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2012.4.12  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:スマートコミュニティー」から

省エネに留まらず流通、技術の変革を生む可能性

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏が指摘するのは、スマートコミュニティーの持つ産業界への意義である。

○スマートコミュニティー実験で見えてきたこと

ITと蓄電池技術を駆使し、電気を供給側(電力会社)だけにとどまらず、需要側(消費者)でも管理しようというものがスマートグリッド。さらに、電気以外に、交通、熱も含めたエネルギーの効果的利用を地域と言った面で展開するものがスマートコミュニティーである。愛知県豊田市で、スマートコミュニティーの実証実験が行われているが、そこでの取り組みの第一歩は、家庭内エネルギーの「見える化」であった。

【平準化される電力需要】

  • テレビやスマートフォンで、家庭内のエネルギーの最適な使用時間帯が分かるようになると、昼間の太陽光発電で得た電気を蓄電池に充電し、夕方放電するという行動が盛んになったという。実に、分電盤の21%減ったとの報告もあるようだ。
  • 需給管理の消費者側へのインセンティブとして、Edyによるポイントがある。電気の使用量に応じてポイントを徴収する一方で、需給緩和時の電気使用はポイントを付与する。いわゆる、電力会社の従量制課金ではなく、デマンドレスポンス方式にポイント制を導入することで、電気だけを対象にする必要はなくなり、様々な商品・サービスに応用できる。

【大規模集中型から小規模分散型への移行】

  • 上記のように電気のみならず、様々な商品・サービスの消費にインセンティブを与え、需要をダイナミックにする新しい変革のチャンスでもあるという。
  • さらに、このコミュニティーを支える家電、重電、通信、自動車などのメーカーにも需要を生む。つまり、自社製品を売るだけでなく、制御技術や管理技術を提供する役割に代わる。これは、これまでメーカーの懸案であった付加価値サービスの実現を促すことにもなるという。

スマートコミュニティーと地域経済の結び付きによる活性化、メーカーの付加価値サービスの実現といった糸口を実証実験で是非つかんで欲しいものである。happy01

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