

おりしも警戒区域の一部解除など科学的知見によるものかどうか、これからも重視する必要があろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:大河ドラマでつぶやきたい、若い世代が百家争鳴」から

2012.4.11    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:大河ドラマでつぶやきたい、若い世代が百家争鳴」から

世代による嗜好の分断に悩む制作者

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)が取り上げるのは、活躍の舞台の多い関西で兵庫県知事が「画面が汚い」発言で有名になったNHK大河ドラマ「平清盛」を取り上げ、世代ごとの嗜好が異なる点である。

平清盛は、初回視聴率17.3%と過去3番目の低さでその後も低迷しているという。しかし、平均的な受け止め方では説明できない、若い世代の熱狂的なソーシャルメディアでの人気ぶりである。

今やツイッターで、この大河ドラマのディープなファンでおおにぎわいである。更に、つぶやき自動的に行うアカウント「Bot(ボット)」が、ドラマの登場人物や周辺(中にも一瞬出演?する鸚鵡まで)の役割を演じるものである。ドラマの実況でも盛り上がるのはもちろん、日常的にボット同士が各人物になり切って会話をしている。

【ボットの人気ランキング】

主人公の平清盛が一番ではない。鳥羽上皇、雅仁親王、後白河法王の順に人気がある。歴史上悪役のイメージが強いのだが、少しやんちゃな宮様として女性に人気があるという。

ボットの正体は、20代の方で、フォロワー(読者)は中高生が多いようだ。しかも、彼らは純粋に大河ドラマを盛り上げたいという気持ちで進行しているという。歴史通であり、マナーも行き届いている。今までのマスコミ調査では浮かび上がってこないファン層である。

制作者にとっては万人受けするコンテンツを狙っているわけだが、特定のファン層を無視できない時代となっているようだ。コラムの著者中本氏と同様、著者も大河ドラマの進行がどうなるか気になるところである。happy01tv


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:スマートコミュニティー」から

2012.4.12  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:スマートコミュニティー」から

省エネに留まらず流通、技術の変革を生む可能性

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏が指摘するのは、スマートコミュニティーの持つ産業界への意義である。

○スマートコミュニティー実験で見えてきたこと

ITと蓄電池技術を駆使し、電気を供給側(電力会社)だけにとどまらず、需要側(消費者)でも管理しようというものがスマートグリッド。さらに、電気以外に、交通、熱も含めたエネルギーの効果的利用を地域と言った面で展開するものがスマートコミュニティーである。愛知県豊田市で、スマートコミュニティーの実証実験が行われているが、そこでの取り組みの第一歩は、家庭内エネルギーの「見える化」であった。

【平準化される電力需要】

  • テレビやスマートフォンで、家庭内のエネルギーの最適な使用時間帯が分かるようになると、昼間の太陽光発電で得た電気を蓄電池に充電し、夕方放電するという行動が盛んになったという。実に、分電盤の21%減ったとの報告もあるようだ。
  • 需給管理の消費者側へのインセンティブとして、Edyによるポイントがある。電気の使用量に応じてポイントを徴収する一方で、需給緩和時の電気使用はポイントを付与する。いわゆる、電力会社の従量制課金ではなく、デマンドレスポンス方式にポイント制を導入することで、電気だけを対象にする必要はなくなり、様々な商品・サービスに応用できる。

【大規模集中型から小規模分散型への移行】

  • 上記のように電気のみならず、様々な商品・サービスの消費にインセンティブを与え、需要をダイナミックにする新しい変革のチャンスでもあるという。
  • さらに、このコミュニティーを支える家電、重電、通信、自動車などのメーカーにも需要を生む。つまり、自社製品を売るだけでなく、制御技術や管理技術を提供する役割に代わる。これは、これまでメーカーの懸案であった付加価値サービスの実現を促すことにもなるという。

スマートコミュニティーと地域経済の結び付きによる活性化、メーカーの付加価値サービスの実現といった糸口を実証実験で是非つかんで欲しいものである。happy01